ますます空港セキュリティーチェックが厳しくなってる本当の理由...驚くべき爆破テロの隠し手口アラカルト!(動画あり)

2011.02.08 17:00
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テロリストとの頭脳戦に勝利は厳しいのか?

飛行機に乗ろうとすると空港では絶対に避けて通ることのできない厳しいセキュリティーチェック。あの混雑時には長々と列に並ぶ人を見るだけでもウンザリしちゃうポイントですけど、そのチェック内容も、なんだかここ数年で随分と様変わりしてきたよなって思いませんか? 機内へのペットボトル飲料などの持ち込みが厳しく制限されたり、靴まで脱いで検査されることがあったり、おまけに最近では「フルヌードスキャナー」という批判の声まで上がりまくっているボディースキャナーの導入が各地で進んでいたり...でも、そこまで本当にする必要があるの? いったい何が原因で搭乗客の自由が著しく制限されているの?

そんな素朴な疑問の裏で繰り広げられている、飛行機の爆破テロ実行犯らの取り締まり作戦の実態に、ちょっぴりですが米GIZMODO編集チームで迫ってみましたよ! ランニングシューズの靴ヒモに潜ませた爆発物に、同じく靴の中へ隠したマッチで火をつけて爆破を試みるだなんて手口など序の口のようでして、まだまだ凝りに凝りまくったテロリストの驚くべきアイディアのアラカルトが明らかになってきています。空の旅の安全を守るため、なんとか飛行機を狙うテロを未然に防ごうと必死で取り組まれている安全対策の知られざる裏側を、少し今回の特集では覗いてみることにいたしましょう~
 

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時限爆弾といえば、あのハリウッド映画でもお馴染みの赤く光るLEDのカウントダウンタイマーで示された時間が刻々と減ってきて、急いで時間切れになる前にリード線を切断して解除しなければ大爆発してしまう...というスリリングなシーンを思い出す人も少なくないかもしれませんが、そんなのは映画やドラマの中だけの話で、現実には起爆まで容易には探知できない非常に凝った仕組みの数々が治安当局を悩ませる日々となっているみたいですよ。

テロリストたちが実行できる物事の数は、その対策として講じられる措置の数をはるかに上回っている。

こう的確に指摘しているのはロスアラモス国立研究所の研究者として名を馳せたポール・ロビンソン博士ですが、とりわけ近年では、ますます賢くテクノロジー通になってきている凶悪なテロリストの急増が大問題に! しかも爆破の主役となる爆弾の製造はドンドンと容易になっており、おまけに簡単には探知不能な携帯性にも優れたものばかりが増えまくってくる始末です。

ではでは、ここで過去に大騒動を引き起こしてきた、飛行機内で恐るべき危険をもたらす爆発物の隠し場所の数々を順番にご紹介してまいりましょう。こんなの絶対にセキュリティーチェックをすり抜けちゃってるよって驚きを誘う、まさに洗練されたアイディアばかりが登場ですよ!


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靴底全体が爆弾になっているケース

空港のセキュリティーチェックにおきまして、とりわけ搭乗客の履き物にまで最新の注意が払われる理由は、ここにあるみたいですね。特に凝ったものでは、靴ヒモなどに隠すという手口ではなく、もうまさに靴底そのものが爆弾になっているというケースでして、実際に2001年12月、パリ発マイアミ行きのアメリカン航空63便におきまして、四硝酸ペンタエリスリトール(PETN)が詰まった靴底にマッチで火をつけようとしたものの、爆破未遂のまま取り押さえられたリチャード・リードの実例から、世界中で大いに警戒されていますよ。


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スポーツドリンクのペットボトルに液体爆弾を仕掛けるケース

このところ特に国際線の機内では液体物の持ち込みが非常に厳しく制限されるようになった理由は、このケースを警戒しているからなんですよね。実際に2006年にはスポーツドリンクのペットボトルの中へ、堂々と飲料を装って仕掛けた液体爆発薬を航空機内に持ち込み、飛行中に米国の上空で爆破を試みた容疑で複数のアルカイダ系のメンバーが逮捕される事件も発生していますよ。

過酸化水素とアセトンを混合した物質に硫酸を加えるという手口で作られるTATP爆弾の最大の強みは、やはりこうやって液体飲料を偽装されると簡単には見分けがつかないことにあるでしょうか。ちなみにTATP爆弾の信管は、なんとカメラのフラッシュ(携帯電話やスマートフォンに搭載されているものでも可)の電熱でも代用できちゃうという話ですから、いざ本当にセキュリティーチェックをすり抜けて持ち込まれてしまったら大変なことになっちゃうでしょうね...


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犬の体内に爆弾を仕掛けたケース

もうここまできちゃうと悲惨で残酷極まりなく、しかもほぼ現在のセキュリティーチェック体制では探知も不能かもしれませんよね。でも、実際に2008年のことですが、アルカイダ系のメンバーによって開腹手術を施され、起爆装置やら爆弾やらを体内に埋め込まれた犬が2匹、バグダッドで発見されて未然に爆破テロが防がれたとのニュースも伝えられています。どうやら手術の質が劣悪だったのと、あまりに無謀な体内への埋め込み状態から、搭乗前に2匹とも死亡してしまって事件が発覚したようですが、もしそのまま飛行機に乗せられていたら大惨事につながっていたことでしょう!


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下着の中に大量の爆薬を隠し込んだケース

これは全裸ストリップに等しい! そんな大々ブーイングの嵐を引き起こしつつも、空港でのボディースキャナーによるセキュリティーチェックが導入されてしまった一因は、こんな事件にも端を発しているようですね。だって、2009年12月にデトロイト空港への着陸直前に、いきなり乗客のウマル・ファルーク・アブドルムタラブの掛けていた毛布から炎が上がり、とっさに彼に果敢に飛びかかった他の乗客から取り押さえられたので大事には至りませんでしたが、もしこの時にパンツの内側に縫い付けられていた80gものPETN爆薬に燃え移ってしまっていれば、一気に機体は爆破されて飛行機は墜落...という悲惨な流れをたどっていたことは確実だったでしょうから。

それにしても、セキュリティーチェックでパンツの内側まで検査しちゃわないと爆薬を探知できないだなんて、本当に一般の搭乗客には迷惑極まりない事態になってまいりましたね。ただし、物議を醸しているボディースキャナーでも意外と探知できない爆発物があったりという気になる指摘も出てきてますが~


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とうとう人体に爆弾を埋め込んでしまったケース

ブラジャーやパンティーの中だなんて甘すぎるのかもしれません。もう究極の隠し場所は、自分の身体の奥深く! どうやら胃の中だと胃酸で起爆前に異常が生じやすかったりもするので、腸の中くらいが手術で埋め込んじゃうのには最も適当なんだそうですよ。自らの身体もバラバラに吹き飛んで死亡を免れませんが、あとは携帯電話などを使って遠隔操作で思いのままの爆破テロが確実に実行できちゃうんだとか。

これは別にSFの世界でもなんでもなく、本当に2009年8月には、サウジアラビアでテロ対策の最前線でも活躍してきたムハンマド・ビン・ナエフ王子の暗殺を狙って実行犯が接触を試み、あわや王子も道連れになりそうなところまで近づいて起爆に成功したと伝えられています。この時に幸い王子は軽傷で済んだそうですけど、まさに危機一髪だったのではないでしょうか。こんなことを飛行機の上で実行されたらたまったもんじゃないでしょうね。

心配なのは、女性ならばバストのふくらみを利用して、あろうことかオッパイに爆薬を注入する手口まで明らかになってきたことです。Cカップ以上であれば、十分に飛行機を爆破可能なレベルの爆薬を身につけられるんですって。男性ならば、お尻のふっくらみを利用して、ヒップに注入したりするのが一般的でもあるそうですよ。さすがにペニスに爆薬を注入するという手段まではまだ使われてないみたいですが。

こうした体内に仕掛けられた爆薬への究極の対抗策といたしましては、X線を用いたレントゲン検査を全空港のセキュリティーチェック時に義務付けでもすれば着実に発見可能みたいですけど、そんなこととてもじゃないですが実現しないでしょう。もはやテロリストとの戦いに勝ち目はないのか...



プリンターのトナーカートリッジに仕掛けられたケース

意外とローテクな隠し場所だって、逆に盲点になるので狙われやすいそうですよ。たとえば、実際に昨年10月にはPETN爆薬が、ごくごく一般的なレーザープリンターのトナーカートリッジに仕掛けられ、携帯電話との連動で遠隔起爆可能な状態にて、米国へと向かう飛行機内に積載されているのがドバイで発見され、世界を驚かせています。非常に精巧な完成度の起爆システムになっており、そのシンプルな手口が非常に発見を困難にさせたとのことですね。なんだかもう何が安全で何が危険なのか、あらゆるものを疑ってかからなければどうしようもない事態になってきましたね~


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いかがでしたでしょうか? あくまでも今回の特集は、飛行機内へと巧みに持ち込まれる爆弾の手口を、米GIZMODO編集チームが分かりやすく紹介してきたスタイルでしたので、爆薬にかかわる専門的な知識という点では不十分な情報も多々あったかもしれません。ただ、こうやって見てみますと、確かに非常にテロリストの技術レベルは上がってきてはいるものの、意外と隠し場所にはローテクなものが数多く用いられていることにも気づかされる感じがしますよね。

これまでの歴史を振り返ると、長い時を経て、いろいろとテロリストが用いる手口は変遷を遂げてきたものの、ある1つの事実は変わっていないことが分かる。テロリズムにおいては、常に攻撃する側のほうが防御する側よりも容易であるという点だ。また、大いにテクノロジーの発達した社会ほど、ローエンドのアプローチに対して脆いという点も挙げられる。

こんな報告まで飛び出してきており、なかなかテロとの戦いの厳しい現実も浮き彫りになっているようですね。爆破テロの手口は「シンプルかつ信頼性の置ける手段」こそが最善であり、この2つの条件を満たした事件ほど悲劇のテロを生んでいるとも指摘されていますよ。

空の旅を安全なものにする上では欠かせない空港のセキュリティーチェックですけど、あらゆるテロに立ち向かえる究極の対策が生まれるまでには、まだまだ長くて厳しい道のりもありそうでしょうかね...


Sam Biddle(米版/湯木進悟)

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自爆テロ




 

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