リアルなロボットにしか興味なし! ルンバの未来を語るアイロボットCEOインタビュー

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リアルなロボットにしか興味なし! ルンバの未来を語るアイロボットCEOインタビュー 1

非常に興味深いお話が聞けました!

9月17日に10歳の誕生日を迎えたばかりのロボット掃除機「ルンバ」。その最新モデル「600シリーズ(リンク先PDF)」が発表された記念発表会の会場で高価なロボットを何回も放り投げてきたことはすでにお伝えしたとおり。

その最後に予告もしましたが、実は記念発表会の翌日にルンバを作っている米アイロボット社のCEO、コリン・アングルさんにギズモードがインタビューすることができました。コリンさんってこのCMのお方です。

見たことある人もいるのでは? ルンバ誕生のきっかけや、ロボットの未来構想など、とっても興味深い話を聞くことができましたよ。

ロボットの未来を語る上で知っておきたいことが詰まった必読インタビューです。ではどうぞ!

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ギズモード(以下、ギズ):このたびはルンバ10周年おめでとうございます。ギズモードはご存知ですか?

アイロボット社 コリン・アングルCEO(以下、コリンCEO):はい。知っていますよ。

ギズ:ありがとうございます。実はルンバと米Gizmodoは同い年で今年一緒に10周年を迎えているんです。こちらは勝手に親近感があるなぁと感じています。

コリンCEO:ありがとうございます。

ギズ:米Gizmodoは普段からご覧頂いたりしているんでしょうか?

コリンCEO:はい、見ています。最新のガジェットを見つけるいい情報源ですし、何か新しいものが出るというときには、ギズモードで知ることがよくあります。特に新しいロボットが出るようなときには、よく紹介されたりもしますので。

ギズ:そうなんですね、ありがとうございます。

みんながお掃除ロボットを待ち望んでた

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ギズ:ではルンバについてお話伺っていきたいと思います。まずはいろんなところで何度もお話されてると思うのですが、ルンバが生まれたきっかけを改めてお話頂けますか。

コリンCEO:はい。最初にアイロボット社をはじめた頃、わたしが「アイロボットCEOのコリン・アングルです」と自己紹介をすると、相手からは「わたしの家の床をきれいにするようなロボットはいつ出てくるんですか?」という質問をほんとに何度もされました。つまり、マンガに出てくるような掃除用のロボットをみなさんが望んでいた、という状況があったんですね。ですので、そのようなロボットというのを作るのは非常によい考えだということはわかっていました。

ですがどうやって作ったらいいのか、というのが非常に問題でした。もちろんわたしたちはロボティクスについてはよく知っていたのですが、どうやって掃除をさせるものを作るのか、というところについてははっきりわからないところがありましたし、人々が求められるような価格でどう作っていくか、というところが課題でした。

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それから12年間、わたしたちはずっと研究を続けてきました。どうすれば価格を抑えて、人々が求めやすい価格で提供できるかどうかをハズブロ社(アメリカを代表するおもちゃメーカー)から学んだり、プロフェッショナルなSCジョンソン社(家庭用洗剤製造メーカー)からもいろいろ学びました。どうやって掃除をしたらいいか、何年も時間をかけて設計を練り直し、2002年にルンバのローンチに至ったわけです。

ギズ:お掃除ロボットを期待する声が多かったから、というのがルンバを作るに至ったいちばん大きな要因だったということでしょうか。

コリンCEO:はい。そう言っていいと思います。

アイロボット社を始めた当時はたくさんの事業をやっていて、掃除ロボットももちろんそうですし、油田などで使うロボットやおもちゃのロボット、ロボットゲームのようなものもやっていました。ルンバをローンチするまでアイロボット社には8つの部門あって、それぞれの部門が異なるロボットを作っていたんです。ルンバがここまで成長するとは、そのときには予測もしていなかったんです。

ルンバというロボット掃除機を「発明」

ギズ:次にルンバの中身に関して聞かせてください。ルンバを作る上で、いちばんこだわっているのは何でしょうか。

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コリンCEO:(テーブル上のルンバを裏返して)まずいちばん誇りを持っているのがこのクリーニングシステムです。ふつうの掃除機等に比べてフロアのゴミをたくさん取れるということですね。

ですがコードが伸びているふつうの掃除機と比べると、ゴミを取る力が1/500くらいに落ちてしまうという問題がありました。そこで、ふつうの掃除機とは違う、何か別の掃除機を発明しないといけないということに気がついたんです。

まず、ゴミを吸い込むだけではなく、機械的なブラシを付けることで大きなゴミもそこから拾い上げることができるようにしました。電力量が必要なゴミを吸い込む部分については、ノズルのところで速力を高めた空気の流れを吸い込むようにしました。それからゴミをしっかり取れているのかがわかるセンサーを取り付けて、必要があればゴミが取れるまで何度も同じ場所をしっかり掃除するシステムを作りました。またクリーニングヘッドのところを上下に動くようにすることで、本体と床やカーペットの差をうまく調節できるようにもしました。

もうひとつ誇りに思っていることは、ルンバが適切なサイズだということです。部屋に置いておけるサイズに収められたということですね。それからバーチャルウォール(掃除エリアを意図的に制限できる仮想壁を設定するルンバの付属品)も誇りのひとつです。これはルンバの成功の要因でもあります。

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ギズ:ありがとうございます。ルンバにはこれまでアイロボット社が手がけてきた様々なロボットの技術が活かされていますよね。具体的にどんな技術が活かされたのかお聞かせいただけますか。

コリンCEOナビゲーションシステムが挙げられます。これは「フェッチ」(左画像)という地雷を見つけ出すロボットのテクノロジーとして開発した人工知能のプログラムを、ルンバにも搭載して活かしているんです。


理想はルンバがない状態

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ギズ:では次にルンバの未来のお話をお伺いします。いまコリンCEOの頭の中にあるルンバの未来の構想みたいなものを聞かせて頂けますでしょうか。

コリンCEO:まずロボットを活用する家という大きな捉え方の点では、主たるそこに住む人とロボットを繋げるインターフェースのことになりますので、そこの考えは少しルンバと違ってきます。

例えばそのような家で活用できるロボットというのは、もっと背丈も高くて、タッチスクリーンがあって、インターフェースとして活用できて、音声認証があってですね、直接住人であるみなさんとコミュニケーションができる、そういうものになるので、ルンバとは違うものです。

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その中でのルンバの役割というのは、小さくて短くて背格好が低くて、ソファーやベッドの下まで入って床をしっかり掃除することです。そこでルンバをいわゆるヒューマンインターフェースのロボットとして展開していくのは間違っていると考えています。

次にルンバの将来、未来ということで考えると、引き続き掃除機能の改善を続けることに焦点をあてていきます。ゆくゆくは何度もルンバを使わなければならない時間というのを短く、なくしていきたいと思っています。それを突き詰め行けば、理想的にはもうルンバがない状況、その存在すら感じられずに、ただ家に帰ってくるとそこはもう綺麗な場所になっている、というのが理想です。

ギズ:では次は少し視点の違う質問をしますね。コリンCEOは実用的なロボットというところに注力して開発を進めていらっしゃると思いますが、一方でスターウォーズの大ファンだ、というのを伺ったことがあります。その中からアイディアを受け取ったりしているかと思うのですが、ロボット文化の根強い日本の映画やアニメのなかで、何かしら影響を受けた作品やロボットがあれば教えて頂けますでしょうか。

コリンCEO:...(少し困った顔)

ギズ:...たとえば、鉄腕アトムですとか、ガンダムに登場するハロですとか...。

コリンCEO:...残念ながら成長段階であまりそういうものを見ることはありませんでした。5体のロボットが合体してひとつのロボットになる作品は見たんですが...。

ギズ:ですよねー...。

プラットフォーム化するロボット

ギズ:では日本のガジェットファンに向けてメッセージをお願いします。

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コリンCEO:いまは、ロボットにとって素晴らしい時代になってきているとわたしは信じています。昨年、タブレットを活用した「AVA(エイヴァ:左画像)」というロボットのデモを行いましたが、ロボットがプラットフォームとなって、AndroidやアップルのiOSなどさまざまなタブレットと繋がっていき、タブレットがビジョンやオーディオをロボットに繋げるインターフェースとして活躍していけるようになっていると思います。ですので、AndroidやiOSなどをプログラミングできる人はみんな、ロボットの専門家になっていく、そんな時代が近づいていると思いますよ。

ギズ:ありがとうございます。最後にもうひとつだけ聞かせてください。iPhoneのSiriに「掃除して」と喋ってお願いすると、iPhoneと無線接続されたルンバが掃除をはじめる、というものを作った方がいらっしゃって、これがその動画で・・・(動画をコリンCEOに見て頂いて)・・・というような、iPhoneやAndroidなどのガジェットと、ルンバや、そのほかのアイロボット社が手がけるロボットが連携するというような構想はあるんでしょうか。

コリンCEOもちろんあります。さきほどロボットを活用する家というものについてお話ししましたが、そうなるとすべてが繋がっているわけですね。ですから例えばインターフェースになるようなロボットに人が話しかければ、そのインターフェースロボットがルンバに指示を出してコントロールをしたり、ということができるようになってくるわけです。

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iPadを使い遠隔操作できる医療ロボット「RP-VITA」。この場ではカリフォルニア州の病院にある「RP-VITA」をコリンさんが操作する様子をデモした。

ひとつのロボットだけでiPhoneなどをそこに活用するとかわいい感じがしますけど、それだけではなくて、わたしたちはより完全な、自動化された家というのを目指していますから、すべてが関連づけられなくてはなりません。それによって、そこに住んでいる人が自分の周りの環境をコントロールできるようになったりしていきますよ。

ギズ:本日は興味深いお話をありがとうございました。

ルンバ]アイロボット

ルンバ600シリーズ - プレスリリース](リンク先PDF)

(インタビュー・文:鈴木康太 , 撮影:松葉信彦)