脳制御型エクソスケルトンの第1歩!? 脳でPC動かすサル、運動フィードバック込みのBCIで制御力アップ

脳にコンピュータを繋いで操作するブレイン=コンピューター・インターフェース(BCI)。マインドで義手義足を動かす研究は何年も前からあるけど、これはそれを次段階に押し上げる発見かもしれませんね。

サルに想念でコンピュータのカーソルを動かしてもらったら、エクソスケルトン(外骨格)を装着して知覚を強化した方が操作が速く正確になった! そんな新たな研究成果が今月15日の「The Journal of Neuroscience」に掲載になりました。

脳でマシンを制御するBCI技術は視覚に頼ってるものがほとんどですけど、そこに腕の動きや位置なんかのフィードバック(固有受容感覚)をプラスしてやれば装置もググンと改善できそうですね。

今は四肢麻痺の人でも脳制御の補助器具を使えばメールを送ったり、ビデオゲームを楽しんだり、ロボットの腕を動かすことができます。マインドでコントロールする車椅子はトヨタも作ってますよね。

今回の研究でシカゴ大学のNicholas Hatsopoulos博士率いる研究チームが目指したのは、脊髄を傷めた患者さんや筋萎縮性側索硬化症(ALS)の人など、麻痺した四肢にまだ感覚が残っている人たちのための新技術です。

北米神経科学学会の紹介記事にはこうありますよ。

 

「生命体は複数の知覚(視覚・触覚など)からのフィードバックで体の動きを調整している。動きを正常に制御するには四肢の動きを感じる能力が不可欠だ。この知覚を失うと動きは緩慢になり、タイミングも外れ、かなり集中しないと体が動かせなくなる」(Hatsopoulos氏)

そこで執筆者たちは2匹の成人のアカゲザルを使い、運動感覚を含めた装置の効果を測ってみた。各サルにはまず脳のシグナルだけ使ってカーソルを操作する訓練を行った。(頭の)電極でサルの運動皮層細胞からデータを集めて処理し、そこで得たコマンドをコンピュータに転送するのだ。基礎科学研究では、何か動かそうと考えると、その動きを起こすのと同じように脳細胞も活性化されることが分かっているので、サル的にはカーソルを動かそうと思うだけでカーソルは動かせる。

その上で研究者たちは、各動物の腕全体にロボティックな「袖」を着せてみた。実験第1部ではサルにコンピュータの画面を見るだけでカーソルを動かしてもらう。そして第2部ではサルにカーソルの動きを時間・空間で感じてもらえるよう、力を抜いたサルの腕をカーソルの動きに合わせてロボット制御の袖で動かしてみた。するとサルたちの感度が高まり目標物にカーソルが当たる速度も速まり、もっとよく命中するようになったのだ。また、視覚オンリーのフィードバックの時に比べ、運動皮層細胞のアクティビティにも運動関連情報の増加が認められた。

こうしたことからHatsopoulos氏は、自然なフィードバックや、人工生成した知覚フィードバックまで取り込める進化した脳制御デバイスに道を拓く発見ではないかと話している。「装着可能なエクソスケルトン型ロボットを着てもらえば、知覚が部分的あるいは完全に残っている患者さんに知覚情報を伝えることができる」、「あるいはまた、運動・知覚の両機能を失った患者さんでも皮層のしかるべき場所に直接刺激を与えてやれば体内に知覚フィードバックが再現できるかもしれない」(同氏)

要するに、マインドで制御するエクソスケルトンの技術は揃ってて、あとは開発・実用化するだけってことですね。一番興味をそそるのは最後のところ...これって四肢に刺激を与えてやれば手足動かさなくても運動フィードバックが再現できるってことですよね? 興味深い。ロボコップまであと一歩かもね。

[Society for Neuroscience]関連:WiredVision

写真:Raytheonさん(これはまだ想念で入力した字じゃないよ!)

Annalee Newitz(原文/satomi)