時代を超える9つのユートピア

時代を超える9つのユートピア 1

理想のすみかって、どんなものでしょう?

都市生活してると、海や緑が恋しくなることがあります。でも、都会の真ん中に住んでる友だちの家に遊びに行くと、便利さとか職場の近さとかがうらやましくなったり...。

そんなジレンマは時代や地域を超えて共通するようです。フランク・ロイド・ライトル・コルビュジエといった建築家たちはもちろん、ウォルト・ディズニーだって、それぞれに理想郷を思い描いたり、実際に形に残したりしてきました。

彼らは何を「理想」としたんでしょうか?

フランク・ロイド・ライトのブロードエーカー・シティ

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フランク・ロイド・ライトの描いたユートピア「ブロードエーカー・シティ」では、ひとつの家庭には1エーカー(約4000平方メートル≒1200坪)もの土地が割り当てられていました。1932年のコンセプト発表から数年後に上の画像にある3.7メートル四方の模型が作られ、その後の都市計画の考え方に大きな影響を与えました。

[Wikipedia]

ル・コルビュジエのパリ「破壊」構想

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ル・コルビュジエは世界でもっとも有名な建築家のひとりですが、彼はパリの歴史ある建築物を破壊してしまおうという都市改造案を発表して物議を醸しました。その案は「ヴォアザン計画」と呼ばれ、破壊そのものが目的というわけではなく、低層の建物をなくして60階建ての超高層ビルを建て、その分開放的な空地や美しい緑を街に取り入れようという趣旨のものでした。そんなパリ改造案は受け入れられませんでしたが、環境汚染などの都市問題をいかに解決するかという議論を喚起しました。

[Wikipedia]

フロリダ州シーサイド

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映画『トゥルーマン・ショー』のロケ地として有名になったフロリダ州シーサイドは計画都市のひとつで、その建物は古き良きビーチタウンの雰囲気に統一されています。ただあまりに美しく完ぺきすぎて、逆にキッチュな印象を受けてしまう人もいるようです。

[Wikipedia]

アリゾナ州アーコサンティ

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アーコサンティは、アリゾナの州都フェニックスから北へ110kmほどのところにあります。そのちょっと変わった名前は、建築家のパオロ・ソレリが提唱する「アーコロジー」(アーキテクチャ+エコロジー)に由来していて、エコロジー的に健全なコミュニティを作ろうと1970年から実験都市の構築が始まりました。現在ここに住んでいる人はわずかですが、コンセプト上では5000人程度が居住できる街を目指しています。

ウォルト・ディズニーのプログレス・シティ

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ウォルト・ディズニーは1962年から1966年の間、非常に意欲的なユートピア構想を抱いていました。それはディズニーランドのようなテーマパークにとどまらない、工業団地や空港の未来形まで含めた一大都市構想でした。彼の死後、そんな構想は実現されないまま、米フロリダ州にあるディズニーパークのひとつ「エプコット」にその断片的な要素が残されています。

[The Original 'Epcot' Project]

イギリス・ウェールズのポートメイリオン

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1967年にイギリスのドラマ『the Prisoner』のロケ地として使われたこの村は、クロー・ウィリアムエリス卿地中海に面した村をイメージして設計したものです。モデルビレッジとテーマパークの間のような感じで、観光地としても有名です。細かいところをみるとやはりキッチュな感じは否めませんが、有機的に配置された建物群は独特の雰囲気を醸していて、魅力的です。

[Wikipedia]

エベネザー・ハワードの田園都市

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ユートピア構想が日の目を見るのは難しいことですが、ハワードはそのアイデアを見事に具現化し、成功させました。イギリスのレッチワースやウェリンといった地域に、自然との共生を謳った田園都市を開発したのです。

[Wikipedia]

シャルル・フーリエの「ファランステール」

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フランスの思想家シャルル・フーリエは、1500人程度を収容できる大きな共同施設の構想を作りました。その中心部には比較的静かな食堂や会議室、図書館などがあり、横の方の棟にはにぎやかな作業場や子供向けの施設が配置されました。フーリエは、女性が従来のような煩雑な家事をしなければ、より解放されるだろうとも考えていました。

フーリエ自身には資金がなく、ファランステール構想を実現することはかないませんでした。でも彼のアイデアは米国で評価されるようになり、そんな人たちによるコミュニティが米国内で作られたこともありました。

[Wikipedia]

ルドゥの「オイケマ」

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この図面、ちょっと気になる形ですが、指摘するのもあれだし...と思いきや、意図的に男性器を模した形にしているんだそうです。これは、18世紀に活躍した建築家のクロード・ニコラ・ルドゥが計画したショー(Chaux)という理想都市に作られる予定だった、売春宿(「オイケマ」)の設計図なんです。

ちなみに、オイケマはあくまで理想都市の一部ですし、街全体が男性器とかそういったものベースで構想されていたわけではありません。ルドゥはショーの街を理想の工業都市として設計しており、その一部として実際に作られたアル=ケ=スナンの王立製塩所は世界遺産にも登録されています。

[Wikipedia]

以上、ユートピア9選でした。仕事も効率よくこなしつつ、いかに美しい環境で快適に暮らすか...って、簡単には答えの出ない、でもだからこそチャレンジしがいのあるテーマですね。

miho(米版