一歩間違えばジェームズ・キャメロンはこうなっていた~世界最深単独潜行死のシナリオ5

一歩間違えばジェームズ・キャメロンはこうなっていた~世界最深単独潜行死のシナリオ5 1

アビス、タイタニック、アバターで儲けたお金を注ぎ込んだら誰でも行けるさ...と思ってる人はこれを読んで襟を正すべし。

3月に世界で最も深い海の底、マリアナ海溝最深部に初の単独到達を果たしたジェームズ・キャメロン監督。確かに金持ちの有名人だけど、それだけで行けるならもう誰か行ってますよね!

あれは決死の覚悟と周到な準備、運がないと挑めない、世にも怖ろしい淵なのです。何かひとつでもうまくいかなかったらもうそれだけで死がガッパリ口を開けて待っている、まさに奈落の底。死のシナリオは何通りでも考えられたと、監督自身も認めています。

以下がそのシナリオです。もう読むだけで息苦しい。やっぱ頭のネジが5、6本飛んでないと行けないよ...うん...。

マリアナ海溝Mariana Trench)】北西太平洋マリアナ諸島の東にある世界で最も深い海溝。全長1580マイル(2543km)、幅は平均43マイル(69km)。一番深いところは「チャレンジャー海淵(Challenger Deep)」と呼ばれ水深なんと6.78マイル(10911m)もある。

 

シナリオ1. 内破 - Implosion

誰でも思いつく最悪×瞬死のシナリオ。例えば潜水艇「ディープシーチャレンジャー」(全長7m、約12トン)の機材や設計に弱点・欠陥があって水圧に耐え切れずに留め金が弾ける。溺死ならまだしも、ジェームズ・キャメロン監督の体は最大15,750 psiの水圧に押しつぶされて液状化。

シナリオ2. 凍結 - Freezing

ディープシーチャレンジャーがなんらかの理由で海溝の底から抜け出せなくなる、というシナリオ。持ち物を見ると、60時間分の酸素はあるが、暖房用の燃料はずっと少ない。マリアナ海溝の水温は0°Cで安定してるので、酸素が尽きる遥か前に低体温症で死んでしまうことも考えられた。

シナリオ3. 炎上 - Fire

潜水艇はハイテク機材満載。全部電気で動く。艦内にはピュアなO2も流れているので、電気系統がちょっとでもやられたり火花が散ると、O2でたちまち火の手が広まり、備え付けの小さな消化器では鎮火不能に。

シナリオ4. 溶解 - Melting

マリアナ海溝は寒いが、その周辺は熱水噴出孔が取り囲んでいる。なんの前触れもなく地熱で煮えたぎった熱湯が突如噴き出す恐怖の割れ目である。これが熱いのなんの、700°Cもある。こんなのに触れたら潜水艇ののぞき窓もドロドロ。15,750 psi の水圧で中に水が雪崩れ込み、ゲームオーバー

シナリオ5. 絡まれる - Entanglement

海底には海底通信用ケーブルが沢山転がっている。世界の電話通信システムを繋ぐためにあるものだが、潜水艦はこれに絡まれると最後。水面に二度と帰れなくなってしまう。

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これを覚悟で潜って帰ってくるなんて、キャメロン監督というやつは...! 

遅ればせながらご成功おめでとうございます。お陰で世界最深の異界の映像をこうしてみんな見ることができます。神のご加護に感謝。

―足掛け7年に渡る挑戦の軌跡を追う30分番組「ジェームズ・キャメロン:世界一深い海へ」は日本のナショナル ジオグラフィック チャンネルにて27日13時から放送予定

Image by Mark Thiessen/AP

JAMIE CONDLIFFE(原文/satomi)