10年前、ノキアが一足先にスマホ戦争に負けた理由

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1990年代後半、ノキアがモバイル市場の未来を予測していたことはご存知ですか?

当時、ノキアは数百万ドルを調査に費やし、今日のiPhoneやAndroidに限りなく近いタッチスクリーン端末まで試作していました。にもかかわらず、なぜスマートフォン市場から脱落してしまったのか? ウォール・ストリート・ジャーナルは、ノキアの呪われた10年が戦略策定プロセスに起因するとしています。

アップルがiPhoneを発表する7年以上前、ノキアは複数の操作ボタンを持つカラー・タッチスクリーン端末を提示していました。レストランの位置情報が見れたり、レーシングゲームがで遊べたり、買い物ができたりする端末です。

そして1990年代後半、ノキアはほかにも魅力的な製品を密かに開発していました。それは現在人気の高いアップルのiPadと同様、ワイヤレス接続できるタッチスクリーンのタブレットコンピュータでした。

ところが哀しいかな、密かに開発したプロトタイプと消費者向けに発売された端末のコンセプトは大きく乖離していたのです。この2つの中で求められていたことをそれぞれ鑑みるに、ノキアには経営予測の手腕が欠けていると同紙は指摘します。

ノキアは、今日の消費者が飛びつくような端末を実際に開発していました。ただ市場に投下できなかったのです。iPhoneが市場を覆そうとしているとき、ノキアはスマートフォンからフィーチャーフォンに焦点を戻すという戦略的失敗を犯してしまいました。

その結果はどうなったかって? 少なくとも自社OSは無駄になりましたが、ノキアの企業価値にほぼ等しい約60億ドル(1ドル78.5円換算で、約4,708億円)もの特許価値を獲得。再びスマホ戦争へと乗り出していくことになります。今年はじめ、ノキアは世界最大のモバイル端末メーカーの座を降りましたが、それはあまりにも有利なスタートを切ってしまったからにほかなりません。

ただし、最近ではルミア(Lumia)シリーズも順調に売れ、Windows Phoneの王座となりつつあるノキアは、いま生まれ変わろうとしています。彼らのビジネス規模やタイミングが満足のいく結果につながるよう、今後に期待したいですね。

[Wall Street Journal]

Jamie Condliffe(Rumi/米版