スティーブ・ジョブズが生み出したアップル製品を振り返る

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1974年からこれまで、スティーブ・ジョブズアップルの創造力の源泉として革新的な製品を生み出し続けてきました。新しい時代を作ってきたそんな製品を、以下にまとめてみました。

・1983年:Apple IIe

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1983年の1月に発表されたこのコンピューターによって、アップル製品が一般家庭にも導入されるようになりました。RAMは標準で64KBと、最近のMacBook Proの数万分の1です。Apple IIeはアップル製品としては最長命で、1993年に製造中止されるまでの10年間マイナーチェンジのみで作られ続けていました。

Image credit:Wikimedia Commons/Apple2gs

・1984年:Macintosh

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Macintoshを初めて見たときは驚きました。GUIです! 画面上の絵をクリックするとファイルが開くなんて...! しかもこの「マウス」って? って感じでした。Macintoshがそれ以降のコンピューターのテンプレートになったことは、この後のWindowsマシンを見てもわかります。また、スクリーンと本体がひとつの筐体に入っているオールインワン・コンピューターの先駆けのひとつでもありました。さらに、当時としてはものすごく動作が速いこともポイントでした。

Image credit:Wikimedia Commons/Grm wnr

・1985年:LaserWriter

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LaserWriterの存在はあまり語られませんが、その功績は非常に大きいものです。それは単なるプリンターではなく、DTPの新時代を作った存在でした。解像度は300dpi、印刷枚数は1分間で8ページと、処理性能という意味では現代よりはるかに低いです。でもポイントはWYSIWIG(What You See Is What You Get、画面で見えるように印刷される)を容易にしたことでした。これはLaserWriterに搭載されたアドビのPostScriptインタープリタと、Macintosh上のページレイアウトソフトPagemakerの組み合わせによって実現されました。そしてこのことがその後のDTP革命の基礎となったのです。ローンチ時は6995ドル(2011年の為替レートでは約54万円)でした。

Image credit:Wikimedia Commons/All About Apple

・1985年~1996年:暗黒時代

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ジョブズがアップルを離れていた時期です。アップルは死にかけていました。

・1998年:iMac

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この製品に関しては、アップルファンの間でも好き嫌いが分かれるかもしれません。そういう意味でも、色使いや形という面でも、コンピューターにおけるフォルクスワーゲン・ビートル(それも新しい方の)みたいなものと言えるでしょうか。でも結局多くの人がiMacに魅了され、アップルが一般家庭で再び使われるようになりました。またiMacはアップルが学生市場に売り込む際の足がかりともなりました。

・1999年:Final Cut Pro

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僕はアップル製品は子供の頃のApple IIe以降ずっと使っていませんでした。が、Final Cut Proでまた使うようになりました。ノンリニアな動画編集において、機能ではなく入手しやすさという意味で大きな飛躍をもたらしました。低予算のフィルムメーカーでも、Final Cut Proとある程度高性能なアップルのコンピューターなら、Avidのプロ仕様のシステムより数千ドルも安価に入手できます。なので、これ以降のインディーズ映画の質は以前よりずっと高くなったと言われています。今やメジャーな映画やテレビ番組でも、たとえば映画『ソーシャル・ネットワーク』などもこのソフトで編集されています。

・1999年:Power Mac G4

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これが発売されたときはスーパーコンピューターとして扱われたため、国外に自由に持ち出すことができませんでした。一般人がスーパーコンピューターを使えるなんて、大変な時代にしてくれたものです。これでミュージシャンも、フォトグラファーも、画像やビデオ編集を仕事にする人も、家で仕事ができるようになり、画像処理のために何時間も待つ必要がなくなりました。

・2001年:PowerBook G4

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Power Mac G4をノート型にしたのがこれです。チタニウムのボディから「TiBook」なんて呼ばれたりもしました。単に持ち運べるだけでなく、デスクトップマシンの代替としても十分使えるものでした。PowerBook以前は、ノート型パソコンではスピードが犠牲にされていました。でもこれが出てからは、動画編集などのCPUに負荷のかかる操作でも飛行機の中でできるようになりました。これが進化して現在のMacBook Proになっています。

・2001年:Mac OS X

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スティーブ・ジョブズがアップルから離れていたとき、彼は新会社のNeXTを立ち上げていました。NeXTは事業としてはあまり成功しませんでしたが、生みだしたアイデアは素晴らしいもので、ジョブズがアップルに戻ったときにはそのアイデアと特許も一緒に持ち込まれました。そしてNeXTの作ったOS「NextSTEP」が最終的にMac OS Xの基盤になりました。「Cheetah」に始まって最新のLionまで各バージョンに何らかのネコ科の動物の名前がつけられています。Lionを超えるとしたら、次はLiger(ライガー)とか? また、ここからiOSも派生していきました。

・2001年:iPod

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そう、2001年はアップルにとって大きな年でした。iPodは音楽を聴くスタイルを大きく変えてしまいました。でも、デジタル音楽ファイルやMP3プレイヤーがそれまでに存在していなかったわけではありません。ただ結局iPodが登場するまでは、そうしたものに多くの人が興味を示さなかったのです。楽曲入手・管理方法を一変させたiTunesとともに、iPodが音楽産業全体を変革していったのです。

・2007年:iPhone

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初代iPhoneは、おそらく史上もっとも影響力のある電話端末だったんじゃないでしょうか。それは、スマートな人でなくても使える初めてのスマートフォンでした。エレガントなレイアウトは初代から極めて直感的でしたし、現行版もそうです。iPhoneは初代も後継機も、他のスマートフォンと比較される基準であり、多くのスマートフォンはiPhoneから何らかのインスピレーションを得ています。

・2010年:iPad

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そしてiPhoneがiPadを生み出しました。iPhone以前にもスマートフォンがあったように、iPad以前にもタブレットは存在していました。アップル自身も1993年にNewton Message Padを発売しています。ただiPad以前のタブレットは、iPadのようにクールでも機能的でもなかったのです。クールさは無視できない要素です。PC産業を死に至らしめるものとすら言う人も(PC事業売却を検討中のHPのCEOとか...)います。そこまで言わないとしても、iPadのおかげでタブレット市場が創造され、爆発的に伸びている(売上の多くはiPadによるものですが)ことは十分に言えるでしょう。

・2011年以降:革新は続く

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スティーブ・ジョブズはアップルのCEOではなくなりましたが、まだ取締役会の会長としてアップルの経営に参加していますし、彼のDNAはアップルの中に深く刻まれています。また彼は、今も次なる新デバイスの開発を進行させているはずです。そうしたデバイスひとつひとつは、彼の子供のようなものです。その子供の里親はたくさんいるかもしれませんが、生みの親はやはりジョブズなのです。

Brent Rose(原文/miho)