太陽活動の影響で新たな氷河期がやってくる...ってホント?

太陽活動の影響で新たな氷河期がやってくる...ってホント? 1

最近寒いですしねー。ってそれは冬だから?

イギリスの大衆紙Daily Mailで、「現在地球は、17世紀から18世紀にかけて起こった小氷期に匹敵するほどの寒冷化に向かっている」とする研究結果が報じられています。17世紀後半には、現代では一年中凍らないロンドンのテムズ川がしばしば凍結し、氷った川の上でフロスト・フェアが開催されていたそうです。

その研究を行ったのは、イギリスの気象庁とイーストアングリア大学気候研究ユニットです。彼らによれば、現在我々は太陽のサイクル(研究者らは「サイクル24」と呼びます)のピークにいて、先日の磁気嵐もその表れでした。ピークの時期は地球に与える熱が最大になるはずなのですが、現在その熱は20世紀に経験したサイクルのピークに比べて弱いものになっています。

イギリス気象庁らの報告書では、次の太陽のサイクル「サイクル25」は、92パーセントの確率で極めて弱いものになり、それは数十年間続くとしています。つまり地球全体の気温がかなり低下するということです。

でもこのような主張は決して目新しいものではなく、反論もあります。たとえばNew Scientistの環境レポーター、マイケル・マーシャル氏は次のように指摘します。

このような現象は以前にも起こっており、もっとも有名な例は1645年から1715年のマウンダー極小期です。当時は太陽の光が通常より弱くなり、黒点もほとんど観測されませんでした。このように太陽活動が弱くなる極小期のために地球が寒冷化したという証拠はたくさんありますが、それは太陽活動の変化が我々の天候に与える劇的な影響のひとつに過ぎないです。

たしかに、マウンダー極小期はテムズ川が凍った小氷河期と結び付けられるのが一般的です。Daily Mailは、そうした事態がまた起こるのではと警鐘を鳴らしているのです。

ただしその主張の問題は、太陽が熱を出さなくても、地球がすでに温暖化しつつあるのでそれほど大きなインパクトがないということです。太陽活動の影響は数多くある要因のひとつにすぎず、相対的には小さなものなのです。New Scientistによれば、ある研究チームが2010年から太陽の極小期が始まったら地球の気温がどうなるかを2100年までシミュレーションしたところ、地球の平均気温低下は最大でも摂氏0.3度でした。

一方、二酸化炭素などの温室効果ガス排出による気温上昇は2~4.5度と推計されています。つまり温室効果ガスの方が太陽活動よりもずっと大きく影響するのです。これらの影響は相殺し合い、気温変化が最少の場合は2度の上昇と0.3度の下降で1.7度の上昇となります。

そんなわけで、幸か不幸か、氷河期が来て温暖化を回避させてくれるという展開にはならなそうです...。

[Daily MailNew Scientist;Image:freshNfunky]

Jamie Condliffe(原文/miho)