LulzSecのTopiary保釈から1年、ネット禁止生活で得たものは

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検索すら禁止だそうです。

ジェイク・デイビス。この実名よりも、「Topiary」というハンドルネームで有名になった彼は、多くの企業や政府サイトにオンライン攻撃をしかけたハッカー集団、LulzSecのリーダー格のひとりでした。いったん逮捕されましたが、その後条件付きで保釈されていました。

その条件とは、「インターネットを一切使わないこと」。保釈から12ヵ月経った今、彼は自分のしたこと、そしてインターネットなしの生活を振り返って、イギリス「ガーディアン」紙に手記を寄せています。

異様なエネルギーに満ちたハッカー集団の中枢から、インターネットにまったく触りもしない生活への変化は大きかったと思われます。でも不思議と、そんな変化は彼にとってプラスの面もあったようです。

僕の生活は前より静かで、スローで、ときには退屈であることも認めましょう。オンラインで即誰かと一緒になれる状態から離れているのは寂しいし、チャットルームでの罪のないおしゃべりや、同じような興味の人を見つけられるサークルの心地よさも懐かしいです。もちろん、リアルな生活では検索もできません。実際に探さなきゃいけないんです。でも、デジタルから切り離されていてうれしいことだってあるんです。

それは、「とたんに生活がシンプルになった」とかいうことではありません。むしろ、想像はつくと思いますが、ちょっとしたタスクがものすごく難しくなったりします。そうではなくて、点滅する光とかコンスタントな振動音に邪魔されることなく目を閉じられる、そんな感覚がありがたいんです。僕はローティーンの頃からそんな風に、ずっとコンピューターマラソンしてるような感じでしたから。今はすごく静かに、邪魔されずに眠れるし、本がはるかに面白く感じられます。わけのわからない恐怖感もなくなった気がします。この感覚は、かつて失った集中力がよみがえってきたと言うしかないと思います。

集中力こそ、今すごく希少なものです。僕らの生活は、短い、広告みたいな喧噪や「ツイート」に圧縮されてしまっています。ダダ流れの戯言がページというページを埋め尽くし、僕らの創造力を食いつぶしているんです。もしハッシュタグが米粒だったら、どれだけの飢えた家族を食べさせられるかわかりますか? 僕にだってわかりません。検索も使えないし。

ミラクルな治療とか、すごいセラピーとかを誰かにしてあげられるわけじゃありません。ただ自信を持って言えるのは、インターネットをまったく使えない状態によって、僕はより充実した人間になれたと思います。日々スクリーンに貼り付いて生きてきたので、自分がそんなことを思うなんて考えもしませんでした。前は、インターネットがないなんてことは理解すらできませんでした。でも今は、急にやめさせられたからって子供じみた負け惜しみで言ってると思われたくないんですが...、昔のオンラインチャットの記録(僕の訴訟の証拠として大量に取り上げられてるもの)を見ると、あの騒ぎはいったい何だったんだろう? って思います。

ハッカーコミュニティが自らの正当化をやめるべきかどうか、僕は言える立場にはありません。ただたしかに、かつて僕はそのコミュニティにはまりこんでいて、ラップトップなんて簡単に閉じられるんだってことを忘れてしまっていました。

なので僕は、もし同じような状況にいる人がいたら、Webをちょっと休憩して(1週間くらい)、同じように効果があるかどうか試してくれたらと思います。やってみて害があることじゃないので。

集中力がよみがえってきたって、なんだかうらやましい気がしますね。本当に1週間くらい休んでみたくなります。

とはいえ、彼の足首には追跡用の電子タグが付けられているし、イギリスだけじゃなくアメリカでもすでに起訴されていて、判決によっては「数十年も刑務所入りになるかもしれない」そうです。そんなときに精神が研ぎ澄まされていくのって...。

[The Guardian]

Eric Limer(原文/miho)