自分で起き上がる世にも奇妙なかたち「Gomboc」(動画あり)

自分で起き上がる世にも奇妙なかたち「Gomboc」(動画あり) 1

ハンガリーの数学者が発明した「Gomboc(ゴムボック、Gömböc)」は、横に置いても逆さまに置いてもゴロンゴロンと転げ回って勝手に起き上がってしまう、世界でたったひとつの人工的おきあがりこぼしの形です。

蹴飛ばして転んでも起き上がるものは沢山ありますが、普通はカブトムシみたいに自分のパワーを使って起き上がるんですね。

おもちゃのおきあがりこぼしや空気で膨らますピエロも起き上がるけど、あれは底におもりがついてるから起き上がるだけ。横のゆるいカーブは軽いので、底の重みに引っぱられて立つんですよね。

以下はGombocの映像。

 

Gombocにはパワーらしいものは一切なく、重さも全部均質です。底面は大きく湾曲しており、それを平らっぽい側面と、突起した畝を持つトップに囲まれています。平らな面に置けば、どんな風に置いてもこの天地に戻るんですね。これは「モノ=モノスタティック」な形状と呼ばれ、数学の理論から生まれたものです。

その理論によれば、安定した平衡点1個と不安定な平衡点1個を持つようにつくれば、自分で起き上がる形状をつくることは可能だと言うんですね。

トップの曲がったところを下に置くと、速攻で立ち直ります。平らな横の面を下に置くと、もっとゆっくり立ち上がります。前後にゴロ~ンゴロ~ンゆっくり転げ、だんだん遅くなってゆき、ほぼ止まりそうになったところで、今度は急に前後にブルブル震えるように小刻みに転げ、安定した平衡点に落ち着いて、元通り立ちあがるんですね。

Gombocは目で見て楽しめる形でもないし、子どものおもちゃに丁度良い感じですけど、買おうなんて気は起こさないことですよ。こう見えてなんと1個余裕で1000ドル(8万円強)もするのです。

「こんなのおもちゃ屋で作ったら一発でしょ」と思いきや。様々な角度と比率を10ミクロン―つまり人間の髪の毛の10分の1未満の単位で合わせなきゃ絶対に起き上がらないんでございますよ! 8万円もするんじゃそうそう誰でも簡単にペーパーウェイトに使える品物じゃなさそうですね。

Via Plus Maths and Wired - 日本版

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Esther Inglis-Arkell(原文/satomi)