サムスン「ピンチしてズームなんてiPhoneの前に三菱の研究所がやってる」(動画)

アップルサムスン戦争は最終交渉でも歩み寄りが見られないないまま21日(米時間)から始まる陪審員評決で白黒決まりそうな気配ですが...先週法廷ではサムスンがあの「DiamondTouch」(動画上)の開発者アダム・ボーグ(Adam Bogue)氏を証人に召喚する一幕がございましたね。

マルチタッチスクリーンが最初に大きな脚光を浴びたのはジェフ・ハン氏2006年2月に行ったTED講演...ですが、その5年前の2001年には三菱がボストンに構える研究開発拠点のMitsubishi Electronic Research Laboratory(MERL)で既にこんなマルチタッチデバイスを実現していたのです。ご記憶の方も多いと思います。

ピンチしてズーム、アップルのバウンスバックも既に「DiamondTouch」が実現してるじゃないか、というのがサムスン側の主張。動画を見ると確かに「Tablecloth」機能の写真が元に戻るところはiOSそっくり。内蔵の「Fractal Zoom」というアプリでは、複数指ジェスチャーで写真をズーム拡大できているのがわかります。

DiamondTouchは誰でも自由に触れるようMERLのロビーに置いてありました。アップル社員もあれは絶対見たはずだ、とサムスンは指摘。証言台に立ったボーグ氏は「2003年にはアップルに直接デモしました」という新事実を明らかにしました。続くアップル弁護士による質疑応答ではFractal ZoomアプリはDiamondTouchをアップルに持っていった「後」に開発したものだと認めていますけどね。

一方バウンスバック特許についてもサムスンは先行技術で反論を展開。 そちらで起用したのはベンジャミン・ビーダーソン(Benjamin Bederson)氏の発明品「LaunchTile」システムです。

「LaunchTile 」は2004年に開発されたモバイル向けのタイルベースのUIで、その中核にあるのがビーダーソン氏が「セマンティック・ズーミング」と称するUI。HPのiPAQで行ったデモでは画面4分割で各々異なるアプリが表示されました。ユーザーはスワイプで先に進んだり戻ったりできるほか、ワンレベル上にズームアップして全タイル俯瞰も可能。下に掘り下げていくとアプリが全画面表示になります。

サムスンが強調したのは「スナップバック」とビーダーソン氏が命名した機能で、これは画面から画面にスワイプする際、ユーザーが所定の閾値を越えなければ画面が前の状態にボヨヨンと戻る機能です。アップル弁護士に早速「アップルのバウンスバックと反対では?」と突っ込まれましたが。

...とまあ、細かいところは微妙に違うため、両機とも丸々アップル端末の機能を再現するところまではいきませんでしたから、勝訴まで持ち込むには今ひとつパンチ足りないかもですね。ここは陪審員の気持ちに「本当にアップルのオリジナルだったの?」という疑問を抱かせることができればサムスン的にはミッション成功でしょうか。

それにしてもこんなところでMERLのDiamondTouchが出てこようとは...。因みにジェフ・ハン氏の会社「Perceptive Pixel」の方は今年7月にマイクロソフトに買収され、Office部門に組み込まれました。

[The Verge]

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satomi(Jamie Condliffe/米版