なぜ1日は24時間なの?

なぜ1日は24時間なの? 1

コンピュータの2変数関数からお釣りまで10進法が支配するこの世界で、なぜ10時間じゃないのか?

1日を24時間と決めたのは、エジプト人です。

狩猟から農耕社会に文明が移行し、人は物を数える必要性に目覚めました。朝5頭いたヤギが夕方帰ってきたら3頭だった...これでは困りますからね。で、書き言葉が生まれ、人は今の子どもがやるように10本指で物を数え始めたのです。

10進法が使われてた形跡は、3000 BCのエジプトの象形文字にもう出ています。そんなに昔からあるのに、なぜ時計だけ12進法にしたのか? 

これについては、エジプト人が古代シュメール文明から受け継いだ数え方から12進法に落ち着いた、という説が有力です。つまり左手を開いて親指の先で残り4本指の関節を数えていくと、付け根を含めて1本3個あるから合計で12個、という数え方ですね。これに従いエジプト人は1日を前後12時間にわけたんです。まあ、正確には昼は10時間、朝・夕2時間、闇に閉ざされる夜が12時間、という按配に。

 

古代エジプト人が時間を数える目安にしたのは天の運行です。ほぼ40分置きに地平線から現れる小さな36星座「デカン(decans、十分角)」の動きを追ったのです(ん? と思って計算しましたら36星座×40分=1440分で、1日24時間×60分とピッタンコ一致)。各デカンが昇ると、それは新しい1時間の始まりを告げるサイン。夜明け直前に東の空に次のデカンが出ると、それは新しいデケード(エジプトでは10日間の意)の始まりです。

第9王朝(約2100 BC)時代、エジプト人は太陽暦に、こうした星の出の情報を加味し、1年の暦をつくりました。36デケード×10日で1年360日+補正日、これがエジプトの1年です。

この新しい暦が本当に正確でございまして、シリウス星が空に現れる時期を見て毎年くるナイル川の氾濫の時期も予言できたんです、すごいですね。まあ、1時間の長さは季節によって長かったり短かかったり差が出ましたが。

「夜デカンを見れば誰でも時間がわかるよう、読み取り表もつくられました。驚くべきことに、棺の蓋の中からも、こういう読み取り表が見つかっているんですよ。きっと亡くなってからも時がわかるよう思いやってのことと思われます」と、シドニー天文台天文学顧問学芸員のニック・ローム博士(Dr. Nick Lomb)は米ABCニュースに語ってます。

これで時を告げるのは死ぬほど簡単になったけど、1時間が伸び縮みする弱点はいかんともし難く、ギリシャ人は1日と等分する仕組みを求めました。そこでエジプト人の星時計から昼夜平分ベースの時計を編み出したのが、古代最大の天文学者と呼ばれるヒッパルコス(Hipparchus)。こうして昼と夜の長さが等しくなる分点(春分・秋分)の光(昼)を12等分、闇(夜)を12等分する今の時計が生まれたのです。

このように時のことを調べてくると、古代人は知恵者で、神に近いところにいたんだなって思いますよね。こんなに考えて考え抜いて辿り着いたものなのに夏時間なんて本当に必要なのかな...誰かに教えてほしいです。

[ABC News, Cornell, Wikipedia, 日本版, Andrew Tobias]

Andrew Tarantola(原文/satomi)