発電所関連事故ワースト5とチェルノブイリを比べてみた

発電所関連事故ワースト5とチェルノブイリを比べてみた 1

原発事故のニュースを毎日見てると「こんな怖い事故はない」と思ってしまいますよね...。

そこで今回は近年起こった発電所関連の災害ワースト5をチェルノブイリと比べてみました。基準にとったのは死者数・損害額・被害面積。こうして歴史・統計を見てみると、エネルギー源の種類というより、それを収容する施設の設計の方が問題なことがよく分かると思います。

事故が起こった場合、最も多くの人命を奪い、多額の被害をもたらすのは「水」です。特に設計がまずいダムに水を貯めてる場合は最悪で、水力発電所ダム決壊の被害はチェルノブイリの比ではありません。

また、被害額では石油・天然ガス関連の事故も突出しているんですね。しかもここでは死亡者の数しか考慮に入れていません。

巨額の損失を出した米キングストン石炭火力発電所の石炭フライアッシュ廃棄物流出事故(Kingston Fossil Plant coal fly ash slurry spill)とメキシコ湾原油流出事故Deep Horizon oil spill)では、どちらとも失われた人命こそ少なかったものの、陸・海の生き物を大量に破壊しました。

 

1975年8月  板橋・石漫灘ダム決壊(Banqiao/Shimantan Dam Failure)

エネルギー源:水力

死亡者:17万1000人

被害額:$8,700,000,000(9135億円)

台風一過の豪雨で中国河南省の板橋・石漫灘ダムはじめ62箇所のダムが連鎖的に決壊し、57億3800万トンもの水が放出され、18の村と民家1500戸を流失、大災害と飢饉をもたらした。関連:月本洋の研究室「中国のダムは、毎年約70個が決壊」

1979年 モーヴィ・ダム決壊(Morvi Dam Failure)

エネルギー源:水力

死亡者:1500人(推定)

被害額:$1,024,000,000(1075億円)

集中豪雨と前例のない洪水でMachhu川のMachchu-2ダムが決壊。印グジャラート州のMorvi川流域の村が流された。

(死亡者数世界一のダム災害は1889年の米サウスフォークダム決壊事故の2200人)

1998年 ジェス石油パイプライン爆発(Jess Pipeline Explosion

エネルギー源:石油

死亡者:1078人

被害額:$54,000,000(57億円)

ナイジェリア国有石油会社ジェスの石油パイプラインが破裂・爆発し、2つの村を破壊、ガソリン掘削に従事する数百名が死亡した。ナイジェリアでは2006年にも同様の事故が起きている。関連:猫栄螺的日乗「ナイジェリアでパイプライン爆発事故」

1944年 東オハイオ・ガス会社(East Ohio Gas Company)

エネルギー源:液化天然ガス(LNG)

死亡者:130人

被害額:$890,000,000(935億円)

事故概要:LNG施設が爆発しガスが漏れ、オハイオ州クリーブランド市内1平方マイル(260万㎡)を破壊。関連:天然ガス - Wikipedia

2007年 モノンガー炭鉱(Monongah Coal Mine)

エネルギー源:石炭

死亡者:362人

被害額:$162,000,000(170億円)

事故概要:地下爆発で炭鉱に至る鉄道橋が破壊され、作業員が閉じ込められた。

そして以下が、チェルノブイリ。

1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故(Chernobyl Nuclear Power Plant)

エネルギー源:原子力

死亡者: 4056人

Cost: $6,700,000,000(7035億円

事故概要:チェルノブイリで原子炉安全性テスト中の操作ミスで水蒸気爆発・炉心溶融(メルトダウン)発生、ウクライナKievから住民30万人が避難、放射性物質が欧州一円に広まった。

注: 1996年以降のものを除き、被害額は1996年の物価に換算しました(円ドル相場は1996年1月の105円で換算)

参考文献:公共政策の教授Andrew Sovacool氏の研究論文「The Accidental Century」。20世紀の発電所事故の詳細がかなり詳しくまとまっています。

写真:AP

本稿は系列ブログio9.comからの再掲です。

Robert T. Gonzalez(原文/satomi)