核爆弾をリバースエンジニアリングしたトラック運転手(動画)

2011.04.07 20:00
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広島・長崎に投下された原子爆弾の設計図は今に至るまで極秘扱い。
...なのですが、2003年自力でリバースエンジニアリングしてコピーマシンで刷って配ってる人がいます。

ウィスコンシン州に住むトラック運転手ジョン・コスター-ミューレン(John Coster-Mullen)さんです。

Motherboard編集部が昨年ジョンさんの自宅を訪ねて話を聞き、15分の短編ドキュメンタリー「The Atomic Trucker」(下)にまとめましたよ。
 




1:00から登場するのがジョンさん。

「今の仕事は主にトラックの運転手。もう12年ぐらいになります。その前は広告業界でカメラマンとして30年間働いていました。

高校時代の恩師が昔シカゴ大でマンハッタン・プロジェクトの研究に携わった人で、彼のラボの助手やりながらいろいろ教わったんですよ。と言っても、ものすごく基本的なことだけどね。

『(プロジェクトでは)どんなことやってたんですか?』と聞くと、いつも『いやあ、教えられないよ。喋ったら撃たれちまう』という答えでしたよね」


先生とは別の道に進んだジョンさんですが、原爆に対する関心は醒めやらず。原爆登場50周年の時、本物そっくりのレプリカをつくってやろう、と思い立ちます。

以来10年近くかけて、原爆開発に関わった科学者、エンジニア、その他の総勢150人以上を取材し、機密指定が解かれた写真を分析。こうして原爆の内側と外側の寸法・構成を含めた詳細な設計図を作成したんですね。

研究成果は「Atom Bombs: The Top Secret Inside Story of Little Boy and Fat Man」という論文にまとめ、現在もちょこちょこ更新しています。その辺のKinko'sのコピーマシンで刷ってバインダーで止めたものを、会議・ネットで配ってるんだそうな...。

原子爆弾の作り方関連本では、1998年ピューリッツァー賞を受賞したRichard Rhode著「The Making of the Atomic Bomb」が最も有名ですが、専門家の間ではジョンさんの本はあれよりも詳しいと言われているんですよ。滅多にないことですが、「核爆弾の部品構成の詳しさにおいては他のマンハッタン計画関連書籍を凌駕するものだ」とNRDCの「Bulletin」2004年11・12月号でも高評価を受けました。

アメリカではジョンさんの設計図を基にした本物そっくりのレプリカを展示するアート展なんかもあるそうで、時代の流れを感じてしまいますが、ジョンさん自身は自分のライフワークを「核の考古学研究」と位置付けています。

あんな危ないものも意外と容易に作れるものなんですね...大学の学位がなくても独学でここまで追求できるとは...。まあ、The New Yorkerはジョンさんの研究を片手間のように言うのは「マイルス・デイヴィスを高校吹奏楽のトランペット吹きと言うようなものだ」と書いてますけどね。


[Motherboard, The New Yorker]

Sam Biddle(原文/satomi)
 

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