DNAのメモリ化... DNAを書き換える研究が進む

2012.05.29 11:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

20120528dna.jpg


人の探究心、そしてそれによる科学はとどまるところを知らない。

DNAは私たちを作る根本的なもの。持って生まれた決められた情報。これは、言ってしまえば書き換えできない読み取り専用ファイルのようなものです。しかし、この読み取り専用ファイルに書き込みができるようになるかもしれないというから、人間の在り方が根本的に変わりそうです。

スタンフォード大学の研究チームが、DNAの書き込みに成功。と言っても今回が初ではありません。以前にもタンパク質を使用してDNAに似た様な実験を行ったことがありました。が、今回はDNAに直接働きかけ、融合可能なデジタル細胞を作ることができるという、実に画期的で効率的な方法での初の成功例です。

研究では、細菌感染したウイルスから複合した遺伝子成分を大腸菌のDNAに注入。注入されたもの中にあるのは、DNAを切り貼りするための酵素を作り出すシステム。これは、まるでパソコンで「カット」「ペースト」するように、DNAを書き換えることできるシステムなのです。実験では、少なくとも16回ほどカットペーストの動作に成功しています。

今まで、3年間かけ750通りものデザインを経て、やっとこの段階までやってきました。研究チームのリーダーであるドリュー・エンディー(Drew Endy)氏は、「ここまでくるのに750パターン。これは6ラインのコードを書くのにデバッグを750回やるのと同じこと。」と成果にまだまだ満足していない様子を見せていますが、これは人類にとって大きな成果でしょう。

ワシントン大学のエリック・クラヴィンス(Eric Klavins)氏は、この実験に大きく注目し、「ドリューのチームが行っていることは、メモリを何度も何度も循環させていくことができるの。ハードドライブに書き込んで、読み込んで、またそれを書き換えるというような実に画期的な試み。」と語っています。

この研究の真の目的は、デジタル生物ストレージの作成にあるので、ゴールはまだ先。実験は続いていきます。

ロボットは人間に近づいて行き、人間はより機械的なものを求める。無いものねだりとはこのことですね。


[PNAS via Nature]

そうこ(JAMIE CONDLIFFE 米版
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4062574721


remote-buy-jp2._V45733929.jpg

・関連メディア