ノキア初のWindows Phoneフォン「Lumia 800」をスペックで侮ってはいけない(iPhone 4S、GalaxySIIスピード比較動画あり)

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やってきました、ロンドン。Nokiaワールドで発表になったノキア初のWindows Phoneスマフォ「Lumia」、いいですね! 

英・独・伊・仏・西・オランダは11月、米国は来年リリース。マイクロソフトのWindows Phone初のフラグシップモデルとなるわけですが、スペックの数字だけ見て「ええ~」と引いてる人はLumiaが分かっちゃいない! その理由をご説明しましょう。

スペック

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Lumia 800

Nokiaワールド2011の主役の顔。前評判通りNokiaらしいゴージャスなハードウェア。OSがMeegoからMangoになっただけで、見た目はN9の双子ちゃん。

OS:Windows Phone Mango

サイズ:116.5 x 61.2 x 12.1mm/142g

RAM:512 MB

ストレージ:16GB

CPU:1.4GHzのシングルコアSnapdragon

カラー:青、マゼンタ、黒の3色

カメラ(背面ONLY):Carl-Zeissレンズ、シャッター専用ボタンあり、LEDフラッシュあり

価格:420ユーロ(4万5000円)

Lumia 710

800にはなんと710という廉価版の弟がいたんです。数日前まで全然知らなかった...丸っこくてかわいいですね。

OS:Windows Phone Mango

サイズ:119 x 62.4 x 12.5mm(800より若干大きい)

RAM:510MB

価格:270ユーロ(2万9000円)

シングルコアの1.4GHzのプロセッサ(あくび)、512MB RAM(2回あくび)、ストレージ16GBだけ(どよ~ん)、そんなに「Super」でもないAMOLED画面(む~...!)―これだけで11月の発売前からダメと決めつけてる声もあるんですね。でも、本当にそうかな?

 

「間に合う携帯」以上のもの

ロンドンで触ったJoe Brown記者は「速い」と言ってました。前はiPhone 4、今は既存のWindows PhoneでベストなSamsung Focus持ちの彼が言うことなのでちゃんと比べて言ってるんだと思います。

まずRAM。これは多いにこしたことないけど携帯にそんなメモリ積みまくってもしょうがない...特にWindows Phonesには無用な贅沢なのですよ。iPhone 4SもRAMは512MBしかないけどそれで全くオッケーだし。Androidトップクラスの携帯は1GB積んでますが、あれとWindows Phoneを同列に考えるのは無理があります。後者は、例えばフルオン(ずっとオン)でマルチタスクをバックグラウンド処理するわけじゃないですからね。

そうなんですよ、Mangoは裏でアプリ動かせますけど、あれは一時停止の状態で、APIが動いて楽曲再生・ファイル転送といったタスクを処理してるだけなんです。そのアプリに戻るとまた「水分補給」してシャキッと元に戻りますけど、MangoはAndroidみたいにアプリとアプリが完全に並列で動作してるんじゃない。だから処理にそんなに負担がかからないんですね。

またWPは起動中のアプリが使えるメモリー使用量に上限を設けてますから、オマケのRAMいくら搭載してもあんまし関係ないんですね。マイクロソフトは、同じOSでもメーカーごとに島分かれして互換性がなくなるフラグメンテーション化に対抗する構えなので、メーカーさんが別の路線を目指して青信号がもらえるとは思えません。

同じ理由で、「シングルコアだけ?」と言うのもナンセンス。Windows Phoneの場合、デュアルコアのチップ積んで何が助かるってものでもないのです。まあ、グラフィックスは良くなるだろうけど...Windows Phoneのデベロッパーがターゲットにしてるエコシステムは、シングルコアなんですね。

それにバッテリー寿命のこともありますからね。バッテリーが何日ももつ携帯―これは長く愛されたノキア最大のクオリティーですから、Lumia 800でもノキアは1450mAhのバッテリー内蔵で絶対丸1日使える携帯にしてくるはずですよ(3G連続通話570分、連続待受335時間)。デュアルコアチップでそれできます? 厳しいですよね。

シングルコアに拘ったのはノキアではなくマイクロソフトの意向なんですが、これは正しい判断かと。iPhone 4SはデュアルコアのA5チップ搭載だけど、4G対応が見送られて叩かれました。しかもバッテリー寿命がiPhone 4より目に見えて短くなってしまってイラつくほどです。デュアルコアにしてWindows Phoneにプラスになる面もあるけど、それはバッテリー等を犠牲にしてまで得るほどの価値のない微々たるものなのです。

スクリーンは「retina」でも、「Super」なAMOLEDでもありません。なんかうまい形容詞がないと落ち着かない人のために書くと...ただの「ClearBlack」というやつです。

解像度はWindows Phoneの標準の800x480。これも数だけ見るとアレですが、実際目で見るとSamsung Focusより断然キレイだし、他のWPフォンに余裕で差をつけてます。この解像度も、メーカーさんがめちゃ高解像度なもの出そうと思っても、マイクロソフトはオッケー出さないでしょうね。WPの群れから誰かが飛び出ると、それ用にまた特別にOSデザインしなきゃなくなるので。マイクロソフトは飽くまでも統一性のあるプラットフォームを求めているのです。今ある最高の画面より断然良いものが出て、並べて傍目に分かるようなら、その原則も揺らぐかもしれませんけどね...。

アグレッシブな価格

カメラは元気だし、手に持った感触もポケットに入れた感じもしっくり来ます。持って愉しく、使って愉しい携帯。少なくとも第一印象は最高です。

唯一の難点は、ストレージが足りないこと。32GBモデル以外の人はuSDカードスロット必携かも...。ただ、SkyDriveのスペースが25GB分無料で使えるので、電車通勤のひと以外はこれを使えばかなりがなり解消できそうです。

そんなわけで、スペック上回る性能なことは間違いないでしょう。

ノキアWindows Phoneプログラム部門SVPのKevin Sheildsさんの話では、アメリカ向けには「かなりアグレッシブ」な価格を用意しているそうです。

この価格も大きいですよね。Windows Phoneがかなり安くなるという噂は、これで確定です。因みにAndroidの旗艦の「Galaxy Nexus」は300ドルからですから、「かなりアグレッシブ」となると200ドルのライン切るのはほぼ間違いないですよね。150ドル、もしかして100ドル。

2年縛りだと価格ってそんな重要じゃないけど、WPは今拡大中の「スマフォ要るかどうかわかんない」浮遊層市場がターゲットですから、値段がモノを言いますよね。親にすすめたいアップル以外のモバイルOS、一番値ごろな携帯―という位置から攻めれば、プラットフォーム拡大の起爆剤となるかもしれません。

ただし問題は発売時期...米上陸が「2012年はじめ」って、それは残念過ぎる...。ホリデーシーズン終わっちゃうし(これは影響大)、iPhoneとAndroidの旗艦製品のサイクルの谷間の貴重な数カ月を無駄にしてしまいます。自分がノキアやマイクロソフトだったら「良さげな携帯だけど次のiPhone出るの待つわ...」と思われるのだけは避けたいところ。そう思われたら負けですからね。特にキャリアごとに発売時期がちぐはぐになる可能性もノキアは臭わせてるので、だとしたら尚更早く出さないと...。

そんなわけでスペック表見て「ええ~」とくる理由はわかるんだけど、でもマイクロソフトのプラットフォームをしっかり吟味すればスペックの目先だけで評価できないことが色々あるのですね。Windows Phoneはテクノロジーの世界では珍しく、スペックやアプリのレースからの脱却を図る斬新な試みをやろうとしてるんです。今の携帯は、競争に勝てる携帯じゃなきゃいけません。この「競争力」こそがLumiaフォンを最も的確に言い表す言葉でしょう。

スプレッドシート上の数字を比べた競争力ではなく、ユーザーエクスペリエンスの上に立つ競争力で勝負したい―そんな哲学を初めてひとつのハードに詰めたのが、このLumia 800です。手に取ったら「これ。iPhoneよりこれがいい」と思っちゃうかも...。

参考までに下にアップルのiPhone 4SとサムスンのAndroidスマフォGalaxy S IIとのブラウザスピード対決の動画も貼っておきますね。シングルコアとデュアルコア比べてもしょうがないけど(RAMも半分だし)、20秒とかじゃなく数秒差...なかなか健闘してるんじゃ...。

アップルのようにハードウェアをさらにOSに最適化したら、スペック差はもはや意識しないレベルまで行けそうですね。

JOE BROWN、KYLE WAGNER、ADRIAN COVERT(原文1原文2原文3/satomi)