地球磁場に隠れポータル発見(動画あり)

アイオワ大のジャック・スカダー(Jack Scudder)プラズマ物理学教授が「毎日何十回も開閉する地球磁場の隠れポータル」をついに発見しました!

研究費を出したNASAが先ごろ発表したもので、「我々の惑星から9300万マイル(1億4966万km)離れた太陽大気に抜ける遮蔽物のないパスを生む」ものだとスカダー教授は話していますよ。

このポータルは「X-ポインツ」、「電子拡散領域」と呼ばれるもので、NASAの観測衛星「THEMIS(テミス)」と欧州宇宙機関(ESA)の観測衛星「クラスター」のデータでは、1日に何十回も開閉してることが分かっています。普通は、地球磁場が太陽風の突風と交わる「地球から数万kmの地点」にできます。

ポータルは小さく短命なものがほとんどですが、中にはずっと大きく口を開けたままの巨大なポータルもあるのだとか。するとこの口を通って太陽大気から地球大気に何トン分もの高エネルギー粒子が高速で移動して地球の上層大気を熱し、磁気嵐を起こし、空に極光が煌めく、というわけ。

観測する上での問題は「目では見えなくて、不安定で、捉えにくい」もので、何の前触れもなく開いたり閉まったりすること。所在を探す手がかりさえなかったのですが、スカダー教授はその道標を見つけたんざますね。

 

(動画2:10-)ポータルは両天体の磁力線が空中で出会って交差する「磁力再結合(magnetic reconnection)」の過程で生まれる。太陽、地球の双方から出た磁力線が交差して穴が生まれる、この交差点が「Xポイント」。ここで両磁場がいきなりぶつかると荷電粒子がXポイントからドッと飛び出す、これで生まれるのが「電子拡散領域(electron diffusion region)」だ。

これが起こる現場を絞り込む手がかりを求めてスカダー氏は、約10年前に地球を周回した偵察衛星からのデータに当たってみた。

「1990年代後半にNASAのPolar宇宙船は何年もかけて地球磁気圏を観測したのですが、その観測ミッションの間にXポイントに何度も遭遇してたんですね」(スカダー氏)

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磁場のXポイントを探す重要な手がかりは、1998年当時のNASA Polarのデータにあった

「Polarの観測データから我々はXポイント(電子拡散領域)通過中なことを示す5つの単純な磁場×エネルギー粒子観測のコンビネーションを見つけた。適正な計器を積めば、この計測は宇宙船単体でも可能だ」(スカダー氏)

おおおおー! となれば造らないわけにはいきませんよね! というわけでNASAも早速「磁気圏多スケールミッション(Magnetospheric Multiscale Mission:MMS)」を立ち上げ、観測可能な宇宙船計4台を地球近辺に配備し、「ポータルを囲んで、その仕組みを観察する」計画です。打ち上げは2014年(予定)。

[NASA]

JESUS DIAZ(原文/satomi)