ジョブズ氏のゴーストを解き放て!「ジョブズならこうしてた」って会話はもうたくさんだ!

ジョブズ氏のゴーストを解き放て!「ジョブズならこうしてた」って会話はもうたくさんだ! 1

ジョブズ「もうほっといてよ!」

すでにこの世にいない人の話をするのは簡単です。あの人はこうだった。あぁ言っていた。きっとそう考えていたんだ。言いたい放題です。だって、本人はもう何も言えませんから。訂正もされない、苦情も来ない、まさに言ったもん勝ちなのです。そして最近言われ放題なのが、やはりこの人、スティーブ・ジョブズ氏。

「ジョブズならこうするな。」「ジョブズがいたらそんなことしないよ。」こんな会話が世界中でされまくってます。ジョブズ氏は素晴らしい製品を世に送り出し続けた人ですから、「ジョブズなら会話」がされるのもわかります。が、ちょっとジョブズジョブズ安易に言い過ぎじゃないでしょうか。「ジョブズなら」で簡単に会話を締め過ぎてやしませんかって。ジョブズなら...、では彼がそう言われる彼らしさとは一体なんなのか。

ジョブズ氏について絶対言えること、それは彼はいつも期待を裏切ってくるということ。もちろんいい意味で、ですよ。彼は大きなリスクをとり。我々の誰よりも先に市場を改革しました。iPod絶頂期にiPod Miniを辞めるという決断を下したこともありました。そんなこと他に誰がやるでしょうか? そう、ジョブズ氏はいつも我々を驚かせていたのです。素晴らしい商品、大きな決断、新しい市場。私たちの想像を、予想を、そして期待を裏切り次に進み続けたのが彼の姿です。

ジョブズというアイコンは、我々の驚きでできていたのです。そう考えると、「ジョブズなら」なんて言えませんよ。だって私たちの考えないことをやってのけたのが彼ですから。私たちが「ジョブズなら」なんて考えつくことは、彼はやらないってことです。

ジョブズ氏は、死後多くの発明や新商品の批評家となってしまいました。ソフトウェア、喋り方、製品、市場、デザイン、商品名、彼のゴーストがついて回って批評するものはきりがありません。が、それはジョブズ氏のゴーストではないのです。私たちの中にいる彼のゴーストが批評批判するのです。つまりは、ただ自分の意見をジョブズ氏の名前でくるんでいるだけ。本当に彼のゴーストがいたらきっと笑ってますよ。「そんなの知らんわ」って言ってますよ。

次「ジョブズなら」って言いそうになったら思い出してください。私が思いつくことなんて、彼はとっくにやてった/やってなかっただろうなって。他人が思いつくことをやらない、それがジョブズ氏だからです。だからこそ彼は、死後たくさんの人が「ジョブズなら」と言いたくなる偉大な人間になったのですから。

というわけで、そろそろ彼のゴーストを解き放ちましょうか。なんてね。

そうこ(MAT HONAN 米版