一世一代を賭けたプレゼン! イスラエルの青年、プレゼン相手は国の軍隊!

2011.04.15 22:00
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なんだかとっても熱い気持ちになった。

Shai Magzimofさん、20歳。数ヶ月前、まだ19歳だった彼は一世一代を賭けたプレゼンに成功し、現在Androidアプリの開発に精をだしています。技術者やアイディア人なら、自分の発想を売り込むための重要なプレゼンというものを経験したことある人も多いでしょう。ベンチャーキャピタルに対して自分のアイディアを売りこむのです。投資してくれ、この考えを形にしてみせるモノにしてみせる!とプレゼンするわけです。Shaiさんの場合は普通のプレゼンとはちょっと違いました。プレゼン相手はベンチャーキャピタルでもなく、要求したのはお金ではなかったからです。Shaiさんの相手は国の軍隊、求めたのは時間だったのです。

Shaiさんの住む国はイスラエル。イスラエルには高校を卒業すると3年間の徴兵が義務づけられています。Shaiさんも国民である以上、もちろんこの義務の対象になっています。が、Shaiさんにはとあるアプリのアイディアがありました。アプリの名前はInnobell。Innobell実現のため、開発のためにどうしても時間が欲しい、そう願ったShaiさんはあちこちに連絡をとり始めました。初めは一体誰に話をしたらいいのかわからず、とにかくいろんな人にたくさんの手紙を送りました。アプリを作りたい、時間が欲しい、と多くの人に頼んでまわったのです。するとある日、軍関係者から電話が「君と話しをしたい。

ネタ元のFast CompanyにShaiさん自身が語ったところによりますと、「ミーティングで会った軍関係者の人はとにかくこのアプリが何かを尋ねてきました。僕は自分がどういう人間なのか、Innobellとは何なのか、そしてこのアプリを使って将来何を考えているのかを説明しました。僕があの場でやらなくては行けなかったこと、それは僕のアイディアに相手を心底惚れさすことでした。」19歳の少年が熱く語るアプリに懐疑的ではあるものの耳をかす軍関係者。

さて、Shaiさんがここまで熱く語るアプリInnobellはどういったものなのか? 例えば友人と電話中やメール中に、このまま電話を使ったままで他のことも一片にできたら楽なのにな、と思ったことありませんか? 動画を共有したり、自分の居場所の地図を送ったり等。Innobellはそれを可能にするAndroidアプリ。Android端末間での通話中、スクリーンにはYoutube、Paypal、位置情報等のアイコンボタンが並びます。通話中にこのボタンをおすと、すぐに相手に情報を伝えることが可能。ホームボタンを押す必要もブラウザを起動してサイトをロードする必要もないのです。例えば、電話で話題のYouTube動画の話をしているとします、通話の相手が見た事がないと言えばYouTubeボタンを押してすぐに動画を共有することができます。通話の相手がライブのチケットを一緒に買っとくと言うとします、Paypalボタンを押して通話中に友人にチケット代を払ってしまうことができるのです。

プレゼンの中で、Shaiさんは将来イスラエルという国に雇用を作ることができると熱弁しました。このアプリを元にイスラエルベースの会社を作り、そこで雇用の機会を作ることができる、国に貢献することができる、とプレゼンしました。関係者は、プレゼンの後その場で決定せずに、考えます、とだけ返事をしました。
後は祈るばかりのShaiさん。徴兵に行くのを少し送らせ、時間をもらえるのかどうか...。さて、そう待たずして結果をしることになります。答えはYES。徴兵義務を1年間遅らせる、という結果でした。その1年間の間にアプリを実現してみせなさい、と。
この特例はイスラエルではかなり稀だそうです。特例も特例。イスラエル国内では大ニュースだったようですよ。

4月7日に、AndroidアプリInnobellはリリースされました。現在Innobellで拡張可能なサービスは9つ。Shaiさん(トップ画中央)とソフトウェア開発担当のChaim KutnickiさんとNoam Modaiさんは、後にAPIを公開予定。公開されれば、他社もInnobell様のアドオンを作ることができるようになります。技術的には、どんなアプリもInnobellに組み込みが可能。通話相手がInnobell使用可能なAndroid携帯かどうかによってスクリーンも変わるので、相手によって使用できるかどうか迷うこともありません。

現在はAndroidだけでの展開。iPhoneの現在のiOSのヴァージョンではInnobellには対応していません。通話機能の拡張はできないからです。今後Innobellの需要が高まれば、もしくは似た様なリクエストが増えてくれば、Appleも将来のiOSアップデートの時に対応できるようにしてくれるかもしれない、とShaiさんは願っています。

1年間の猶予で足りるのか? 希望としては1年でなんとかしたい。しかしもしものことを考えて、Shaiさんはすでにもう1年の猶予を軍に求めて話を始めています。アプリがリリースされたこともあり、次のプレゼンの後押しとなるかもしれません。

同じ1年間でも、限られた時間というのであれば、体感する時間はあっと言う間でしょう。誰よりも熱く早く濃い1年を過ごしているだろう彼のことを思うと、胸が本当に熱くなります。時間とは平等だけど、本当は平等ではないのかもしれない、そう思いました。


[Fast Company]

そうこ(David Zax (Fast Company) 米版

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