「光の道」構想は実現する...のかな?

「光の道」構想は実現する...のかな? 1

総務省の「光の道」構想の最終報告がまとまり、以下の内容が決定したそうです。

・NTTを現体制のままで設備やサービスなど機能別に分け、人事や情報、会計などを厳格に区分して、他の通信事業者との競争条件の公平化を図ること

・NTTが他社に貸し出す光回線費用の値下げを働きかけること

・3年を目途に普及状況などを検証し、問題があればNTT再編も含め再検討すること

ちなみに、積極的に色々と提案していたソフトバンクの最終案は、以下の内容でした。

・NTT東西が抱えている光回線の事業を分離し、アクセス回線会社を設立する

・アクセス回線会社は政府を含む、NTT、KDDI、ソフトバンク他の共同出資とする

・税金ゼロで全国計画的工事、メタル回線の撤去、光回線基本料金の値下げを実現する

11月に入ってから行われた総務省部会の中で、NTTの会社分離は見送られ、ソフトバンクが提案していた内容は最終報告にほとんど盛り込まれていないように見えます。唯一関係しそうなところを挙げるとしたら3年を目途に見直すというところ、だけになりますかね。ソフトバンクは、専用のサイトを立ち上げたり、最近は「光の道」のTV CMを流していただけに残念な結果になりました。

最終案が発表される直前に、NTTから光回線の利用料を将来的に、現在のADSL並みに引き下げる...とアナウンスがありましたが、最終報告に「NTTが他社に貸し出す光回線費用の値下げを働きかけること」が含まれることになったので、そのこととも関係しているのではないかと思われます。それ以前に、ソフトバンクの提案の中で光回線が高止まりになっているという指摘があったような気もするんですが...

そういえば、いつの頃からか光回線の利用料(具体的にはフレッツの基本料金)って、変わってないですよね? ISDN、ADSL、FTTH(光)の基本料金がどのように値下げされてきたのかを振り返りつつ、グラフにまとめてみました。

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出典:フレッツアクセスサービスの値下げ推移(NTT東日本)

前半部分(1999年11月から2005年11月まで)で、何度も小刻みに値下げされているところ(2001年7月から12月まで)があります。

この背景を振り返ってみますと...2001年半ばまでADSLサービスの多くが1.5Mbps接続で月額4000円から6000円位(フレッツ料金含む)でした。その状況で、Yahoo! BBが8Mbps接続で月額3017円(当時)で2001年9月に参入してきました。さすがのNTTも黙って見過ごす訳にはいかず、Yahoo! BBの状況を見つつ、フレッツ料金の値下げを繰り返していったように見えます。ADSLと時期はズレますが、FTTHも、緩やかに値下げが行われています。

  

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出典:フレッツアクセスサービスの値下げ推移(NTT東日本)

おや? こちらの後半部分(2005年11月から2010年11月まで)は、ほとんど変化がないですね。

ISDNやADSLに関しては、十分安くなかったから...ということでしょうか。

一方で、FTTHはマンションタイプが値下げされただけで、通常タイプの方は5年半以上(2005年2月以降)全く値下げがされてなかったようです。

ここが現状の光回線費用が高止まりと指摘されていたところになるようです。また、FTTHは通常タイプとマンションタイプで、価格差がついたままですね。マンションタイプの方が1回線を分割して複数のユーザーで利用するのに対して、通常タイプは1回線を占有して1ユーザーで利用するということで、通常タイプの方が高くなる...というのは分かるのですが、この価格差も結構大きいですねぇ。

今回の「光の道」構想って、政府的には2015年を目途に各家庭に光回線を普及させることが目的のようですが、光回線の整備が完了して全世帯から利用できるようになったとしても、一般の消費者的には光回線の月々の費用が安くなったら、(ISDNやADSLから)乗り換えてもいいかなってな感じじゃないかなと思っています。そういう意味では、最終報告の内容で本当に「光の道」が実現するのかなぁ。...と思っちゃいます。

5年後にそういえば、「光の道」って構想のまま終わっちゃったよね...みたいな話にならなければいいんですけど...ちょっと悪い方に考え過ぎちゃってますかねぇ。

「光の道」構想に関する意見募集[総務省]

ソフトバンク「光の道」への提言[ソフトバンク]

フレッツアクセスサービスの値下げ推移[NTT東日本]

NTT再編、3年後に再検討も=「光の道」構想で政府方針[時事ドットコム]

Photo by tyranos_wl

(KENTA)