ソニーが2画面で仕掛けるタブレット界への挑戦...NTTドコモから独占販売予定の「Tablet P」を辛口レビュー

2011.09.16 16:00
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タブレットの価値観を根底から変えてくれ!

なんだかこのところソニーらしい尖がった新製品が続々と生まれてきてるような気がしませんか? あの雑誌をたたんだような独特のボディーデザインでデビューを果たす「Sony Tablet S」にも驚きでしたけど、やっぱり気になるのはコンパクトに折りたためちゃうデュアルディスプレイの最新Androidタブレット「Sony Tablet P」かもしれませんよね~

まだリリース時期や正式価格などの発表もなく、あくまでも米GIZMODO編集チームが入手したプロトタイプ製品のファーストインプレッションレポートなので、実際の発売製品とは異なる点も多々ありそうですが、発売が待ち遠しくなる楽しみなポイントから、ちょっとこれは最終完成モデルでは改良してほしいよねって辛口評価なポイントまで、すべてまとめて公開いたしますよ。どうぞ写真も満載な続きのレポートを一挙にご覧くださいませ...
 

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とにかくソニーらしいタブレットに仕上げてきたよなって感想が、良い意味でも悪い意味でも最も適切なのがSony Tablet Pなのかもしれません。まさに挑戦者な雰囲気をオールラウンドに出してる製品ですね。

まずはスペック的なデータからおさらいですが、5.5インチの液晶ディスプレイをクラムシェルデザイン構造でデュアルに搭載するSony Tablet Pには、NVIDIA製の1GHzのTegra 2プロセッサーが採用されています。1GBのメモリーの装備と組み合わせまして、Androidタブレットとしては余裕のパフォーマンスを発揮してくれそうですね。ストレージ用には4GBの内蔵メモリーに加えまして、microSDカードスロットを備えているので安心でしょうか。あと、511万画素と30万画素のデュアルカメラをソツなく標準装備してきてますよ。


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米国内ではAT&Tから独占販売される予定ですが、日本国内ではNTTドコモから3Gモデルがリリースされることが決定しています。やはり最大の魅力は、ディスプレイをコンパクトに折りたためちゃうので、本体サイズが一気にハーフサイズに小さくなってくれることにあるでしょう。さすがにスマートフォン並みに小さくとまではいきませんけど、これならわざわざ専用のバッグを持ち歩かなくても、ジャケットのポケットなんかに入れてスマートに携帯できるタブレットということで、iPadにもない魅力をアピールできるでしょうね!

ちなみに搭載されるOSは「Android 3.2」と発表されており、3GとWi-Fiのデュアル通信機能を備えたモデルしかリリースされないとも明らかにされています。つまりは基本的にはNTTドコモと契約する形でしか購入できない可能性が高いってことなんでしょうかね。やっぱりここはWi-Fiオンリーのモデルのリリースを期待したいんですが、ソニーさん、なんとかしてくれませんでしょうかね~


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ちなみにクラムシェルデザインの構造だと気になっちゃうのは、そのデュアルディスプレイをつないでる継ぎ目の部分の強度だと思うんですけど、実際に手に取って何度も開け閉めを繰り返してテストしてみた感覚は、かなり頑丈な仕上がりに思えましたよ。しかも操作スタイルに合わせたヒンジ部分の開閉自由度も非常に高く、まるでノートパソコンのようなデザインで使うことも、すべてフラットに開いて2画面を大きな1画面のように使うことも可能です。13オンス(約372g)の軽量サイズに、よくまとめてきたなって感じでしょうか。

ソニーが、この新しい試みのSony Tablet Pに向けてイチからデザインした秀逸なカスタムアプリも多数プレインストールされていて、なかなかその快適な使用感にうならされる素晴らしい出来栄えのものも少なくないでしょうかね。


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一例としては、当然ながら、デュアルディスプレイの強みを活かすテキスト入力の快適さを狙った各種アプリの搭載が挙げられるでしょうね。手前のスクリーン上に表示されるソフトウェアキーボードでノートパソコンのようなスタイルの入力をこなし、上部のスクリーンで入力テキストを確認していけるデザインは、オンスクリーンキーボードのタイピング感覚さえつかめれば、想像以上に使いやすいと感じるかもしれませんよ...


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プレステのソニーが出すAndroidタブレットということで、Sony Tablet Pは「PlayStation Certified」の認証を受けており、数々の懐かしいプレステゲームを楽しめるのも最高でしょうね! 上部のスクリーンに表示されるゲームを、手前のスクリーンに表示されるコントローラーでプレイするスタイルになっており、もしかするとタブレットゲームの新境地を切り開くようなゲームエクスペリエンスを実現してくれるかもしれませんよ~


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ただね、残念ながら、実際にフルフラットにしてデュアルディスプレイを1つの大画面でタブレットとして使ってみた感想は、あまり快適とは言えないものがあります。まず、中央のヒンジが否が応でも目に入ってきちゃいますね。本当ならそこにないはずの場所に、ブラックの太いラインが入ってしまって、常に画面が分割されちゃいますよ。これは斬新なクラムシェルデザインの構造を採用したタブレットなんだから、ちょっとは我慢しようよって思いたいのですが、やはりこの中央でズバッとスクリーンが分断されちゃう状況だと、1画面のビッグサイズディスプレイで使うのは躊躇しちゃいそうですかね...


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あと、思いっきりこのセンターの分断ブラックラインを大目に見て、これは仕方がないとあきらめて利用するにしても、なんだか縦にも横にも変なサイズのディスプレイデザインなんですよね。例えば、見開きの本を読むような感覚で縦に構えてみると、電子書籍のアプリを使えるようにはなってるんですけど、どうも1画面の縦サイズの横幅は狭いし、これに合わせて表示されるページのフォントは小さすぎちゃいます。

まぁ、少なくともこれも仕方がないかと我慢して利用し続けていると、最悪の場合はアプリによっては中央で分断されちゃうせいで、何を使ってるんだかまったく理解不能な状態に陥っちゃうケースもなきにしもあらずでしたね。ほとんどのアプリやサイトが2画面利用なんて想定すらしてない現状では、こうなっちゃうのも避けられない現実なのかもしれませんけどね~


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個人的にソニーに最もがんばってほしかったのに裏切られた感が強かったのは、映画を視聴するアプリの完成度でした。だって、手前のスクリーンは、ずっとただ基本的にナビゲーションボタンが表示されるのみで、せっかくあるデュアルスクリーンの半分しか使わずに小さな画面で映画を見続けるしかありませんから。まぁ、他にどんな良い使い道があるんだよって突っ込まれればそれまでですけど、映画の再生中ひたすら早送りや巻き戻しボタンくらいしか表示されない片方のディスプレイの存在価値ってどうなの? 思わずつぶやいてしまった瞬間でしたかね...。これなら常に真ん中にブラックラインでカットが入る状態でも、大画面のワンスクリーンで見れる仕様のほうがいいか? う~ん、やっぱり難しいところですねぇ。


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もちろん中にはソニーらしさを感じさせる秀逸な作りこみのオリジナルアプリだっていろいろと試せました。さすがはソニーが斬新な挑戦をしてきたよなって思わせる楽しいエクスペリエンスも多々ありますし、あくまでも現時点ではプロトタイプの発表なので、これから実際の発売までには使用感もさらなる格段の進化を遂げてくるかもしれませんよね。

ただ、他のデュアルディスプレイを採用しているデザインのタブレットにも共通して言えることなのかもしれませんけど、その良さを存分に味わえるアプリが少なすぎますよね。例えば、基本的にはソニーがプレインストールして準備した独自開発のカスタムアプリ以外には、このSony Tablet Pのデュアルディスプレイ向けにアプリがそろう見込みは期待できません。

もちろん、ソニーは開発者向けにだれでも対応アプリが作れるようにAPIをリリースしてくる方針ですけど、わざわざこの1モデルのために、一体どれほどの開発者が全世界からリソースを注ぎ込んで素晴らしいアプリを作ってくれるのかは疑問ですよね。どう考えても利用してくれるベースとなるユーザー数が非常に限られてきちゃうでしょうからね...。そもそも、タブレット向けのAndroidとなるHoneycombのバージョンに対応するアプリの数だって、決して多いとは言えないのが現状でもありますからね。

あともう1つだけ残念だったポイントを率直に申し上げると、ディスプレイのチープ感が悲しくなります。ちょっと同じ「P」の文字を冠する「VAIO type P」のような仕上がりも期待していただけに、高級感とは程遠いフィニッシュに失望感が漂っちゃうというユーザーも少なくないかもしれませんね。せめてゴリラガラスで耐久性も質感もいい感じに仕上げてほしかったんですが、まぁ、もし逆に低価格戦略で驚きの販売価格を実現してくれるというのなら許せますけど、それもあまり期待はできなさそうですしね~


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いかがでしたか? こういうチャレンジングなコンセプトの製品を投入してくるソニーには心から拍手を送りたいだけに、やや辛口にリクエスト感も込めた率直なファーストインプレッションレポートをお届けいたしましたよ。タブレットではビックリなノートパソコンみたいにバッテリーを簡単に交換できる仕様だったり、もしかするとソニーらしさで爆発的なヒットモデルとなる可能性だって秘めている製品なだけに、ぜひぜひ魅惑のアプリとさらなる光るUI(ユーザーインターフェース)の改良なんかに期待しながら、日本国内でのSony Tablet Pの発売日を待ち構えるとしましょうかね!


Brent Rose(米版/湯木進悟)

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