廃れる現金払い、減るドル札印刷

廃れる現金払い、減るドル札印刷 1

米財務省、去年は10ドル紙幣を1枚も印刷しなかったんだって! ビックリだけど本当の話。年々みんな現金使わなくなってきてるのがその原因です。今すぐキャッシュレス社会になるわけじゃないので、それは有難いのだけど...。

―そんな紙幣印刷ビジネスにまつわる興味深いデータがNYタイムズに載ってましたよ。

それによると2010年は10ドル札を1枚も刷らなかったのに加え、5ドル札の印刷枚数も過去30年間で最低を記録したんだそうな。

ドル札は市場流通期間がかつてないほど長くなっており、現在平均40ヶ月。

印刷、スキャン、処理技術が発達したお陰で財務省では銀行から返ってくる紙幣のうち現在21%しか新しいお札に交換していないのです。1989年には交換率46%だったこと考えると隔世の感がありますよね。

要するに、

・今の人は前ほど現金を使わない

・紙幣のもちも長い

ということ。

なるなるな~と思ったら、なんとなんと、あのベンジャミン・フランクリン(100ドル札)だけは全世界的に空前絶後の人気。米財務省も去年初めて1ドル札より沢山のc-notes(100ドル紙幣、Cはローマで100の意)を印刷したんですって! 行き先は世界各地の通貨が不安定なエリアです。困った時のドル頼み。

けど実はこれでアメリカ政府、だいぶ小遣い稼ぎができているんですよ。その辺のことをNYタイムズはこう書いてます

 

これは米国にとってなかなか利益の上がるビジネスだ。紙幣通貨は財務省が印刷し、連邦準備銀行が発行する。中央銀行は財務省に紙幣製造コスト(1枚につき約10セント)を支払い、その紙幣を額面価格で証券・債券に交換する。するとその証券・債券から利息が入ってくるのである。発行する金が多ければ多いほど、高い利息が稼げる仕組みだ。

しかも連銀から財務省には毎年「シニョレッジ(通貨発行益)」と呼ばれるタナボタ収入が返っていく。これが昨年は200億ドル(1兆5720億円)を超えた。

こーんな旨みのあるドル札ビジネスが一朝一夕に消滅するわけないのですねー。それ聞いて安心しましたよ、僕はドル大好きなので。バーチャル通貨のBitCoinリアル店舗で同じことができるという話ですけど、僕はQuoraにAdam Cohen氏が書いてる意見の通りかも、と気持ちが傾いてしまうんですよね。

Bitcoinはもう最悪のアイディア、詐欺だよ、詐欺。あんなの通貨じゃない。Bitcoinのエコシステムを下支えする経済概念はお笑い種だ。いろんな通貨がどう互いに連動しているか、何百年という年月かけて貯めたノウハウの蓄積をまったく度外視している。

個人的にドルが好きなのは、なんでも好きなものが、ほぼどこでも買えるから。NYタイムズの記事には現金お断りのシーンもいくつか紹介されていますけど(チップとか小さなお店とか。僕は飛行機の機内でよく使えなかったりします)、米ドルはカナダでもキューバでもラオスでもロンドンでも...ほぼ世界中で通用しますからね。これがベトナムドンとかラオスキップだとそうはいかなくて、出国までに使い切れなかった小銭はよっぽどのことがない限り海外では使えません。

ドルなら緊急非常時にも使えそうだし。今住んでるサンフランシスコは大地震がいつきてもおかしくない街なので、地震避難用キットを僕も常備してるんですが、何が入ってるかわかります? BitCoinとかVisaカードじゃありませんよ。災害時にはやっぱりなんか持ってたいものですけど、僕はどうせなら街の明かりが全部消えて、ネットワーク接続がどこにも見つからなくても、サービス・製品に簡単に交換できるものを備えておきたいですからね。

いや、次世代決済テクノロジーはいろいろ試してみたいんですよ。今はSquareGooglePayPalなんかのスマートな会社が総がかりで現金とかクレジットカードを渡さなくても決済できる方法を模索中ですし、それは素晴らしいと思います! 特に僕みたいな遅刻魔には。

だけどドルが持つ昔ながらの魅力はやっぱ捨てがたいです。今すぐ消えないと知って何より何より。

[NY Times] 関連:Tomi Craft Japan Blog | ドル紙幣の印刷量が大幅減

Mat Honan(原文/satomi)