北朝鮮の核武装、予想以上に進行している可能性...2010年にも核実験2回?

北朝鮮の核武装、予想以上に進行している可能性...2010年にも核実験2回? 1

2回だと思ってたことが、4回だったかも...。

新たな分析により、北朝鮮が2010年、極秘裏に核兵器実験を2回行っていたことが示唆されました。これが事実であれば、北朝鮮による核実験回数は従来確認されていた2回と合わせて計4回に上ることになります。北朝鮮の核兵器開発は、考えられていた以上に本格的に進んでいる可能性があります。

2010年5月、北朝鮮は「独自の核融合技術を開発した」と発表しましたが、欧米側メディアはそれをハッタリと考えて笑い飛ばし、憂慮したのはごく一部の秘密核実験ウォッチャーだけでした。でもそのとき開発されたのが「核融合技術」だったのかどうかはともかく、その発表の背景には、今回問題になっている2回の核実験があったのかもしれません。学術誌「Nature」によると、韓国の研究者が2010年当時放射性キセノンをわずかに検出しており、それは北朝鮮における核活動を示唆するものと分析されていました。

 

同様に、核実験ウォッチャーでスウェーデン国防調査局大気学者のラーク・エリック・デギア氏も、ロシアと日本の北朝鮮に近い地点から得られたデータを分析していておかしなことに気が付きました。「これは説明が付かない」と。

デギア氏は、2010年当時に関連するあらゆることを1年がかりで徹底的に調査しました。その結果、2010年4月と5月、北朝鮮がより強力な爆弾の制作を目指して小規模な核実験を計2回実施していたという結論に達します。デギア氏の研究結果は学術誌「Science and Global Security」の4月・5月号に掲載されています。

デギア氏が発見したのは、具体的には次のような内容でした。キセノン133とキセノン133mの比率が2010年4月中旬の爆発を示しており、バリウム140とその放射性崩壊生成物であるランタン140の比率からは5月11日前後に2回目の核実験が行われたことが推測できます。デギア氏によると、キセノン同位体の比率はウランが関連する高速な核反応を示しており、またバリウム140は突発的な核事象によってのみ説明が付くものです。

2006年と2009年に北朝鮮で核実験が行われていたことは、すでに確認されています。また2011年には、韓国の政府関係者が「北朝鮮がミサイルに搭載可能な核弾頭開発に成功した可能性がある」と発表しています。このように北朝鮮の核兵器開発の意志は明白で、根拠もある程度あるのですが、今回発表された分析結果についてはまだ正しいという確証がありません。

今回認められた核実験の出力は、TNT爆発なら50~200トンに匹敵するものでした。ただしこれについては疑問を呈する研究者もおり、包括的核実験禁止条約(略称CTBT、Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty)の締結に尽力し現在は引退している地球物理学者のオーラ・ダールマン氏もそのひとりです。朝鮮半島ではどんな小さな振動でも検知するように設備が整えられているのですが、2010年当時、通常核実験に伴って起こる地震振動は観測されていなかったのです。また別の研究者は、デギア氏の発見を確認するにはより多くのデータが必要だとしています。

つまりいずれにせよ、北朝鮮の核開発がどこまで進んでいるのかはまだまだ不透明です。体制が変わった今でも、引き続き北朝鮮の動向に要注意であることに変わりはなさそうです。

[Nature]

Kristen Philipkoski(原文/miho)