アプリ開発者に聞いた! 同じアプリなのに、AndroidよりiOSのアプリの方がデザインが良いのは何故なのか?

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解説してもらおう!

アプリデザインはアプリデザインでしょ。iOSでもAndroidでも同じアプリなら同じアプリでしょ。が、実はグッドデザインでエレガントなアプリを作るなら、iOSで作った方が良いというのです。都市伝説でしょ? いえいえ、これはiOSもAndroidもどちらもこなすとあるアプリ開発者達の言葉です。iOSの方がアプリを綺麗に作りやすい、これ絶対。なんで

HipmunkというアプリのUIとUXを手がけるデザイナー兼iOS開発者のダニロ・カンポス(Danilo Campos)氏は、「答えは実にジンプルで簡単。Androidアプリよりも、iOSアプリの方が美しく作るのがより簡単にできるからだ。」と話します。

デザイン、それはAppleのDNAの一部です。一方でGoogleのDNAと言えば、検索。となれば、どちらのプラットフォームの方がよりUIとデザインが美しいものを作りやすいか、この答えは明らかですね。

  

例1)Hipmunkアプリ。左がiOS、右がAndroid。

iOSのポップオバーが角丸なのにたいして、Androidはただの角。角丸はAndroidではなかなか大変。

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まず、最初に考えなくてはいけない物の数に差があります。例えばiOSならば、開発者が考慮しなくてはならない画質やハードのスペックには、数に限りがあります。が、Androidだとどうでしょう。考慮しなくてはならない端末のパターンは無数にあるのです。

「Android端末はその形もサイズも、スクリーンの画質も様々だからね。端末のスピードも違う。こういった違いは開発者にとって大きなハードルになる。」そう語るのは、「Karma」アプリの共同創設者リー・リンデン(Lee Linden)氏。「画質も違うプロセッサーも違う端末を20台くらいテストしなければいけないからね。そりゃ、開発スピードも遅くなるよ。」

カンポス氏は、例えばちょっとしたアクセントのためにいれた1ピクセルのラインを例に挙げています。高画質のAndroid端末なら美しい見栄えになるこのラインも、古い端末で見てみるとどうしようもないことになっている、と。このような場合を考えると、アプリ開発者はそもそものデザインエレメント自体を考え直すしかありません。

他にも、例えば画像の問題があります。Hipmunkでは、Android用に画質違いの画像を3つ用意しています。1xは古めの端末、2xは高画質の端末、微妙な1.5xはそれ以外の端末。この3つは、画質の乱れを避けるために必要なパーツなのです。が、中にはこの面倒なステップはすっ飛ばして無視する開発者もいるでしょう。そうすると画像がつぶれていたりジグザグしていたりと、見た目に美しくないアプリになってしまうのです。

さらに、モバイル開発はその需要と共に光の速さで進んでいるにも関わらず、多くのアプリ製作チームは大抵の場合、少人数で予算もあまりないときています。小さなデザインエレメントで試行錯誤して時間をかけていては、他のところに割く時間は少なくなっていくばかり。結果、Androiアプリ開発者は細かいところには目をつぶることになってしまうわけです。

また、開発ツールや資料もAndroidの方が少ない。Appleには20年もの開発者サポート経験があり、SDKの配布があり、人が直に接して作ったガイドラインがあるにも関わらず、GoogleはAndroidでその全てを0から始めなくてはいけませんでした。

つまり、iOS開発者にはより多くのユニークで面白いデザインを作り出すツールがそろっているわけです。カンポス氏も、「iOSは公式のものも、サードパーティーのものも、より多くの例と資料がある。だからいろんなことがスムーズにいくんだな。」と語ります。これは、Androidにはない部分。

 

例2)Truliaアプリ。左がiOS、右がAndroid。

iOSでは、詳細/写真/地図をタブで切り替えて表示するメニューがある。Androidにはこの機能はない。

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「Androidの悩みの種は、きちんとした記録があまりないことなんだな。」と語るカンポス氏。「うちのAndroid開発者のライアンは、いつもXMLのフォーマットでクリアじゃないところがあるとソースコードの奥の奥まで覗いてみてる。これはなかなか頭が痛い作業だろうね。」

また、iOSで細かいデザインができる理由の1つに、たくさんのAPIとライブラリーの存在があります。Truliaアプリのモバイルプロダクトマネージャーであるスティーヴン・ヤーガー(Steven Yarger)氏は、「Androidだと、トランシジョンや角丸なんかのデザインはとにかく面倒なんだ。」と話します。

リンデン氏は、「確かにiOSはトランシジョンを作り易い。UIのエレメントがフェードアウトしたり、スライドしたり、こういうのはユーザーにとって使いやすいし馴染み易い。さらにどのiOS端末でも見栄えがいい。Androidだとフレームワークが違う。そもそもどの端末でも使える馴染みの動きというものがないのが問題だ」と語ります。

開発者にとって壁となるこれらの問題は、Googleだってもちろんわかっています。Android 4.0(Ice Cream Sandwich)では、この部分の改善に取り組んでいます。Google+でAndroid開発者のためのページがあったり、Androidトレーニング教室ができたりしています。新たにデザインガイドラインも発表になりました。これによってプラットフォームでの共通デザインが作り易くなります。が、やはり考慮すべき端末の数の多さの問題はついて回ります。現在、Ice Cream Sandwichを完璧に起動できるAndroid端末はまだ3台ほど。

 

例3)Karmaアプリ。左がiOS、右がAndroid。

両方ともほぼ同じような見た目。が、この見た目にするにはかなりの時間が費やされた。

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以上のことを踏まえた上で、誰もがみんなiOSの方が良いことばかりと思っているわけではありません。iOSではより美しく詳細なデザインをより簡単に開発することができます。しかし、一方でAndroidにはできることの幅により自由があります。

ヤーガー氏はこう語ります。「Androidでは、自分がやりたいと思ったことはなんでもできる。Appleとでは、それはできない。制限が多くなる。より制限がつくのと引き換えに、見た目のいいアプリを作るツールを提供してもらっているってことだよ。」

さて、彼のまとめはこうです。「見た目がいいアプリを作りたいなら、iOSの方が作り易い。Appleはそのためのエコシステムを作っているからね。」

 

[Wired]

Photo: Ariel Zambelich/Wired

そうこ(Christina Bonnington - Wired 米版