テクノロジー業界で最も大きなチャンスを逃した12の企業/サービス

テクノロジー業界で最も大きなチャンスを逃した12の企業/サービス 1

テクノロジーの世界ってホントに難しいですよね。

これは必ずしも彼らの話ではありませんが、世の中には一時的に成功する会社や製品もあれば、「失敗」という称号を得られるだけの期待すらされない会社や製品もあるんです。

今日はそんな中、一度は巨大なマーケットを獲得したり新しい何かを生み出したり、「特別な何か」を持っていながら燃え尽きてしまった僕らの仲間を紹介したいと思います。

彼らはなんでしょうね? 傲慢だったり、ビジネス規模の変化が早すぎたり、単純に自分たちが特別な存在だということを見抜けなかっただけなのかもしれません。各社さまざまな要因で前に進めなくなってしまい、自分のものにできたかもしれないマーケットを他に譲ることとなってしまいました。

ここで紹介する彼らは、一度は覇権争いをしていたか、それだけの能力を持っていたサービスばかりです。

 

AOL

 

もしかして:ずっと便利なサービスでいられたかも

地球のどこかに、壊れたプラスチック製のAOL CD-ROMで埋め尽くされた巨大な埋立地があります。今日もキシキシと音を立てながら、すすり泣く声が聞こえますよ。

AOLは、かつてISPビジネスを行っていました。彼らはコンピュサーブ(CompuServe)をつぶし、天才たちを台無しにしながら(その天才たちのこと覚えてます?)、多くの人々にインターネットやチャットルームをもたらしました。当時、メグ・ライアンは、AOLが舞台となったロマンティック・コメディまで演じてましたよね。

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彼らの場合、失敗の要因はビジネス規模よりもその販売方法にあったといえるでしょう。ネットへの接続時間に応じた従量課金が当たり前だったころ、彼らは月額固定料金で無限にアクセスできるインターネットを大々的に宣伝。そして、地球から月まで橋をかけたら数往復できるほど大量の無料デモCD-ROMを配布しまくったのです。

そんな状況でも、彼らは過去の成功によってきちんと守られているように見えました。しかし1997年、AOLのアクセスポイントは、ダイヤルアップ接続の60.3%が混雑によって接続失敗になると報じられたのです。この「AOL混雑信号(AOL busy signal)」は深夜のお笑いのネタにもなるほどでした。

さらに残念なことに、世界がダイヤルアップからブロードバンドへ移行したとき、AOLは自分たちのサービスをアップグレードさせることに全く無関心でした。ほどなくして、スピードに貪欲なユーザーたちは14.4kbpsよりも速いスピードでAOLから逃げていきます。

みなさんがどう捉えるかによりますが、いまやAOLのメールアドレスは「イカれたヤツの印」、あるいは「古参ユーザーに贈る究極の栄誉」になっているようです。

 

Friendster(フレンドスター)

 

もしかして:ソーシャルネットワークの成層圏まで達したかも

フィリピンではいまだに謎の人気を誇るフレンドスターですが、創業者たちは「ザッカーバーグ」とか「億万長者」という単語を聞くたび、毎度むせび泣いているに違いありません。

2002年を振り返ってみましょう。試作版フェイスブックのようなこのサービスは、友だちとのつながり機能、メッセージ、書き込み可能なウォール(彼らは「推薦文」と呼んでいましたが...)、そして過去に登場したソーシャルネットワークサービスの機能をだいたい兼ね備えていました。

しかし、フレンドスターは爆発的に人気が急上昇したため、サイトへのトラフィックをさばききれなくなってしまったのです。そのストレスといったら、あまりにページの表示が遅すぎてラップトップを投げたくなるくらいです(映画「ソーシャルネットワーク」でも同じようなシーンがありましたね)。ほとんどのユーザーは、フレンドスターに飛びつくのと同じくらいの速さで去っていきましたとさ。

 

ブロックバスター(米レンタルビデオ店)

 

もしかして:時代とともに変わったかも

もしあなたがアメリカに住んでいて、家で映画でも見たいと思ったら(そして近所に良い感じのビデオ屋がなかったら)、ブロックバスター(Blockbuster)に行ったかもしれません。でもブロックバスターがどんな店だったか知ってます?

それは...

誰 に も 愛 さ れ て な い 。 絶 対 に 。

この会社からビデオを借りようものなら、もれなく不満しか残りません。くだらないラインナップ、少なすぎる在庫、長蛇の列、マザーファッkあふfじゃwぺ4うqp3;@...あとクソみたいな遅延金。

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ブロックバスターにとっては驚きの事実かもしれませんが、あの素晴らしき企業伝統において、彼らは自分たちがどれだけ顧客に嫌われているか全く理解していないようでした。米動画ストリーミングサービスのネットフリックス(Netflix)がじりじりと攻勢をかけている間も、「顧客はブロックバスターやそのビジネスモデルを愛しているはずだ」と自らを騙そうとしていたんですね。

それが手遅れだと分かったとき、この会社はネットフリックスのビジネスモデルをパクるという半笑いの施策に出たのですが、当然誰もついてきませんでした。ブロックバスターは、顧客に対してもっと謙遜な姿勢で全力で働く意思を見せるべきときに、まるでネットフリックスなどこの世に存在していないかのような傲慢な態度に出ていたのです。

ブロックバスターにとって、ネットフリックスは小さな蚊みたいなものだったのでしょうね。自分たちが破綻するまで。あ、でも、ひとつ朗報がありますよ。ディッシュ・ネットワーク社が昨年、3.2億ドルでブロックバスターを買収したそうです。おめでとう!

 

モトローラ(Motorola)

 

もしかして:レーザー(RAZR)の後も成功できたかも

モトローラのレーザーが史上最強のガジェットとうたわれていた時のこと、覚えてますか? この製品の素晴らしさは、ユーザー・インターフェースでもなければ(あれは最悪だった)、機能でもなければ(機能だとー!)、最近みなさんが気にかけるような要素でもありませんでした。

特長はただ一つ。超薄い。

これが数年にも渡る超薄型ケータイ戦争を引き起こし、各社ともやっきになって薄さの限界に挑戦していったわけです。レーザーが最初に発売された2004年から2006年夏まで、モトローラは実に5,000万台以上の超薄型端末を販売しました。

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しかし、成長しないまま年老いていくロックスターが、アリーナからショッピングモールへとコンサート会場を移していくように、モトローラは次なる主力商品を出せなかったのです。というよりも、出そうとしなかった、と言ったほうが近いかもしれません。ユーザーインターフェースの重要性を認識して革新を行うこともなく、この会社は全く同じ電話にちょっとだけ変更を加えてリリースし続けることを選びました。そして、分かりやすく収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則にハマり、顧客はどんどん減ってしまったのです。

アップルがiPhoneをリリースしても、モトローラはまだレーザーとかクルーザー(KRZR:これ覚えてる人いる?)とか、レーザー2(RAZR2)といった機種に固執していました。いや、もうそこを掘っても何もないんですけどね...。モトローラはモバイルの世界が日々進化しているという事実を完全に見失い、一方、市場はハードウェアと同じくらいソフトウエアのデザインを重視するようになっていきました。モトキュー(MotoQ)はよかったのですが、ウィンドウズ・モバイル 5.0という微妙なOSを搭載していたため、すぐに売れなくなってしまいましたね。

モトローラはアンドロイドに対する襲撃を成功させたものの、その企業価値を守ることはできませんでした。客観的に見ても、ユーザーに評価される製品を生んだのは8年前が最後だったのではないでしょうか。カーボン材質のドロイド・レーザー(Droid RAZR)が発表されたとき、モトローラはしっかりグーグルに取り込まれ、不思議な方向に歩み始めましたとさ。

 

マイスペース(MySpace)

 

もしかして:フェイスブックが攻めてきたとき、ボーッとしていなければ...

フレンドスターは遅かったようですが、マイスペースは早すぎたようです。ソーシャルメディア初期(つまり2003年)、戦国時代の前半戦において、マイスペースのキラーアプリは確実に機能していました。マイスペースは素晴らしいアーティストたちを輩出し、単なるナルシストとは一線を画したアート様式を作り出し、Tomという人物のプロフィールも大量に生み出しました。

しかしこのサイトは、致命的なミスをおかしたのです。それは、カオスのような阿鼻叫喚のショーケース。なるほど、たしかにこのサービスは多くの若者の心を掴み、No.1にのし上がったかもしれません。でも、絶叫したくなるような曲の自動再生や、てんかんでも起こしそうなアニメーションGif背景に何度出くわしたことか。とても彼らのご近所さんとして付き合っていく自信がありません...。

さらに恐ろしいことに、ニューズ・コーポレーション社(2005年当時、一体誰がマイスペースに5.8億ドルも出資したのか?)はマイスペースを育てるでもなく、そのユーザー・エクスペリエンスをブラッシュアップするでもなく放置していたのです。その間にフェイスブックは機能追加を行い、最後はマイスペースを抜き去っていきました。

 

マイクロソフト(Microsoft)

 

もしかして:タブレット市場を自分のモノにできたかも

時は2001年、おそらくiPadがスティーヴ・ジョブスから生まれる前。マイクロソフトは現代のタブレットPCを開発する構想を持っていたにも関わらず、誰もそんなものは求めないと思い込んでしまいました

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なるほど、もしかしたら少し早すぎたかもしれません。タブレットメーカーにスタイラスから移行させるほど安くて性能のいいディスプレイが使えるようになるには、まだ数年かかる雰囲気でしたし、成熟したウィンドウズOS以外の何かで実用的に稼働できる適切なモバイルOSもまだ数年かかる感じでした。でも、マイクロソフトはそれでも10年近くも早く有利なスタートを切っていたので、その領域について研究するだけの時間はあったのです。彼らの構想は、市場でも主流となるような使いやすい製品に発展させることができたでしょう。タブレット対応OSのWindows 8もこれから苦戦を強いられると思われます。

 

AT&T(米通信事業)

 

もしかして:iPhoneをきちんとサポートできたかも

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AT&Tはアメリカで何年もの間、史上最高のガジェットを独占していました。でも彼らがやったことは何でしたっけ? 主要都市における音声・データ通信ネットワークを適切にスケールアップできず、その技術はAT&Tのブランド名が持つ意味を完全に変えてしまいました。AT&TネットワークにおけるiPhoneの「想定外」の増加は、AT&T以外の人間にとってはまったくの「想定内」。にもかかわらず、その対応にはやたら時間がかかり、広報活動も見るに絶えない痛々しさでした...。

 

ソニー

 

もしかして:ポータブル音楽業界を支配できたかも

ああ、80年代。ソニーがウォークマン、そしてポータブル音楽というカテゴリーを発明した時代。この企業はディスクマン(世界初のポータブルCDプレイヤー)で再び旋風を巻き起こし、デジタル音楽プレイヤーでハットトリックを決めるチャンスすら持っていました。しかし、独自のファイル形式に対する信仰の深さが災いして、MP3対応のデジタル音楽プレイヤーを何年もリリースせずにいたのです。初期のデジタル音楽プレイヤーは、動きの遅いアプリをユーザーに無理矢理使わせて独自フォーマットに変換させていました。ていうか、合法的に入手した音楽ファイルをわざわざ一つずつ変換する時間があるなら、もっと楽な方法がありますよね。

ナップスター。そしてほかのポータブル音楽プレイヤーを使うこと。

この失敗が歴史的にどのくらい重要だったのか? ...うーん、そうですねえ。もしiPodの爆発的な成功(ソニーを含め、それまでどの会社もきちんとしたMP3プレイヤーを出さなかったことを考えると、これはある意味で垣根を超えた成功とも言える)がなければ、私たちが知る現在のアップルの姿もなかったでしょうね。

 

パーム(Palm)

 

もしかして:ネットブックを生み出せたかも

今日の話題はWeb OSではありませんよ。もっと最近、出血多量の深手を負ったあの件です。

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Palm OS Foleoのことは覚えてますか? これは、ネットブックというものが存在する前のネットブックです。2007年、この製品はスマートフォンとラップトップの間に位置づけられる存在として発表されました。低電源で、どこにでも持ち運べるサイズとバッテリー寿命、しかもわりと低価格。

しかし、周囲の反応は好意的な言葉で表現しても「困惑」といった感じでした。それを見て完全にうろたえてしまったPalmは、この製品を市場に出す前にプロジェクトを中止してしまったんです。あぁ、なんてもったいないことを...。

数ヶ月後。ASUSのEee PCのようなネットブックが、まさにFoleoのやろうとしていたスタイルで市場に切り込んできたのはご存知のとおり。そして今や、ネットブックは巷にあふれかえっています。ネット上でも言われているように「もしリリースされていたら、Foleoはネットブックというカテゴリーを切り拓いた最初の製品になったはず」。実在しない製品として殿堂入りする代わりにね。

 

Yahoo!

もしかして:いろいろと違った道のりを歩めたかも

Yahoo!には、フェイスブックを買収できる可能性がありました(多分)。現在の価値をはるかに上回る金額でマイクロソフトに買収される可能性がありました。Flickrやdel.icio.us(デリシャス)といった一流サービスを獲得して、何かをなし得る可能性がありました。コンピューターサイエンスの学位があると学歴詐称するようなCEOを雇わなくてすんだ可能性がありました。むう...。 [Image: Michael Macor / The Chronicle]

 

Digg

 

もしかして:重要だったかも

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2008年、ニュース業界で働いていたころ、Diggのトップページに記事が出ることほど嬉しいことはありませんでした。しばらくの間、メディア組織にとっては、ソーシャルニュースサイトに取り上げられやすいような内容を報道するのが公知の秘密でした。しかし、たった一度のデザインリニューアル失敗が災いし、全盛期のマイスペースがあっという間にフェイスブックに追い抜かれるがごとく、DiggはRedditに王座を明け渡すことになったのです。さらに2010年、Digg 4は現在のWeb史上において最もダメなデザインリニューアルをしてしまいました。サイトは不安定になり、見づらく、面白くなくなってしまいました。特徴もなくなり、そしてユーザーもいなくなってしまいましたとさ。

 

RIM/ブラックベリー

 

もしかして:スマートフォンの世界を手中におさめられたかも

ですよね?

 

Seth Porges(Rumi/原文