このままiPhoneが複数キャリアからは提供されない状況が続けば...マズイっすよ!

このままiPhoneが複数キャリアからは提供されない状況が続けば...マズイっすよ! 1

その危険にだれよりも気づいているのはジョブズ...

すでにヨーロッパでは複数の携帯電話キャリアからiPhone 4が発売されてもいる中で、米国や日本においては、基本的に単独の携帯電話キャリアが独占販売を続ける状況に変化が見られていませんよね。実はすでに米国内では、携帯電話市場の最大シェアを握っているベライゾンでも使えるCDMA対応のiPhone 4が年内にもリリースされる日が近づいているだなんて噂も度々流されてきましたが、どうやらその実現を最も願っているのはアップルなのかもしれませんよ。

ここに来ていそいそとアップルが一国一キャリアでのiPhoneの提供体制に終止符を打ちたがっている理由は、今年のスマートフォン市場の動きを特徴づけたグーグルのAndroid陣営の急速な台頭と無縁ではありません。実際もし本当にこのままiPhoneが特定の携帯電話キャリアに限定される形でしか購入利用しづらい現状が続くならば、かなりアップルにとってはヤバイことになってきているのはご存知でしたか? もしかすると日本国内でも同じような危険が迫っているのかも! ちょっと今回はiPhoneユーザーにとって気になる現在の本当の立ち位置を見つめておくことにいたしましょう。

 

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日本ならばNTTドコモとソフトバンクの間で、実際のところは一体どんなふうにiPhone販売の争奪戦が繰り広げられたのか、いまもって謎の部分も多いみたいですけど、どうやら米国内で最終的にAT&TがiPhoneの独占販売体制を築くようになった経緯といたしまして、いろいろと興味深い事実も明らかになってきているようですよ。なんと本音を言うならば、もうアップルとしては当初はトップシェアを占めるに至っていないAT&Tなんて眼中になく、ひたすらベライゾンへとラブコールを送り、iPhoneの売り込みに熱心だったんですってね!

ベライゾンはCDMAネットワークなので、いまのままの仕様のiPhoneでは利用できないなんてことは、まったくアップルにとって問題ではなく、スティーブ・ジョブズCEO自らが、もしベライゾンさえ快く首を縦に振ってくれれば、速攻でCDMAバージョンのiPhoneの製造にゴーサインを出す気満々だったなんて裏話も伝えられていますよ。これが現在でも本当ならば、日本ではauからiPhoneが販売される日も夢ではないのかもしれませんけど...

ただ、実際には知られているように、アップルがiPhoneの提供に当たって、かなり携帯電話キャリア側に多くの要求を突きつけたことも事実でして、これを結果的には呑めなかったベライゾンをあきらめて、今度はCingularにアプローチをかけ、ここでも蹴られてしまったので、もう仕方なくAT&TからiPhoneが提供される現在の状況に至ってしまったそうですね。意外と日本でも似たような経緯があったりして~

それはさておき、当初はアップルをはねつけたベライゾンでしたが、ここ数年で携帯電話業界は大きな変化を遂げざるを得ませんでした。電話といえば喋るものだなんて認識はいつの間にか覆されてしまい、音声通話に頼る収益構造は根底から崩れ去ってしまったいま、爆発的な売れ行きを見込めて、しかもデータ通信利用料金からの安定的な収益を確保できるiPhoneは、逆にベライゾンのほうからアップルに頭を下げてでも手に入れたい存在へと変化してきたわけですね。

なにをいまさら...あんなに最初に足繁く通ってはiPhoneを売り込んだ我々の努力を無駄にしておきながら、いまごろになって方針転換でiPhoneを都合よく欲しがるとは何事ぞ! もうとっとと帰ってくれ。アンタらにiPhoneだけは絶対に渡さんからな。

そこは強気のジョブズらしく、激しく啖呵を切って決め台詞を吐いてそうにも見えなくはないんですが、実はアップルにもそうは返せない厳しい事情があるんですよね。

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なにかと発売イベントから話題になってきたiPhoneなので、絶好調の売れ行きのイメージばかりが先行しがちですが、世界的な視点で眺めてみますと、決して向かうところ敵なしという状況でもないんですよね。こちらはガートナーが発表したスマートフォンなどのOSの世界シェアのデータなんですが、確かにiOSのシェアは来年までは伸びていっています。でも、4年後の2014年に目を向けてみますと、もう早くもシェアは低下曲線をたどり始めているとの厳しい予測ですよ!

一方、そんなアップルを尻目に飛ぶ鳥も落とす勢いで飛躍的に伸びていくと予想されているのが、そう、すでに登場前からジョブズが存在を恐れていたAndroidなんです。昨年までは3.9%という微々たるシェアでしかなかったのが、すでに今年はiOSを上回る17.7%のシェアを世界で確保し、そのままグングンとトップシェアを目指して右肩上がりに伸びていくと見られていますよ。そう言えば、いつの間にか日本でもAndroidがiPhoneの独走態勢を止めつつあるとの指摘も出てきていましたが、世界ではAndroidの勢いが加速しまくっているみたいですね...

アップルが最優先させるべきことは、とにかくAndroidよりも迅速に携帯電話市場でのシェアを伸ばすという一点に懸かっている。Androidとの競争とは無関係なものは、すべていまは脇に追いやっておいてでも取り組むべき課題だ。

アップル通でも知られる有名ブロガーのジョン・グルーバーさんが以前に記したポイントが、如実にアップルの課題として突きつけられてきていますよ。確かに量と質の問題はあるでしょうけど、世界中で非常に多種多彩なモデルを携帯電話キャリアに縛られることなく使えるようになってきたAndroidの進出戦略は、アップルのiPhoneとは対照的に、現在のところは大きく功を奏しているようですもんね~

きっとiPhoneが欲しいので携帯電話キャリアを変えましたって人も少なくはないんでしょうけど、やっぱり皆が皆、すぐに乗り換えられるわけではありません。大抵は自分が使っている携帯電話キャリアから出されている新機種の中から、使いたい携帯電話を選択するというケースが一般的でしょう。でも、もしもiPhoneが、たとえば米国内ならばベライゾンという国内最大キャリアから堂々と正規販売されたらどうでしょう? まだまだ使いたいのに使えないって理由でiPhoneの購入を見送っていたユーザーが、一気に新規のiPhoneユーザーと化していく成長要素が十分に期待できそうですよ。まぁ、現にiPadのほうはベライゾンからも絶賛発売済みですからねぇ。

そんな理由で、いまでも米GIZMODO編集チームは、やっぱり近いうちに間違いなくベライゾンからiPhoneの新モデルが発売されるなって堅く信じているようです。アップルにとっても、携帯電話キャリア側にとっても、相思相愛のメリットが存在する以上、遅かれ早かれ必ずってね。そうじゃなければ、ちょうどWindowsとMacの関係みたいに、いつの間にか多数のメーカーから世界各地で販売されまくってパソコン市場の圧倒シェアを奪っていったWindowsのような勢いで、すべてをAndroidに奪われちゃうんじゃないかなって懸念が的中しちゃうんじゃないでしょうか。

えっ、じゃぁ、同じことが日本でも起きるとすれば、来年こそはソフトバンク以外の携帯電話キャリアからもiPhoneの新モデルが正式発売される日がやって来るってこと? それはあくまでもアップルと各携帯電話キャリアの対応次第ですけど、でも、明らかにその日を楽しみに待っているユーザーは、きっと日本にもたくさんいると思いますよ...

matt buchanan(米版/湯木進悟)