世界最深淵の孤独(動画)

世界最深淵の孤独(動画) 1

標高8848mのエベレスト山頂より孤独な場所があるとしたら、それは水深約1万1000mのマリアナ海溝最深部チャレンジャー海淵(Challenger Deep)でしょう。

ここに3月に世界で初めて単身挑んだジェームズ・キャメロン監督。この足掛け7年に渡る挑戦の軌跡を追う30分番組「ジェームズ・キャメロン:世界一深い海へ」が日本のナショナル ジオグラフィック チャンネルにて27日13時から放送されます。

 

世界初公開の世界最深部の写真・映像には、3D HDカメラと長さ8フィート(2.4m)のLEDランプで監督が捉えた月面さながらの世界が広がっています。月と違って生き物はいたようで、監督はこう語っていますよ。

「生き物はあのすさまじい水圧と闇に順応してる。白くて、色らしいものは何もない。目で生物発光を感知する生物、目のない生物。まるでエイリアンな世界さ」

潜水艇「ディープシー・チャレンジャー(Deepsea Challenger)」(重量12トン)でリークが発生したため、探査は予定より早く切り上げてしまいましたが、この潜水艇も実にエイリアンな風貌で、探査チームによればTrieste、Alvinといった従来のバチスカーフ・潜水艦より機動力があるんだそうですよ?

巨大クラーケンはいなかった...

米海軍Alvinはメカジキに襲われましたけど、ディープシー・チャレンジャーはそういう海の生物との遭遇もなく、カメロン監督1989年の映画『アビス(The Abyss)』のような未知の生物との遭遇もなし。

上述の生物発光の生物や白い生き物が見れたのは潜っていく途中だけで、底の底には生き物の足跡はなんにもありませんでした。せいぜい長さ1インチにも満たないアンフィポッドがいたぐらいで...。

まあでも、今回は最深部到達が目的であって、巨大クラーケン探すために潜ったわけじゃないのでチームも落胆はしてない様子。監督もこれから何度もDeepsea Challengerで潜っていくうちに新しい発見が沢山あるよ、と言ってます。

それより何より映像で一番心を打ったのは、世界最深部に至ったときの心境を語る監督のこの言葉。

「まるで月面さ。殺風景で、あらゆる外界のものと遠く隔たっている、完膚なきまでの孤独。文字通り宇宙を旅して別の惑星に行ってきたような感覚だった」(1:14-)

 

小さな鉄のマシンに囚われて前人未踏の世界の淵にひとり立つ心境とは、そういうものか...。段階的に圧力に体を慣らしてゆくNY地下213mのダイバーを少し思い出してしまいましたが、監督の場合、沈んでいくにつれ水圧に押しつぶされて潜水艦が3インチ(7.6cm)もひしゃげたそうですから、その孤独たるや...想像に余りある...!

だけど宇宙と同じぐらい、行ってみたい場所ですね。

JESUS DIAZ(原文/satomi)