グーグルCEOが交代、共同創業者のラリー・ペイジ氏に。グーグルはどう変わる?

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エリック・シュミット氏がグーグルCEOの座を下り、共同創業者のラリー・ペイジ氏に譲ることが発表されました。シュミット氏はこれまでグーグルの会長兼CEOでしたが、今後は会長職ということになります。

でも、なぜこうなったんでしょう? また、我々にとってこれはどんな意味があるのでしょうか?

 シュミット氏本人によると、こんな事情です。

ラリーが今後、彼の最大の強みである製品開発や技術戦略をリードするでしょう。4月4日から、彼がグーグルのCEOとして、我々の日々のオペレーションの責任者となります。この新しい役割において、彼はグーグルの技術とビジネス上のビジョンを見事に統合してくれることでしょう。

これまで三位一体の体制を築いてきたもう一人、セルゲイ・ブリン氏は、共同創業者(Co-Founder)の肩書きで新商品開発に専念します。

...というのが公式発表なんですが、シュミット氏のつぶやきからはうっすらと実情をうかがうことができます。

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「もう、大人(であるシュミット氏)が日々(子供であるペイジ氏以下の)面倒みなくていいんだな」と思ったんだよってことですね。

シュミット氏が自分自身を単なる肩書きだけのお飾りだと思っていたとは考えにくいです。何しろもう10年もグーグルにいるのですから。それに彼はおそらく今後も彼の「大人」としての役割を務めていくことになるでしょう。つまり「取引や提携、顧客や企業との関係、政府との折衝、そして当社のグローバルな展開によって重要になってきた技術的リーダーとしての役割」などに注力するということです。まあその手の、大人っぽい仕事です。

そうした役割は、これまでもシュミット氏の主要な役回りでした。そして今後はそれが彼の唯一の義務になるわけです。そして1月20日に行われた収支報告の場で、彼ははっきりと「(グーグルの)戦略において、本質的な変化はないだろう」と発言しています。

何かあるとすれば、ペイジ氏が彼の子供っぽさを克服したということかもしれません。彼は以前、米メディア業界の重鎮バリー・ディラー氏との会談中に携帯端末から目を離さず無礼な態度をとったことが有名になってしまいましたが、今はもっと前向きになろうとしているのかもしれません。でも、ペイジ氏はつねに会社の方向性には深く関わってきました。CEOの肩書きがあっても、彼のあり方そのものは大きく変わらないでしょう。それは単なる肩書きです。

また、ペイジ氏はそもそもグーグルの最初のCEOで、1998年から2001年までその立場を務めていました。企業を育てること自体は、彼もよく知っているし、ちゃんとできることです。強いて変化しそうなことを言えば、今後グーグルのエンジニアはこれまで以上に開発の自由を享受することでしょう。ただしその結果、Gmailの改善につながるか、Google Buzzのようなお騒がせになるか、何があるかはわかりません。

損失があるとすれば、ブリン氏の役割が弱くなっていることでしょうか。彼はしばしばグーグルの良心とか、モラルの中心と考えられています。彼はまだ今後もグーグルにいる予定ですが、「個人的な思いがあるので、もっと(この会社で)働きたい」と明言しています。そうした彼の思いの一部はグーグルのプロダクトとして世に出るでしょうし、一部は実を結ばないかもしれません。ともあれ、ブリン氏が経営の中心から離れれば離れるほど、グーグルがその方向性を見失う可能性は高くなってくるでしょう。

まとめると、こういうことです。短期的には、何も起こりません。グーグルは引き続き的確な検索結果と広告を表示し続け、Gmail IMAPはときどき不調で、特別な日付にはGoogleロゴが特別バージョンになるでしょう。でも長期的には、より多くのプロダクトが、特にグーグルのコアである検索関連で登場するでしょう。さらにリスクはより大きく、その分成功も失敗も、より大きなものになるでしょう。そしてグーグルのビジネス拡張の勢いは、これまで以上に速くなっていくでしょう。

[Google]

Brian Barrett(原文/miho)