二酸化炭素、「埋める」という温暖化対策もあるそうです。

二酸化炭素、「埋める」という温暖化対策もあるそうです。 1

空気中に排出できないなら...。

部屋の中に何か邪魔なものがあるとき、とりあえずベッドの下に押し込んだりします。こんな考え方は、環境問題においてもある程度有効なのかもしれません。BoingBoingのマギー・コレス=ベーカー記者が、地球温暖化問題に対処するためのある方法に関して良い記事を書いていました。その方法とは、二酸化炭素を地中に埋めてしまうというものです。

コレス=ベーカーさんが二酸化炭素の地中貯留実験を最初に見たのはアラバマのテスト・サイトでした。そこでは、アラバマ大学の研究者たちが278トンの二酸化炭素を地下1万フィート(約3km)の深さに埋めていたんです。埋められた二酸化炭素は、地球の二酸化炭素処理プロセスに従い、長い年月をかけて鉱物化されます。以下はコレス=ベーカーさんは次のように書いています。

アラバマ大学の研究者らは、2ヵ月かけて二酸化炭素278トンを地球の中に埋め込みました。そのゴールは二酸化炭素を永久にその地質系統の中に閉じ込めてしまうことでした。地上に突き出た金属のポールの先端にはなぜかビアクーラーがあり、その下には埋設した二酸化炭素漏出を検知するモニタリングシステムのデリケートな電子部品がありました。ビアクーラーは低コストな熱対策として使われていたのです。

コレス=ベーカーさんは、より大きな視野で見ると、278トンでは実用規模のミニチュアモデルとするには不十分だと指摘しています。また、アラバマのテスト・サイトで使われた二酸化炭素は人間の産業活動などから発生したものではなく、自然にある岩石から採取されたものでした。が、新しいテスト・サイトがイリノイ州ディケイターに作られ、そこでは二酸化炭素地中貯留の実効性についてさらなる知見が得られそうです。

イリノイ州ディケイターにできた新しい二酸化炭素貯留施設は違います。まず、これまでのプロジェクトで最大の規模になります。これから3年かけて、100万トンの二酸化炭素が地中に注入されます。米国ではこの規模の施設は他に1ヵ所あるだけです。

さらにこの新施設は、実際のエネルギー生産設備から発生した二酸化炭素を貯蔵する2番目のプロジェクトとなります。1番目のものはウェストバージニア州にありますが、ずっと小規模で、プロジェクトの運用方法が大きく異なります。二酸化炭素を施設に運び込む際、ウェストバージニアの施設ではトラックで運んでいますが、ディケイターの新施設ではパイプラインで、近隣のエタノール精製所から送っています。

パイプラインで送られた二酸化炭素は超冷却され、不浸透性の地層の下にポンプで送り込まれ、多孔性の砂岩のすき間に収まります。そこで数百年から数千年とどまり、やがて鉱物化していきます。ディケイターがテスト・サイトとして選ばれた理由は、その地質と、人里離れた地域であること、そして万一二酸化炭素が漏出した際に発見しやすいことにあります。

二酸化炭素貯留によるリスクはいくつか考えられますが、二酸化炭素漏出についてはリスクが低いとして研究者からあまり心配されていません。ただし最悪の場合、水が汚染されたり、施設につぎ込んだ資源が無駄になったりする可能性があります。また二酸化炭素を送るパイプが破損する可能性も、低いながらも存在します。それによって二酸化炭素が短時間に大量に噴出した場合、「死の雲」となることも考えられます。

でもコレス=ベーカーさんがもっと心配しているのは、二酸化炭素貯留が有効だった場合、地球温暖化問題について危機感を持つべき企業や政治家の間で安心感が広がってしまうかもしれないということです。コレス=ベーカーさんは、これは根本的解決策にならない対症療法だと考えているのです。地中貯留に適した場所は、石油などの天然資源と同じように有限だからです。

ただ、たとえ対症療法だとしても、少しでも温暖化への対応策ができるならありがたいことですね。といって、危機意識も忘れないようにしなくちゃ...。

Image via ShutterstockMartin Capek

[BoingBoing]

Adrian Covert(原文/miho)