なぜ薄毛のヒトは絶滅しないのか?

なぜ薄毛のヒトは絶滅しないのか? 1

実は隠れたメリットがある?

髪の毛の減少。多くの男性にとって、不安だったり、今まさに悩み中だったりする問題だと思います。でも頭髪を気にする人は、逆にすごく恵まれているのかもしれません。というのは、髪の薄い男性は、本来なら絶滅している可能性もあるのに、今も元気に生きている...とも考えられるからです。

New Scientistの最新号では、頭髪問題に対して新しい切り口から疑問を投げかけてみています。なぜヒトという種の男性において、薄毛がいまだにこれほどはびこっているのかと。記事によればこうです。

 

我々の頭髪は、日中の太陽から我々を守ったり、寒いときには体温を維持したり、交配相手をおびき寄せたりすることに役立っています。であれば、頭髪の薄い男性は不利な状況にあり、自然淘汰または性淘汰によって今頃駆逐されていてもおかしくありません。なのになぜ私のような頭髪の薄い男性は、または我々のような遺伝子は、絶滅しないのでしょうか?

この疑問に対し、「頭髪を薄くする要素は、母親側の遺伝子で受け継がれるから」とかつては言われていました。母親は薄毛に悩んだり、それに付随する悪影響を受けることもないので、頭髪が薄くなる遺伝子があってもそれが自然淘汰されることはない、という考え方です。でもよく考えると、そのロジックは否定できます。母親が子供を産むとしたら、それはほぼ同じ確率で男子か女子になります。そうして生まれた男子が後に子供を作る可能性が低いのであれば、薄毛遺伝子は淘汰されていくはずです。そんなわけで、科学的にはこの母親ベースの説は間違いであることがわかっています。

最近はこの母親ベース説に代わる新たな仮説がいろいろ生まれていて、そのほとんどは「頭髪が薄いと、進化において有利になる」という方向で議論しようとしています。たとえば一部の研究では、薄い頭髪は権勢や地位を表すと示唆していたり、成熟して知的で、面倒見が良さように見えるとする説もあります。

または、生理学的な説明が成り立つ可能性も(あくまで可能性ですが)あります。ある最近の研究では、頭髪がないことによって太陽光線が男性の頭骨により深く浸透して、前立腺がんにかかる確率が低くなると主張しています。面白い説ですが、これもまだ証明されてはいません。

結局正直なところ、なぜ頭髪の薄い男性が存在できているのか、まだ誰にもわかっていません。でもそれがわからなくても、ネガティブに捉えがちな薄毛という身体的特徴について「ほんとなら絶滅してるかもしれないのに、今も健在!」と思うことができれば、ちょっとポジティブに...なれます...か?

Thinkstock/Getty Images

[New Scientist]

Jamie Condliffe[(原文/miho)