3Dが成功しない理由 それは我々の見るという行為自体が原因!

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3D映画好きですか? 普通の映画とどっちが好きですか?

個人的にはもし同じ映画が通常版と3D版とあれば、通常版を見たいと思うのですが...。

3Dがこれだけ話題になっても、なんだかイマイチ大ブームがやってこないのはなぜでしょうか? メガネがうっとうしいから? まぶたをピクピクさせたくないから? いいえ、理由はもっと他に、実に根本的なところにあったのです。アカデミー賞受賞経験もあるエディターWalter Murch氏曰く、それは我々の見るという行為そのものが問題のようです。

米国の映画批評家Roger Ebert氏の元にWalter氏から3Dに関するお手紙が。そこには3Dは今後も成功しないという彼の意見が書かれていました。Walter氏がいうには、何万年もの間、我々人間が行ってきた「見る」という行為、対象物に焦点を合わせて見るというやり方自体が3Dとは馬が合わないということ。

3Dの最も大きな問題は、映画を見るために合わせる焦点を1つだけに集中することができないということ。映画を見る際、観客は平面なスクリーンに目をむけます。スクリーンと観客との距離が25メートルだとすると、その25メートルという距離は映画の間ずっと変わらないわけです。ですが、3D映画になるとそ、3Dの効果によって、焦点をあてて集中してみるべき点が、3メートル先になったり18メートルになったり、はたまた35メートルになったりするわけです。しかし見ているスクリーンは常に25メートル先。スクリーンとの一定の距離で見つつも、集中して見るべき点の距離は常に変化している。人間の見るという行為6億年の中でこのような見方をしたことはありません。見るべき点と焦点をあてる点は同じ、それが人間が今まで行ってきた見るという行為なのです。この点を説明しWalter氏は3Dの難しさを手紙に綴ったようです。

もちろん人間がこのような3Dトリックを見る事ができない、というわけではありません。ただ、難しいということ。つまりは見てると疲れちゃうってことですね。数々の話題作で編集・音響を担当し、映画製作で技術的な革新をしたと評され、アカデミー賞を数回受賞しているWalter氏の言葉なら、ふむふむ、と納得してしまいます。もちろん彼自身も3D映画の編集を経験しています。プロ中のプロが成功しないという3D、はてさてはてさて。

[Ebert]

そうこ(Brian Barrett 米版