NASA幻の珍機

NASA幻の珍機 1

目がおかしいんじゃないですよ。

胴体に翼が斜めについてる「AD-1斜め翼試験機」です。

スピードを上げると0度から最大60度の角度まで翼がぐいぐい回っていきます。一瞬、斜めに飛んで見えますよね。

この斜め翼のアイディアを思いついたのは、NASAエイムズ研究センターのエンジニア、ロバート・ジョーンズ博士です。風洞試験で超音速機(最大マッハ1.4)に斜め翼を取り付けると燃料は普通の翼の半分で済む可能性もあることがわかり、いっちょ実機作って調べてみよう! ということに。

こうして立ち上がったのが、「AD-1」研究プロジェクトです。

 

NASA幻の珍機 2

実験で知りたかったのは、そんな飛行機があったら航空力学的にどんな特徴を持ち、操縦にはどんな制御法則が要求されるんだろうか? という部分です。

1970年代には遠隔操作の低速・低コストの設備でまずは実験。予想通り、傾斜角45度を超えると空力弾性やピッチ-ロールカップリングの影響でうまく操縦出来ませんでした(ファイバーグラス素材なので翼の剛性が限られしまったのも一因)が、これで技術的な実験目標はすべて片付きます。でもやはり圧縮率の影響評価や遷音速における飛行性能の分析をするには、斜め翼の遷音速実験機が必要ということに...。

そこでNYのAmes Industrial社が製造を請負い、デザインはNASAがボーイング社の幾何学形状を叩き台に詰め、具体的設計・分析はルータン航空機製作所が行って作られたのが、「AD-1(Ames Dryden -1)」―史上初の斜め翼機というわけですね。

AD-1は1979年3月、モハベ砂漠西部カリフォルニア州エドワーズのNASAドライデン飛行試験センターに届けられ、1979年12月21日の初飛行から計79回飛びました。操縦したのはNASA研究所パイロット、Thomas C. McMurtryさん。

NASA幻の珍機 3

最終飛行は1982年8月7日。

Jesus Diaz(原文/satomi)