そろそろ車のデザインを進化させなきゃ...なぜかコンパクトさが失われているらしい問題を考えてみた!

そろそろ車のデザインを進化させなきゃ...なぜかコンパクトさが失われているらしい問題を考えてみた! 1

さりげなくコンパクトじゃなくなってきたんでしょうかね...

突然ですが、まだ日本では馴染みが薄いんですけど、ギズ読者の皆さまは「Double Down」なるKFC(ケンタッキーフライドチキン)のサンドメニューをご存知でしょうか? もう半端じゃないボリューム感のハイカロリーで、健康志向の逆を突いてアメリカで大きな話題を誘ったようなんですけど、あくまでもこれは極端な事例でして、実際は可能ならば小食に! もっと健康に優しい食事を取らなきゃ大変なことになっちゃうよって、飽食&過食を戒めつつ警鐘を鳴らす動きのほうが目立ってきてるそうですね。

そして、このところの原油高を受けて、ガソリンの値段もバカにならなくなってきた中で最近になって叫ばれているのは、人間だけじゃなく、やっぱり自動車も無駄に大きくガソリンを食うのはダメだよって、エコでコンパクトな乗り物を求める流れも加速しつつあるようなのですが、そうなると見直しが必要なのは自動車メーカーの大型化姿勢じゃないかという声まで高まってきてるんだとか。

えっ、自動車って、ますますコンパクトにエコな小型化が進んできたんじゃないの?

一瞬そんなリアクションを返してしまいがちですが、意外にも時代が進めば進むほど、同じ車種ならばますます大型化してきてたりするんですってね! このままではいけないかもしれない自動車デザインの変遷をたどりつつ、これから未来の車のデザインなんかも見つめてみたいと思います。北米発の比較データですけど、日本でも同じような結果になってしまうのでしょうかね~

 

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まずは大衆車として世界で売れに売れまくってきたトヨタの「カローラ」から検証してみることにいたしましょう。もちろんカローラの中にも多種多様なモデルが発売されてきましたが、ただ、興味深いことに、ここ30年間という時間軸において同じ車種に位置づけられるモデル同士で年式別に比較してみると、あらあら着実に時代を追うごとに大きくなってきてる様子が一目瞭然ですよね!

これは米自動車情報サイトの「Edmunds.com」の発表データなのですが、カローラクラスの大衆セダンに代表されるサイズの自動車(アメリカではいわゆるコンパクトカーに位置づけられるサイズ)の平均数値を1990年と2010年で比較してみたところ、この20年でホイールベースは6.4インチ(約16.3cm)アップしていることが判明したそうですよ。車体重量や馬力なんかも、その分だけ軒並み増加したことが伝えられてますけどね。きっと30年前との比較ならば、もっと各数値の増加は顕著になってしまうんでしょうね~

どうして同じ車種なのに、時を経てモデルチェンジされるごとにコンパクト化ではなく大型化する流れをたどってきちゃったのでしょうか? もちろん、そこにはいろいろな理由がありそうですが、単に消費者のニーズに応えようと自動車メーカーが人気取りでデザイン設計を行なったというだけでは片づけられない複雑な事情もあるみたいですね...

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車体デザインの大型化が進んできた原因を探る上で、いいヒントが詰まっていそうな代表例として、今度はホンダの「アコード」に目を向けてみることにいたしましょう。最初にアコードが発売された頃のことを覚えておられる方もいらっしゃるでしょうか? アメリカではアコードのデビューを鮮烈に受け止めたオーナーも少なくなかったようで、なんとスポーティーでコンパクトなセダンなんだろうって、その小型ながらも渋いデザインが人気を呼んだりもしたみたいですよ。

ところが、どうやらホンダはモデルチェンジを経るごとにアコードの位置づけから変えていったような気もしますかね。

アコードは低価格の大衆車なんかじゃないぜ。高級感も漂うハイクラスの車へと進化を遂げてきたんだ...

そんな狙いもあったのでしょうか。ただ、その流れに乗ってアコードも30年で大型化してきたようですね。

もちろん、着実にモデルチェンジでグレードアップするわけですから、大型化が悪いのではないでしょう。たとえば、その最大のメリットかつ必然的な理由に挙げられるのは、安全性の向上がありますよ。この30年間で、フロントにもサイドにもバックにも、まさにさまざまな新技術や設計構造を導入することで、明らかに不意の衝突時にさえもドライバーや同乗者を保護するレベルが高まっています。

より安全で快適な自動車に! そんな夢をかなえる流れで、こうしてどんどんと車のデザインの大型化が進んでしまったのかもしれませんね。

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ところで、興味深いのは、やっぱり自動車の大型化は例外なく幅広いカテゴリーにも及んでいるようでして、ピックアップトラック型で代表的なフォードの「F-150」に目を向けてみても、30年でさらにビッグになってきた様子がうかがえますよ。

実はオイルショックが世界を襲った時など、短期的にF-150が小型化した時代もなかったわけではありません。1970年代にはピックアップトラックのコンパクト化が主流になりかけたこともあったみたいですね。でも、ここ30年間で比較してみますと、明らかにF-150も大型化の流れに乗ってきたことが分かりますよね。実際のところ、セダンであれバンであれ、小型車や中型車であれ、ほぼすべての車種で全般的に大型化が進んできたという指摘まで出ているみたいですよ~

ただし、同じ車種で見ると、より大きく重くなってきているとはいえ、注目すべきは燃費の向上でしょう! 再びEdmunds.comの発表データからですが、カローラを典型とする大衆車の燃費数値を比較してみたところ、1990年の平均値と2010年の平均値では、実に1ガロンで2.5マイル(1リッターで約1.1km)もの燃費向上が確認されています。一様に大型化の流れをたどってきたとはいえ、必ずしもエコになってないわけでもないのでしょうかね。

さてさて、でもやっぱり人は進化を求めるものですから、この先10年に目を向けて考えてみたいと思います。これまでの流れからすると、さらに車は大きくなっていってしまうのでしょうか? それとも、今度は次第にコンパクト化して燃費を大幅に向上させるなんて傾向が主流になっていくのでしょうか? すでにボディーフレームの素材を変更することで、より軽量設計の新モデルを出す計画が各社で明らかにされているようですが、もしかすると小型化しても安全性は向上するデザインを目標に新作が相次いで発表されるなんて展開が予想されるのかもしれませんよね...

Mike Spinelli(原文/湯木進悟)