カジノが客に絶対知られたくない七つ道具

カジノが客に絶対知られたくない七つ道具 1

カジノのペテンを美化するのは映画の世界だけ。

やるとたちどころに刑務所ゆきですよ!

今のカジノは防犯技術がかつてないほど進んでるんです。もうカジノ入る前から見張られてる!

具体的にいつ、どこで、どのように見張られてるのか?

7つの極秘テクノロジーを開陳といたしましょう。

 

1:License Plate Readers - ナンバープレート読み取り機

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「カジノの敷地に車で入る前に門前払いされました」―これはナンバープレート識別技術搭載カメラのなせる技。カジノに乗り付ける車のナンバーをこれで片っぱしから撮って、光学式文字識別ソフトで英数字読み取り、ギャンブル中毒なんかの招かれざる客のナンバーと照合し、不審者のフラグが立つと、そやつがドアに手をかける前に警備がシッシッするんですよ。処理は自動、稲妻のごとくスピーディー。

Image credit: PlateRecognition.info

  

2:Biometric Face Recognition - 生体顔認識

カジノが客に絶対知られたくない七つ道具 3

ナンバー検閲の第一関門を突破したみなさま、おめでとうございます。さ、ドアをくぐったら次の瞬間には顔面カメラスキャンが待ってますよ~はい~。大体のカジノはこれ、警備員が高画素デジカメで不審者を特定してるのですが、著名カジノの間で最近導入が進んでいるのが「生体顔面認証」。カジノの監視技術を永久に変えてしまうポテンシャルを秘めた新技術なのです。

市場に出回る生体認証システムには、あんまり頭のよろしくないシステムとスマートなシステムの2通りあります。前者は人の顔面を自動検出し、敷地に入る全員の顔写真を押さえるシステム。スマートなシステムもそこまでは同じなんですが、そこから客一人ひとりの顔を分析し、カジノのデータベースに保存されてる不審者の画像と照合し、一致すれば警備に警告を送るところまでやるんです。

「スマート生体顔認識」という響きからして賢そうですけど、中にはそんなにスマートじゃないという意見も...。例えばEye on the Action主任エージェントでCasino Surveillance & Security Society(カジノ監視&警備協会)のマネージャーを務めるJohn Connolly氏も生体認証はアテにならないと思ってるひとり。「写真は大体が天井とか、天井のすぐ下に取り付けたカメラで撮ったものなので、怪しい人物がいたとしても頭上の角度から撮った頭部しか見れんのよ」、「膨大なデータベースを串刺し検索するのに時間がかかるのも弱点だね」と話していますよ。



3. Angel Eye-エンジェルアイは誤魔化せない!

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グルーチョの鼻メガネと付け髭で生体は誤魔化せても、バカラ賭博の卓では「Angel Eye」っが目を光らせてます! これはアジア諸国で横行するカード交換の問題に歯止めをかけるため考案されたシステム。カード1枚1枚に目に見えないインクでバーコードが印刷されているんです。

ディーラーがカードを配る間も、シューター(トランプが入ってる箱、ディーリングボックス)内にあるセンサでカードを追跡し、その情報をコンピュータに送信していきます。で、卓上にカードの絵柄が明らかになった後、ディーラーがシューター上のボタンを押すと、コンピュータで追跡した方の結果が表示されます。これと卓上にある各自の持ち札を照合し、一致しなければ警備員が「うりゃ~こっそり取り替えたな~」と腕まくりして飛んでくる...というわけ。

Image credit: cardsharkonline.blogspot.com

4. RFID Chips -盗んだチップにはICタグのチップが入っていた!

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カジノの最後の防衛の砦はチップ換金所。最近のチップは真ん中にゴマ粒みたいなRFID(ICタグ)チップが入ってて、ここからラジオ波(RF)でID識別番号を発信し(故にRFID)、テーブル横とチップ換金ブースにあるICタグ読み取り機で拾ってるんですよ。で、IDが噛み合わないと偽造チップということで、換金を拒否されます。

カジノでは他のもっとありふれた業務にもRFIDを活用しています。例えばツケで遊ぶプレイヤーにはこっちのチップが入った方のチップを渡して、特定のテーブルのプレイ情報を追跡したり。

RFID埋め込みチップの防犯効果は絶大で、昨年12月にはヘルメットで顔を隠した男(後にラスベガス元判事の息子と判明)がベラージョから150万ドル(1.1億円)相当のチップ盗んでバイクで逃走する事件があったんですけど、カジノ側は直ちに内蔵チップのトランスミッタをオフにしてチップを換金不能にしちゃったのです! 換金できなければただのゴミですもんね。

Image credit: popularmechanics.com

5. TableEye21-リアルタイム監視

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Tangamが特許出願中の「TableEye21」は、いくつかの技術を組み合わせた高度なサービスです。 まず頭上のビデオカメラでプレイヤーの動きを追跡し、動画解析ソフトとRFIDチップから入るデータと合わせて、動画表示のフィードにプレイ中のカード、賭けチップの生情報をオーバーレイします。それをやりながら、TableEye21の堅牢なソフトを使って、卓上で展開するありとあらゆる情報(ディーラーが配る1時間当たりのラウンド数、トレンド報告、プレイヤーの勝率など)を系統立てて追跡。カジノ側はこれを参考にしながら、カードカウンティングするプレイヤーとかディーラーと共謀してるプレイヤーを洗い出す、というわけですねー。

...と文字で読んでもイメージできないよね。動画で見た方が早いです。

6. NORA

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複数のイカサマ師が共謀してきたら、カジノが受ける被害は甚大ですよね!

ピット担当のボスが異変に気づくか、TableEye21でプレイヤー複数の数値トレンドに異常が確認された場合、カジノが持ち出す最終兵器が「NORA(Non-Obvious Relationship Awareness:明らかでない関連性識別)」というソフト。

カジノにはディーラー、イカサマ師、社員、その他の「要注意人物」の情報を集めた膨大なデータベースがあります。NORA(IBMが発売中の「Relationship Resolution(関連性解析ソリューション)」に入ってる)は、このデータベースをスキャンし、パッと見ただけでは明らかでない関連性を特定してくれるんですよ。

例えば「ブラックジャックのディーラーの求人に応募してきたJohn Smithが悪名高いドイツのブラックジャック詐欺師Johan Schmiedだった!」とかいうのも一発でわかります。また、複数の人の経歴に類似点があればそれを洗い出して関連性も割り出せるんです。例えば「そのプレイヤー2人は1987年にUNLV(ネバダ大学ラスベガス校)で同じフラタニティー(社交クラブ)に属していた旧知の仲ですぜ」とか、「そのディーラーと勝ち続きのプレイヤーは昔の住所と電話番号が同じで、1994年にはなんと同じ詐欺事件で逮捕されてますぜ」とか。

9/11後、米国土安全保障省がテロ容疑者相互のつながりを特定するため採用したのも、このNORAです。

Image credit: playwinningpoker.com

7. Casino Security Off-Land - ネットや海上カジノの防犯もバッチリ!

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賭け事やるのは、なにもビリオン単位のお金が動く警備フル投入の大手カジノだけじゃないですよね! オンライン賭博もあるし、クルーザーもあります。

Iovationの「ReputationManager 360」はイカサマ師が怪しげな賭けをやるその前に、そいつのオンラインカジノへのアクセスをブロックするソフトで、カジノ・ジャーナルが選ぶ2010年の「最も革新的賭博技術TOP 20」に入ったものです。

Iovation社にはデバイス5億件以上に関する膨大なデータベース「Device Reputation Authority」があり、そこに「2000人を超える詐欺対策の専門家とオンラインブランド数百社から毎日詐欺関連の詳細情報が5万件入ってくる」(同社)んですね。

「ReputationManager 360」では、あるIPアドレスから賭けのアクションがある度にこのデータベースと照合し、「許可する」、「審査に回す」、「拒否する」の3段階評価を行うんです。また、IP隠しで裏をかこうとするオンライン賭博詐欺がいると困るので、プロキシサーバー経由の接続を遡って大元のIPアドレスを割り出す「Real IP(本物のIP)」というIovationのアプリも込みになってるんですよ。

あと、クルーズ船も警備は厳格ですけど、陸上ほど物々しい防犯技術は必要ないのだそうな。「こういうタイプの技術は『あったに越したことない』程度。現実には必要ないですね」、「(洋上の賭博は)船の余興のひとつ。プレイも客足も多くないし、大体の乗客は予算もキツめですからね」とクルーズ船の監視責任者Craig Mortonさんは話してますよ。毎日のように大金が行き来するわけではないので陸の上ほど人も技術も要らない、ということですねー。

大事なのは技術より監視体制

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技術も大事だけど、「ひとつ覚えておきたいのは、こうした技術単独でプロのイカサマ師を挙げることはできない、ということです」と先のMortonさんは話していますよ。

「こうしたものは情報を収集し、不審なプレイや人物に関する補足の情報を監視チームに提供するツールに過ぎません。関連情報の収集・分析・管理・対応がちゃんとした手順で行われて初めてこうしたシステムは本領を発揮するのです。そういう体制がないと監視チームも入ってくる分析や情報を消化し切れずにオロオロ立ち往生、ということになりますからね」

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*本稿はテクノロジー最新ニュース、レビュー、ハウツーを提供する「Maximum Tech」からのゲスト寄稿です。

BRAD CHACOS - MAXIMUMTECH(原文/satomi)