北朝鮮の軍備の威力は本当のところどれほどか? 日本では伝えられない最新の米国での分析を徹底レポート!

北朝鮮の軍備の威力は本当のところどれほどか? 日本では伝えられない最新の米国での分析を徹底レポート! 1

新指導体制の実力のほどが分かってきたぞ...

あくまでも人工衛星の打ち上げだったそうですが、要は長距離弾道ミサイルの試射に失敗したことが伝えられ、いつものごとく詳細は謎に包まれたままなので、各国が一連の今回の経緯を分析しつつ、北朝鮮の最新軍備の威力を見極めようと必死に動いているところではありますけど、米国内の専門家が発表した関連レポートから、いろいろと知られざる現実も浮き彫りになってきましたよ。

核兵器まで保有していると怖れられる北朝鮮の軍事力ではありますが、本当のところ、どこまでその脅威は増大してきているのでしょうか? まともにロケットすら打ち上げられないだなんて、大して恐れるに足らずなのかな? いやいや、勝手に北朝鮮の底力を舐め切っていると、いつか痛い目に遭うのかも? その疑問のすべてを、最新の米国側の現状分析から見つめてみることにいたしましょう!

 

きっと日本国内でも同じような状況だったとは思いますが、今月の北朝鮮による人工衛星ならびに長距離弾道ミサイルの発射実験失敗以前は、かなりその軍備の進歩発展を恐れる風潮が、米国内でも一部では非常に強かったみたいですね。

自由と民主主義の最たる敵国は、新たな未知の指導者をトップに据えて、ますます脅威を増してきている。いまや核兵器をも手中に収め、その核弾頭を搭載して、米国本土までをも標的に入れられるミサイルの試射へと突き進もうとしているのだ!

こちらは米共和党の一議員による警告ですが、往々にして米国内でも、クレイジーな北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が率いる新指導体制へと移行して、もうこれからは何をやってきてもおかしくないレベルの危険度に包まれており、しかも核兵器まで保有しているゆえに、米国にとって最大の脅威となる可能性を秘める恐ろしさだ...みたいな捉えられ方が一般的でもあったようですね。

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ところが、いざ今回の北朝鮮最新鋭の「Unha-3」こと銀河3号ロケットが、人工衛星「Bright Star」こと光明星を搭載して、新たな東倉里の宇宙センターの発射台から打ち上げられはしたものの、あえなく発射直後に空中分解して海に落下する大失敗に終わってしまったのを受けて、一気に北朝鮮の軍備の実力への評価も急降下! まぁ、とてもじゃないけど、北朝鮮が全力で米国本土を攻撃しようなんて目論もうとも成功するとは思えないねって、世論は北朝鮮のミサイル試射失敗に大いに安堵してもいるみたいですよ。

そもそも冷静に分析してみますと、北朝鮮が人工衛星を打ち上げると称してはミサイルの発射実験に挑んだものの、結局は何も軌道に乗ることはなかったという大失態を犯したのは、もう今回で4度目となります。1998年には発射したロケットが日本海へと落下し、2006年には打ち上げから42秒後に今回と同じような空中分解に終わっていましたよね。そして、2009年には「Kwangmyongsong-2」こと光明星2号なる人工衛星の打ち上げを行なったとのことでしたけど、実際には地球の周回軌道に何も打ち上がったりした形跡はないとの結果が伝えられていました。まぁ、この時は打ち上げに用いられたテポドン2号の改良型の長距離弾道ミサイルの発射には成功したという捉えられ方もあって、今回の打ち上げでは、さらなる精度を高めたミサイルの完成が怖れられていた節もあったんですけどね~

ただ、米国本土では、とにかく遠くまで飛ぶロケットを保有しているかどうかはさほど重要視されておらず、北朝鮮によって宇宙へと正確に人工衛星を打ち上げるほどの技術力の有無に常に注目してきた感もあります。核弾頭を載せた長距離弾道ミサイルで、ハワイにしろ、カリフォルニアにしろ、ピンポイントで狙いを定めた米国内の拠点へと攻撃を仕かける上で、もし人工衛星を的確に制御できるほどのハイレベルなテクノロジーを有していることが実証されれば、一気に北朝鮮の脅威は高まってしまいますからね。

また、今回の打ち上げ失敗によって、とてもじゃないけど現在の技術レベルでは北朝鮮が米国本土をミサイル攻撃することなど不可能と逆に明らかに示してしまっただけでなく、もっと根本的な問題すらさらけ出してしまったのでは? そんな踏み込んだ観察まで発表されていますよ。

北朝鮮が本気で長距離弾道ミサイルの開発プログラムを進めたいと考えているのならば、過去の失敗を糧にして、そこから着実に学び取り、問題となった欠陥を修復しながら、技術精度を高めていく過程をたどらねばならない。しかしながら、実際のところは、その代わりに次々と異なる分野で失敗を重ねてしまっており、まったく進歩を遂げていないばかりか、むしろ後退しているに過ぎないという印象すら与えてしまっている。まるで過去に失敗してしまった真の原因を理解することすらできておらず、とにかく別の新しい物を作っては再び失敗するという繰り返しの連続である。

これは米空軍で司令官を務めたある人物が、今回の北朝鮮による発射実験失敗を受けて出したコメントなのですが、かなり的を射た分析なのではないかと思われますよね。これまで世界を怯えさせるド派手なミサイル発射実験を続けたわりには、たとえその時の打ち上げが失敗したにしても、その失敗を冷静に分析しては失敗から学び取り、次こそは改良モデルで前回の敗因を乗り越えて成功に漕ぎ着けるみたいな進歩の過程が、もしかするとまったく見られていないのかもしれませんよ。あのダイソンを現在のサクセスストーリーへと導いたジェームズ・ダイソンだって、重ねた失敗の数は半端じゃなかったですけど、常に失敗から学んでは成功へと近づいていく姿勢が光っていました。いまの北朝鮮に、そういう姿が本当に見られるのかな...という疑問が呈されてもいるというわけですよね。

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とはいえ、これはもう今回の打ち上げ失敗によって、北朝鮮の軍事力など、まったく恐れるに足らない非力なレベルと判明してしまったという意味なのでしょうか? かなり優秀な技術者が多数活躍しているだなんて夢幻のような話で、所詮は数世代遅れのものしか北朝鮮では見つからないという現状レベルこそが国の実態だとバレてしまったんでしょうか? どうやら真実は、そんなに単純なものでもないみたいですよ。

ちなみに人工衛星の打ち上げなどに使用するロケットや弾道ミサイルの失敗は非常によくあることでして、当の米国でさえも、冷戦下に数知れず開発ミサイルの発射失敗を重ねてきた歴史があります。ロケットの打ち上げとは決して簡単なものではなく、それゆえに発射テストを何度となく繰り返しては精度を高めることが必要なんですよね。

そこで浮かび上がってくる疑問は、もしも北朝鮮が、これまで米国やロシア、中国などが繰り返し打ち上げのテストを実施してきたのと同じほど頻繁に試射を重ね、大陸間弾道ミサイルの開発を進めることができたとしたらどうだろう? もっともっと完成度の高い長距離弾道ミサイルが出来上がってしまうことだってあり得るのでは?

なぜ北朝鮮は、もっと頻繁に、開発を進める長距離弾道ミサイルの発射テストを重ね、より精度の高いロケットを完成させることができないのであろうか? 実は北朝鮮としてもそのようにしたいのだが、多大の国際的圧力にさらされており、その圧力が一定の功を奏してきたのも事実なのである。なんとか意を決して打ち上げのテストに踏み切ったとしても、厳しい国際的な制裁が待ち受けている。

そう語るのは、モントレー国際大学院(Monterey Institute of International Studies)にて東アジア情勢の分析を進めるジェフェリー・ルイス教授なのですが、なかなか成果を上げないかのように評されることもある国連安全保障理事会による追加制裁などが、確かに北朝鮮のミサイル開発を遅らせる上でインパクトを与えてきたのも事実なのかもしれませんよね。その制限があるがゆえに、なんとしても北朝鮮としては成功させたい脅威的な長距離弾道ミサイルの開発が失敗の連鎖を繰り返してきたのかもしれません...

ただし、北朝鮮からすれば、国際社会に対して十分に軍事的脅威を訴えて優位に立とうという魂胆なのかもしれませんが、やや冷やかにそれを見守る米軍関係者の姿があることも否定できないみたいですよ。だって、いくら今回の打ち上げが成功して、たとえ本当に人工衛星を軌道に乗せるまで行ったとしても、発射台に設置してから燃料を注入し、実際に打ち上げにまで至るのに要する日数を考えてみると、発射前に米空軍が探知して攻撃、破壊へと至らせるのには十分過ぎる時間的な余裕があることも判明しちゃっていますからね。

アジアの周辺諸国にとっては、北朝鮮の暴走は迷惑な話でしかありませんけど、まだまだ米国本土へ直接的な脅威を及ぼすほどのレベルではまったくない...そういう見方が現実的なところなのかもしれませんよね。

Spencer Ackerman(米版/湯木進悟)