トランスジェンダーの女性マクドナルドでボコボコにされる その時周りの人は...

この1つの事件から、たくさんの問題が見えてきます。

4月中旬、1人のトランスジェンダーの女性がマクドナルドでボコボコにされる様子の動画がアップされ、米国の様々なところで話題になりました。被害にあったのはChrissy Lee Polisさん、22歳。暴行を働いたのは2人の10代の女の子。そしてその様子を撮影したのはなんとマクドナルドの従業員でした。

4月18日、メリーランド州のRosedaleにあるマクドナルドで、Polisさんがお手洗い(女性用)からでてきたところを、2人の女の子にいちゃもんをつけられ、殴る蹴るの暴行をうけるはめに。2人の女の子はPolisさんに対して「男だろ。男のくせに男のくせに女子トイレはいんな!」とPolisさんを責めたそうです。マクドナルドの従業員の1人が途中止めには入ったものの、お客さんの女性が少女達をPolisさんから引き離すまで暴行は続きました。従業員が「警察呼んだぞ!早くでていけ!」と声をかけ少女を店から追い払いました。

この様子をマクドナルドの従業員が持っていた携帯電話で撮影していました。その動画には暴行を受けるPolisさんの周りでただ見守る人笑っている人の姿まで映されており、その場に居合わせたのに何もしなかった人達にも一部で抗議の声があがっています。何よりもマクドナルドの従業員でありながら、動画を撮影していたスタッフには厳しい目が向けられました。マクドナルドは、このスタッフを解雇し、被害者の悲痛な気持ちに心を寄せている、と文書を発表しました。マクドナルドは暴力の場ではなく、安全な場所としてどんなお客さまにもドアを開けており、今後お客さまの不安を取り除くために全力を尽くす、という内容のリリースを出しています。

従業員が動画を撮影していたという事実は実に考えさせられるものがあります。日常で起きていることをガジェットを通して不特定多数の人間と共有することが当たり前となっている世の中。何か起きれば動画撮影という行動が新たな習慣になってきてるのでしょうか。目の前で起きていることと自分との距離感が心情的に遠いというか、自分がそこに加わっていくアクションよりも、その事実を周りに伝えるアクションの方がまず先にくる、ということ。目の前の他人より、ネットワークを介した不特定多数の知人への興味の方が大きいということ。

周りで見ていただけの人にも一部で抗議の声とありますが、関わり合いやとばっちりを恐れてしまう気持ちもわかります。Polisさんは、唯一助けてくれた年配の女性に会ってお礼を言いたいと語ります。それ以外の人はただ座ってみていただけ、少女2人に「警察呼んだから出て行け!」というのも、まるで少女達2人を警察から守るようで、暴行をうけた自分は誰も助けてくれなかったということにショックを受けているようです。

他にも、暴行をうけたのがトランスジェンダーの女性だった点も動画があちこちで話題となった理由の1つのようです。少女2人が「男だろ!」と責めたというからには、やはりバレてしまう見た目だったのですね。女装趣味の痴漢なら(暴行はダメですけど)女子トイレにいることを責められても文句言えません。Polisさんのように自身を女性だと思っている性同一性障害者の場合は、デリケートな問題で周りの理解が必要になります。彼女は自分のことを女性だと思っているわけですから、女子トイレ使用は当然であり男子トイレで用をたすなんてことは、きっととても気の滅入る話なのでしょう。警察はこの少女2人をすでに見つけ出しており、オカマに対するヘイト・クライム(差別的犯行)の可能性があるとして、なぜこのような行動をしたのかを調査中だそうです。Polisさん曰く、誰でも安心して外やレストランに行く事ができるべきで、外に出るのを恐れることがあってはならないとして、マクドナルドに対しても法的手段にでる予定だそうです。

[N.Y. Daily NewsBaltimore SunMcDonalds Media CenterBaltimore Sun]

そうこ(Margaret Hartmann 米版