米がリビアにウォートホッグとスペクター投入。その意味するところ(動画)

米がリビアにウォートホッグとスペクター投入。その意味するところ(動画) 1

リビアの行く末がさっぱり見えないみなさまに新しいニュース。米国防省が29日(米時間)、リビアの多国籍軍の軍備にA-10ウォートホッグとAC-130スペクターを投入した事実を認めました。

米軍統合参謀本部ゴートニー海軍中将は飽くまでも国連安全保障理事会決議1973に基づく配備であり、「反政府勢力を直接支援」するのが目的ではないと強調してますけど、この2機ってまさにそのためにあるんじゃ...。

そう、どちらもズバリ「地上軍への近接航空支援提供」が目的の軍用機なのでございますよ。

戦地における任務

フェアチャイルドリパブリック社が開発した「A-10 Thunderbolt II(愛称ウォートホッグ)」は、地上軍に近接航空支援を提供するようデザインされたツインエンジン搭載機。30mm弾を自動発射する超重量の機関砲「GAU-8 Avenger(アヴェンジャー)」を搭載しているので戦車でもなんでも朝・昼・晩ぺろりと平らげる尋常じゃない破壊力を備えており、何度か通過するだけでリビアの機甲部隊が木っ端微塵という猛獣です。

ロッキード製「AC-130スペクター」はC-130ハーキュリーズ輸送機を武装しまくった地上攻撃機です。低空から20mm、40mm機関砲、105mm榴弾砲を雨あられのように浴びせます。中には劣化ウラン弾もありますよ。主な用途は近接航空支援、部隊防衛、爆撃。

 

実際には何が起こっている?

ペンタゴンが言うように「反政府勢力の直接支援のため使うのではない」のだとしたら、射撃訓練のために送ったのか? まさかそれはないですよね。「近接航空支援を行うためではない」とペンタゴンがいくら取り繕ってもカダフィ大佐の戦車をひとつでも潰したらそれは反政府勢力に直接肩入れしてる証拠になってしまいます。各国足並み揃えた攻撃はとらないにしても。

反乱軍は多国籍軍の応援を求めてるだけで航空機支援を直接には訴えていないのですが、多国籍軍が無人偵察機や地上特殊工作部隊で航空支援が最も必要な場所に攻撃の舞台を誘導してることは間違いなさそうだし、今回投入したような航空機が正しく任務を遂行し、友軍と敵軍を分けて殺戮するためにも多国籍軍の力は必要なんですね。

まあ、反乱軍に航空支援するのは必ずしも悪いことじゃないのですが、それをやってしまうと厳密には国際連合安全保障理事会決議1973から逸脱する行為になってしまいます。この決議では「即時停戦を要求し、飛行禁止区域を設け、市民保護のために外国による占領を除くあらゆる手段を取ることを容認する」と定め、人道支援であって内戦介入ではないというカラーを打ち出したのですが、今回紹介した航空機の中身を見ると戦争カラーが一段と色濃くなってますよね。

これが吉と出るか凶と出るかは時間を置いてみないと何とも言えませんね。

[Defense Tech]関連:リビア:戦闘不慣れ、反体制派 欧米、武器供与検討 - 毎日

Jesus Diaz(原文/satomi)