次のジョブズを印象付けたジェフ・ベゾスのKindle Fire発表イベント録画&全訳(動画)


カッコよくて冷静沈着でスタイリッシュでハゲ...


それだけじゃないけど、「ジェフ・ベゾスが次のスティーブ・ジョブズ」だと思うのにはちゃんとそれなりの理由があるのです。嘘と思うなら、Kindle Fire記者発表をじっくり見直してみてください。いいジャケだね、ジェフ。

基調講演はテニスの試合みたいなもので、いくら画面で迫力が充分伝わってくると思っても、生の人の動きを間近に見る迫力には敵いません。この録画も生のベゾスとは違うかな...ちょっとドライで、ぎこちなくて、堅苦しく見えますね。

でも昨日(米時間9月28日)ベゾスのすぐ前に座って見た僕が言うんだから間違いない、彼には否定しがたいカリスマ性が備わってます。あれはFlash動画じゃ伝わらないのかも...。

重要なデータ盛りだくさんですので、周回遅れですが全訳しておきます!

 

Kindle発表イベント全訳

(まず、テクノロジーに縁遠い感じの人たちがKindleの良さを口々に語る映像が流れます)

「片手で使える」

「照り返さない」

「野外でも読める。eインク最高」

「バッテリー寿命も長い」

「テキストサイズが変更できる」

「本が簡単に買える」

「多言語対応」

(2:28- ベゾスの語り)

4年前、本より良いものをつくろうということになりました。が、5世紀も前からあるものを発明し直すんだから当然懐疑的意見も出ました。

「アマゾンは大好きです。でもいくら好きでも、アマゾンの電子ブックリーダーの新端末がコケる、大失敗に終わる、という考えは変わんないですね」

「Kindleは失敗するだろう。あれは『本のiPod』なんかじゃない。今も将来も」

「買ってすぐのKindleは空っぽで裸だ。iPodと違って、そこから大きな山を登らなくてはならない。アマゾンは端末需要のみならず端末を埋めるコンテンツの需要も創出しなくてはならないのだ」

さて、これは過去15年間アマゾンで売れた物理的な本の数を示したグラフです(4:33)。で、こちらは過去4年間アマゾンで売れたKindleブック(4:45、伸びが著しい)。大多数はKindle端末持ってる人が買った分で、無料の本はカウントしていません、有料の電子書籍だけです。

なぜこのようにKindleは好調なのか?

4年前に出たKindleは、梱包を解くともうアカウント登録済みになっていて、自分のライブラリがすぐ開けるようになっていました。

当時の電子書籍の品揃えは9万タイトル。それが今や100万タイトル。プラス、1923年より前に出て著作権切れになった無料の本は数百万タイトルにものぼります。

そのどれもが60秒あれば買えるんですね、ワイヤレスで繋いで。

Eインクなので、浜辺やプールなど眩しい野外でも本が読めます。

バッテリー寿命も長くしました。何週間・何ヶ月単位で。

何千冊という蔵書をいつでもどこでも持ち運べるのです。

Kindleを買うと本のバックアップはAmazon Cloudの方に無料で取ってます。「だから端末から全部消しても大丈夫ですよ。必要なとき言ってください、我々がちゃんとアーカイブ取ってありますから」

文面を読み上げる「テキスト・トゥ・スピーチ」機能もあります。本を途中まで読んで、晩ご飯の間はこれ使って本を聞けばいいのです。Kindleの本は、

Buy Once, Read Everywhere(1度買ったらどこでも読める)

AndroidでもiPhoneでもiPadでもWindows PhoneでもBlackBerryでもMacでもPCでも、読めます。最近「Kindle Cloud Reader」というHTML 5アプリも出したので、もうブラウザさえあればどこでも本が読めるんです。

Whispersync」―これはKindleで途中まで読んで中断後、携帯で同じ本を開くと中断したところから読める機能です。もうめくって探さなくていいんだよね(自慢げ)。

読んでて好きな言葉があったら、友達と(TwitterやFacebookで)共有も一発です。

みんなに人気のパートはどこかな? ...と気になったら、Popular HighlightsをチェックするだけでOK。

デジタル書籍はページ割りが変わるので、紙の本を未だに読んでる友人やブッククラブと同じ本の話ができない問題がありますが、Kindleは「Real Page Number」というところを見れば、紙の本で何ページ目かわかるんです。リアルのページ表示を電子書籍に盛り込むというのは実は頭で考えるより、とても技術的に実現が難しいことなんですよ。

コンテンツそのものの改善も行いました。

例えば「Kindle Singles」というプログラム。

コンテンツのリンクで本当に必要なものは2つしかありません。ひとつは記事に飛ぶリンク。もうひとつは本に飛ぶリンクです。しかし本の30、40、50ページという塊に飛ぶリンクって、ないですよね? そこをなんとかしようというのが、Singlesです。よくできてると思いますよ。

Kindleは全米1万1000の公立図書館にリンクしており、そこからKindleブックを借りることもできます。

Kindleは世界で一番良く売れているeブックリーダーと言えるでしょう。

11:00-

今日ご紹介する新型はこちら、Kindle touch

赤外線センサのタッチです。つまり、eインク上に余分なレイヤーは被せなくて済む。読書の邪魔になりません。

タッチはナビする一番シンプルな手法です。サイズも小型、軽量に。

こういう目的特化型デバイスに求められるのは、ニュアンスやディテール。ひとつ具体的な例を挙げましょう。

一般にタッチ画面のタブ構成はこうですよね(12:21)。

左は「前のページ」、右は「次のページ」、真ん中は「メニューに戻る」。

読書という目的に特化した端末では、これがうまく機能しないんです。なぜか? 読書好きな人は本を持つ方の手を途中で替えるものだからです。しかも片手で持つのが好きなんですね。だからKindleは左右にページをめくるボタンがついてる。

ところが普通のタッチ端末は左手に持つと使えないんですね。

そこで考えたのが、「EasyReach」です(13:24)。上に「メニュー」、左が「前のページ」、中央・右が「次のページ」。左のタブをとても狭くとったので、これなら左手で両方押せますよね。

デモを少々。TIMEマガジンのデモは後ほどやるとして、ここでは僕の好きな本『The Remains of the Day』(カズオ・イシグロ著)を途中まで読んでいる、という設定でやってみましょう。

Kindleレビューした経験者なら分かると思いますが、Kindleでは分からない単語の意味を調べるのがとても簡単なのです。

さらに辞書以上のものを用意しました。それが「X-Ray(X線、レントゲン)」という機能。これは読んでる途中で本の骨格が透けて見える機能ですね。架空の登場人物、歴史上の人物、用語など。例えば「ベルサイユ条約」をクリックするとWikipediaの解説がサッと出てきます。こんなに素早く出てくるのは、いちいちWikipediaに繋いで引っ張ってきてるんじゃないからです。

どういうことか?

『The Remains of the Day』のKindleブックを買ったとしますよね。すると我々の方で予め読者が調べそうな登場人物、歴史上の人物、用語を計算してあって、そちらの情報も本と一緒にダウンロードされるのです。

登場人物の詳しい情報は、アマゾンのコミュニティサイトから引っ張ってきたものです。

価格は99ドル。

「Kindleが99ドルだよ。きっとバカ売れだね」TechCrunch

「99ドル。信じられないほどの需要があるだろう」Slate

「心理学のことはよくわからんが、普通の人はなぜか99ドルという値を見ると脳内の何かが弾けてしまうんだよね。目がドルマークになって輝き、心臓が高鳴り熱狂して買いに走る」ZDNet

よし、「熱狂」を始めようではないか。

Kindle touchスペック

・最先端のEインクのディスプレイ

・タッチインターフェイス

・EasyReach

・超長いバッテリー寿命

・何千冊も持って歩ける

・何千万タイトルもの品揃え

・60秒で買える

・音声ブックAudibleも統合

・X-Ray

・Whispersync

・Amazon Cloudの無料ストレージが使える

見た目は同じで無料3G対応の新型「Kindle touch 3G」も出ます。Wi-Fi接続ポイント探さなくていいモデルですね。こちらは世界百カ国以上で使えます。3G接続契約の縛りなし。年間契約も月極め料金も不要です。価格は149ドル

どちらも今日から予約受付け開始、出荷は11月21日から。何百万台と売りますよ。

(20:00-)

タッチが要らない人は?

指紋がつくから嫌だっていう人も結構いるんですね。ビーチで使うから、日焼けローションで画面がベトベトになるのは嫌だ、とか。

そういう人は79ドルのタッチ非対応の新Kindleを買えばいいんです(20:37)。めちゃ軽いですよ。6オンス切る5.98オンス(170g)。従来品より30%軽量で、18%小型。後ろポケットにも収まります。ページめくりも前より速くなりました。とても良い製品です。

プレミアムな製品を、非プレミアム価格で。

新型Kindleのスペック(21:33)。

これは本日予約受付けで、出荷も本日からです。何百万台と売りますよ。

(22:00-)

何ヶ月か前にKindleの「Special Offer」(広告が出るバージョンは値段が割り引きになる)をやったら、これが一番よく売れるKindleになったんです。そこで数ヶ月様子を見てから、3G対応のKindleでもスペシャルオファー版を始めたら、これもたちまちKindleのベストセラーになりました。このスペシャルオファーに今回AmazonLocalもプラスしました。これからは近所の割引き広告も反映されます。

広告と言ってもスクリーンセイバーですから、Special Offer版と知らない人の目には、ただの美しい写真です。いくつか例を(22:52-)

以上3つが、Kindleファミリーの新製品です。

(新CM)

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15年間、我々はメディアビジネスを構築してきました。

今では150億ドル/年のビジネスです。

我々はあらゆる分野のメディアのデジタル版を豊富に取り揃えています。

映画・TV番組は10万タイトル。購入もレンタルもできます。映画レンタルは2.99ドルで新作映画もカバー。300を超える機器(HDTV、Roku、TiVo、Browsers、ブルーレイ再生プレイヤーなど)で視聴できます。

MP3ストアでは1700万曲を1曲69セントで販売。一度買ったらどこでも聴けます。最近リリースした「Amazon Cloud Player」をインストールすれば、ブラウザから聴けるのです

Android App Store。ここで売るアプリは全部クオリティーテスト済み。我々がWeb上に用意したAndroidシミュレータを使えば、購入・インストール前にテストドライブ(試用)もできます。

Amazon Prime、これは約6年前に始めたプログラム。年会費79ドル払えば、2日で配達するサービスが無料で何度でも使える、ということで大変好評をいただき、今では数百万人の方々が利用しています。

「Amazon Primeほど独創的かつ効果的な顧客ローヤルティ構築プログラムはどこのeコマースを見回してもないだろう」BusinessWeek

「予め料金払ってしまうと、バイキングの食べ放題みたいなもので、人はサイトに何度でも行くものだ」WSJ

今年、このAmazon PrimeにPrimus Videoという新サービスを追加しました。と言っても追加料金ゼロ。支払い済みの年会費で、映画・TV番組1万1000タイトルをCM抜きの状態で瞬時にストリーミング可能になったのです。

TV局・映画スタジオから参加希望の声も沢山いただいており、新プログラムのコンテンツ使用料も何億ドルと支払うことを既に約束済みです。

参加パートナーは例えば、CBS、NBCユニバーサル。2日前にはFOXとの提携も発表しました。これだけのコンテンツをこの価格で観れるんですから、とってもお得ですよね。

Amazon Web Services(AWS)。これも当社のサービスです。インフラストラクチャー・ウェブサービス、EC2、S3、CloudFront。顧客は世界190カ国に数十万人

このビジネスは7年前に始め、今ではかなり大きくなりました。

今あるウェブの多くは、アマゾンEC2上でミッションクリティカルなアプリケーションを走らせているものです。ここにあるのは、何千社とあるカスタマーのほんの一端です(29:06。TwitterやNetflix、NYT、ESPN、Intuit、NASA、Adobe、Zynga、ANIMOTO、Lillyなど並んでる)。

アマゾンのストレージサービスS3。ここには4490億ものデータオブジェクトを置くことができ、ピーク時には毎秒29万件ものトランスアクションが処理できます。家のコンピュータで真似しないようにね。

「市場シェアで言うならアマゾンはコカ・コーラだ。しかもペプシはまだ現れていない」451 Group

「この4年間は私もアマゾン・ウェブ・サービスの急成長を信じられない思いで眺めてきた。ベーシックなS3ストレージサービスから始まったものが今やコンテンツ配信ネットワーク、仮想プライベートクラウドまで網羅し、テクノロジー全体のランドスケープを破壊し、塗り替えようとしている」Om Malik、GigaOM

このように我々には以下のサービスが揃っています。

・Amazon Web Services

・Amazon Prime

・Kindle

・Amazon Instant Video

・Amazon MP3 Store

・Amazon App Store(アンドロイドアプリ)

これをなんとかひとつの、素晴らしいプロダクト、お客様に愛されるプロダクトとして提供できないものか?

(31:00-)

その回答がここにある...Kindle Fireですよ。

7インチのIPSディスプレイ。超広視野角。高速なデュアルコア・プロセッサ。軽い。たったの14.6オンス(414g)。あらゆるコンテンツがこれ1台で楽しめる。

10万本もの映画・TV番組、楽曲1700万本、Android AppStoreのゲームやアプリ、何百万種類もの書籍、美しいフルカラーの雑誌。ここにあるのは我々がマガジンスタンドで取り扱う雑誌の、ほんの一例です。

この端末のコンテンツはすべてAmazonのクラウドに無料でバックアップがとってあるので、いくらでも削除していいんです。使う人がバックアップしなきゃならないようなモデルは、そもそもぶっ壊れてる。我々はバックアップの責任も引き受けたい。「削除はご自由にどうぞ。必要になったら戻ってきてくださいね」と。

この考え方は、同期についても同じ。(某社のケーブルを映すと、会場から笑い)Kindleの同期はバックグラウンドで、目に見えないかたちで、ワイヤレスでできなきゃいけない。これがWhispersync機能。お客様に好評です。どこまで読んだか、それも同期できるので、いろんな端末で本を広げると同じページが開きますからね。

このWhispersyncを映画やTV番組に応用したら、どうでしょう?

帰路Kindleで映画を途中まで観て、家に帰ってからテレビをつけると、中断したところから観れる...これだったらあちゃこちゃ探す必要もなくてイライラしませんよね。Whispersync for Movies

よし、ちょっとデモをご覧にいれましょう。

(34:00-)

これがKindle Fire。ランドスケープで見てるところですね。

一番上に「Jeff's Kindle」とあります。Kindle eリーダー同様、これも箱から開けると、あなたの名前で出迎えるんですね。ユーザーのAmazonアカウントに登録済みなんです。アマゾン認証情報(ユーザー名・パスワード)も入ってるので、手持ちのライブラリが即座に開きます。

すぐ下が検索バー。端末のローカルも、クラウドのコンテンツも、ウェブも検索できます。Kindleストアからコンテンツを検索して買うこともできます。

その下がカテゴリ。ニューススタンド、本、音楽、動画、文書、アプリ、ウェブブラウザ。

その下は最近のもの。これは直近でタッチしたものが上に表示されます。見たばかりの映画、購読ダウンロードしたばかりのアプリ、ストアでなんか買ったらその買ったばかりのものが上にくるんですね。ウェブ見たばかりなら、それが上にきます。とてもナビが簡単です。

その下はお気に入り。

ともあれ、映画観てみましょう。『X-Men』です(36:00-)。

1600万カラー。インチ当たり169ピクセル。ゴリラガラス。ビューティフォーなディスプレイですね。

一時停止してHOMEに戻って...今度は音楽聴いてみましょう(Adeleの『Rolling In the Deep』)。ボリュームさげてHOME戻っても...ほらね、バックグラウンドでまだ音楽流れてますよ? 

今度は本(『The Help』)。バックグラウンドで音楽聴きながら本が読めます。上叩くとメニューが出てくるので、ここでいつでも楽曲は一時停止できますよ。

またHOME戻って、ゲーム(『Fruit Ninja』)で遊びますかね。(フルーツを指で忙しく切るベゾス)デュアルコアの速さ、僕のFruit Ninjaの乏しいスキルがよくわかりますね(会場笑)。

オーライ。グレイト。

I still have more few.(38:46。ワンモアシングのベゾス版?oneじゃないのね)

これはアマゾンがスタートした時のウェブページです(39:00)。15年以上昔の。10K(キロバイト)しかなくて、画像も1個、ドメインも1個でした。

これは今のアマゾン。63倍大きくなり(630K)、ひとつのページにアセットもファイルも多用していますよね。これで普通。現代のウェブページはとても複雑になってるのです。

これはCNN。

・静的画像ファイル63個

・5つのドメインに動的な画像ファイル39個

・7つのドメインにJavaScriptファイル30個

・HTMLファイル29個

・CSSファイル7個

・Flashファイル3個

これだけ重い今のウェブページをモバイル端末で素早く表示するのは、はっきり言って困難です。そこで我々は考えました。

アマゾンEC2には膨大なコンピュータ処理の馬力があるではないか、あれをなんとかモバイル端末処理の高速化に活用する手立てはないものか? EC2の中には処理能力も帯域数も無尽蔵にある―。

答えはYES、あるんです。それが「Amazon Silk」。スプリットブラウザです。一部はアマゾンEC2に、一部はKindle Fireに処理が分かれてる。クラウドで加速する独自ブラウザですね。

(開発者のイントロ動画)

これは信じられないほど素晴らしい技術の成果です。

外にデモのコーナーを用意しましたので、そちらで触ってみてください、びっくりしますよ。

Kindle Fireスペック表(初報ご参照ください)。

これでいくらだと思います? 199ドル。信じられないバリューです。

(Kindle FireのCM)

プレミアムな製品を、非プレミアムなプライスで。

これはアマゾンが創業以来ずっと追求してきたことです。

Kindle Fire出荷開始は11月15日。何百万台と作ってますけど、念のため今日予約されると良いでしょう。

本日ご紹介したファミリーをもう一度おさらい。Kindle Fire(199ドル)、Kindle touch 3G(149ドル)、Kindle touch(99ドル)、Kindle(79ドル)。

いや~みなさん、アマゾンのように沢山チームがある会社でこれだけのものをひとつにまとめ上げるのは並大抵なことじゃないんですよ。それをやったチームの働きに感謝します、とても誇りに思う。本日はお忙しい中集まってくれて本当にありがとう。

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SAM BIDDLE (原文/satomi)