なぜネットは嘘だらけなのか? ほんの少しのエンターテイメントと耐性と許容

なぜネットは嘘だらけなのか? ほんの少しのエンターテイメントと耐性と許容 1

そこに、愛しさと切なさと心強さが加わって嘘ができるのです。

トップの画、見た事ある方もいらっしゃるかもしれません。つい最近、ネット上を駆け巡った画像です。彼女の浮気に怒った彼氏が、彼女がベロベロによっぱらっている隙に、彼女の背中にウンコのタトゥーをいれたというストーリーつきのこの画像。ひどい!そんなむちゃくちゃな!と思います? 実は、これは嘘。フェイク写真です。世の中嘘だらけです。では、なんでそんなに嘘が出回るのでしょ?

その理由は簡単。「面白い」と思う発信者と、「信じたい」と思う受信者がいるからです。

でっかいウンコタトゥーに、けいおん!が紅白出場、手の平サイズの象さんに、世界最速のコンピューター...。1日中ネットばかりしていなければ、もしくはネット文化に慣れしたしんでいなければ、それが真実なのかネタ嘘なのかを見分けるのはなかなか難しいでしょう。ネタ元やURLを見れば簡単に嘘と見破ることができるかもしれません。しかし、RSSでチラ見するだけのヘッドラインや140文字だけの文章からではなかなかわかりません。

ネットには嘘文化が染み付いているため、嘘への感覚が麻痺してきている、とも言えるのではないでしょうか。年齢や体重、初体験の年や、住んでいる所、もっと言えば自分自身の写真すら気軽に嘘をつけてしまうネット。全部嘘だらけだ!と思いつつも、スクリーンを通してみる時の「でも、もしかして」という思い。何度裏切られても「もしかして今度だけは」という思い。これが嘘文化を盛り上げているのだと思います。嘘への耐性があるネット社会、嘘だとわかっても大抵の場合は「なーんだ。やっぱり、あはは!」程度で許されてしまうネット社会。そして盛り上げられ許された人々はさらなる嘘をついていく。

ただし、ここでいう「嘘」は必ずしも悪ではありません。多くは「善」の嘘。つまり、エンターテイメントとして話題を提供している嘘なのです。

もしこんなことが起きたら笑っちゃうよな、もしアレがアレだったら面白いよなぁ、そう考える人々が実際に画像やストーリーを作って、スクリーンの向こうにいる不特定多数の他人をニヤっと笑わせるために日々「善」の嘘を発信し続けているのです。こうした発信者は世界にきっとたくさんいます。それを受け取る側も、これがもし本当なら、と信じたくなります。嘘だろうなと思いつつも、本当なら面白いとHUB的な発信者として、さらに拡散していくのです。

こうしてネット上では、少しのジョークと少しのエンターテイメントと少しの信じたい気持ちと少しの耐性と、そして少しの許しで、大量の嘘が出回ることとなるのです。ネットでは毎日がエイプリルフールです。

ただし、嘘がどうにもならなくなり、ついには自分自身を苦しめるケースももちろんあります。善の嘘と悪の嘘、その境目は嘘の質と種類しだい。そしてそれを見極めるのはやはり、個人ののモラルなのですよね。

そうこ(Kyle Wagner 米版