Chrome OS発表のまとめ

101207chrome_top.jpg

ついにChrome OSの全貌が明らかになりましたね! ひと言でまとめるとChrome OSは「Chromeブラウザの中で動作する、完全にクラウドベースなOS」です。起動は一発。米国ではベライゾンが無料でモバイルデータ通信をサポートします。

OS発表イベントで見た第1印象をまとめておきましょう。

101207chrome_whatschrome.jpg

Chrome OSって何だっけ!?

Chrome OSは一から十まで全部ブラウザ内で操作できるGoogleのオペレーティングシステムです。Chromeブラウザ入れた対応OS(WindowsとかMacとか)のパソコンなら誰のパソコンからでも操作できちゃう。Chrome OS専用マシンで使ってももちろんOKだけど。

ブラウザから「フォルダー」にアクセスして、そこに保存しといたアプリや文書から必要なものを取り出してオフラインで使えるんですね。

「ネイティブアプリでできることはウェブアプリでなんだってできる」というのが、Googleの考え。

101207chrome_guestmode.jpg

どう使うの?

初めて開くと、まず出てくるのがオリエンテーション画面です。お決まりの利用規約に合意後、Googleアカウントの認証画面が出てくるので、持ってる人はユーザー名&パスワードを入力します。持ってない人はとろうね。

するとテンテケテ~ン。初めての人はデフォルトの設定がゾロゾロ出てきますし、他のマシンでChrome OS使ったことのある経験者は前回使った環境がそのまーんま呼び出されて出ます。グーグルの設定手順のデモを見ても、最初から最後まで1、2分しかかかんない感じでしたよ。

Chromeは複数のユーザーで共有できるほか、ゲストモードも備えており、ゲストモードの時は匿名ユーザーとして使えるウィンドウが開きます(写真上)。

Chrome OSでまだ完成してない領域は2つ。ひとつはUSBサポートです。Googleはまだ開発中だと話してますが(特にカメラ)、これはまだまだ使える状態じゃないですね。

Google Printもまだベータですが、Chrome OSではサポートされる予定です。忘れちゃった人もいるかもしれないけど、これはインターネットに繋がってるプリンターなら機種別にドライバをインストールしなくても、どのプリンターにでもデータ流して印刷できる機能ですよ。

 

101207chrome_app.jpg

アプリはどう使うの?

ウェブアプリはフルスクリーン(全画面表示)モードで呼び出せます(写真上)。普通のブラウザで使うアプリの雰囲気とは全然違うし、没頭できますよ。デモではエクセルもChrome OSで動いてましたよ、ほぼフルスピードで。会社員のギークには嬉しいプラス。

ChromeもGPUフレンドリーになってきてます。つまり、ゲームみたいなグラフィック満載のアプリもちゃんと動くんですね。WebGLをサポートしてるので、プラグイン抜きで3Dのシーンもリアルタイムで表示可能です。発表ではChromeで3Dの魚1000匹と、人体の全身3Dモデルをレンダリングするデモもあったんだけど、これは360度ぐるっとインタラクティブに操作できます。動作もシルクのように滑らか。

アプリの使い方は他にもいろいろあって、NPR(米国のラジオ局)のアプリなんかはFlippingというのを通せば聞きたい曲をブラウザにオンザフライで追加が可能。雑誌『Sports Illustrated』やNPRのアプリはストアから直接ロードして、そこにあるニュース、写真、楽曲をインタラクティブにいじれるんです。

アプリの中には「インストール」すると、Appのフォルダーに保存され、Chromeのタブで開くようにできるアプリも。このタイプのアプリはクリックすると全画面表示で立ち上がり、これ(アプリ)が保存されてるサーバに繋がります。

101207chrome_amazon.jpg

さらにGoogleはウェブアプリ専門ストア「Chrome Web Store」もOSが発表になた8日(米時間)のうちにオープンしました。これは「発見」のためにつくったお店だと、Googleは話しています。

見た目はiTunes Storeみたいですが、全部ブラウザを通して動くところが違いですね。クラウドに保存した多種多様なアプリの窓口として、OSをパワーアップするストアです。

今までのところChromeプラットフォーム向けに最適化したウェブアプリを出しているのはアマゾン、 NPR、EA、NYタイムズの各社。

まだ実験の叩き台みたいなアプリが多いです、特に報道関係は。コンテンツの種類をどうするか? それをどう見せる? これはアイディア百出ですね。まかり間違えば、せっかくのサイトが準備不十分で仰々しいだけの「アプリ」になってしまうし、うまくやればウェブページの当然辿るべき進化形になる可能性も大。ここはデベロッパーも腕の見せどころじゃないでしょうか。

今とりあえず出ている無料アプリから少し選んで感想を。

-NYタイムズのアプリ: 同社の「Times Reader」と見た目そっくり。カスタマイズ用スキンは沢山揃ってて、これ変えるとがらりとイメージが変わります。選ぶスキンによっては、サイト風にしたり、カラフルな写真を大写しにしたり、タグごとにナビしたりできます。そんなこんなで僕はサイト行って読むより断然こっちがいいな。

-EAの「Poppit」:Chrome OS用に最適化したゲームは今んとこコレ1本。ルックも動作もすごくいいです。が、いかんせん2Dなんですよね...グラフィックが多いわけでもないのに。ま、ショックということもないですけどね。EAは、将来出すWebGLベースのゲームについてはビッグなプランを抱えてると話してます。

-Giltのアパレル系ショッピングアプリ:これはアプリケーションとウェブサイトの中間にあるChromeアプリらしい事例。カラム状のパネルをウィンドウに加えたり引いたりできて、パネルは水平にスクロール可能。ブランド別・商品タイプ別に検索すると、新しいパネルがポップアップします。アプリを閉じると、その時の状態を記憶してくれるので、次回使う時も検索をまたやり直さなくてもOK。自分の検索結果に引っかかる新製品が出ると、アラートを流してくれます。

-Sports Illustratedアプリ: これも面白いですよ。大きくて簡単にナビできるエレメントで写真を強調しています。このフレームワークの中なら動画もうまくいきそうですけど、そちらはまだ作業中みたいですね。というわけで現状まだ見れるものに限りはあるけど、見た目はGOOD!

-NPRアプリ:ラジオ&音声コンテンツの基本に回帰してますね。例えばニュース放送、アルバム初紹介、 ストーリーテリング専門番組「Snap Judgment」なんかの局オリジナルコンテンツ。ボタンが大きくて目立つ画面下のナビ&再生バーもナイスだけど、印刷コンテンツの取込み方もうまい。

-Chrome自体にもスピード、UI、セキュリティなど改善点が。まずURLを1文字か2文字入力すると、その文字で始まる一番よく行く何ページかを自動的にロードしてくれます。Omnibox内検索でも検索結果は自動ロード。ChromeのPDFリーダーも改善され、数秒で2000ページ分の文書の読み込みが可能になりました。

-MOGのオンデマンドの楽曲ストリーミングアプリ:MOGの普通のサイトに比べ、余分なものを取り払ったシンプルなUI。個人的には、こっちの新しいルックの方が素早い曲探しには向いてると思うな。(ディスクロージャー:僕が前働いてた会社です)

Chrome OSを生で見た感想

ちょっと難しいかも。デモといってもOS全体を網羅したものじゃないので、個々のアプリを見た感想しか書けないし。Googleの発表イベントで行った実演デモは全部ChromeのOS X対応版でやってたので、専用マシンでOSを軽量&フル稼働で動かしてどうなのかまでは判断できません。

僕が言えるのは、ユーザーエクスペリエンスがまだ洗練されてないChrome OSアプリがほとんどだということです。大体のアプリはアニメーションやトランジションにラグがあって詰まるんですね、それ以外はホントに反応もいいしデザインも良いのですが。これはフルOSで動かしてるから、というのもあると思いますけど、EAのRichard HillemanさんもHTML5とWebGLの活用が確立するのは時間の問題だし、それが済み次第グラフィックスの最適化もずっと今より速くなって、ビジュアル的にパワフルなものが100%ブラウザ内で完結するようになるだろう、と話してました。

ほとんどのアプリに共通して見られるトレンドは、大きなタイルがベースのナビゲーション。Sports IllustratedもGiltもSalonもNYタイムズもアプリ内のものは全部、簡単にクリック(タッチもかな?)できる正方形・長方形にオーガナイズされてて、写真もふんだんに使ってます。何人かの開発者に話を聞いてみたら、やっぱりこういったアプリをデザインする際にはタッチスクリーンを念頭に置いていた、みたいな意味のこと言ってましたよ。

101207chrome_cr-48.jpg

いつ、どこで買える?

まだ今はベータなので買えません。このChrome採用12型ノート「CR-48」は非売品。企業・デベロッパーがChrome OS開発プログラムに登録すると入手できるOS試運転用のノートですよ。

これ、Caps Lockキーがないんですが、設定変えで復活は可能です。インテルAtom、国際規格の3Gデータ通信用チップ、フラッシュストレージ、フルサイズのキーボードとあと完璧にオープンなOSが搭載になってます。

グーグルの話によると、2011年にはChrome採用のノートがエイサーやサムスンから発売になり、その後もっと他のOEMも続くようですよ。Chromeノートは3Gモバイルデータ通信にも対応します。米国ではベライゾンが提携し、向こう2年間毎月100MB無料でデータを提供するほか、店頭に並ぶ頃には契約縛りのないプランも月額10ドルから各種用意される見込みです。

価格は未定。

Adrian Covert(原文/satomi)