「カッコつけてるだけ」
「役者の顔が見えるように」
「反動テコにして隣の人間狙えるから」
諸説ありますけど、Q&AサイトのQuoraで元アメリカ海兵隊射撃指導員が紹介してるのは「理論上その方が早く狙えるから」という説です。これは初耳だったので訳しておきますね。
回答:「Flash Sight Picture」というテクニックを使ってもっと速く狙いを定めることができるから。
アメリカ海兵隊の元射撃技術指導員です。専門はピストル。ピストルなら何千回も撃ってきました。上記回答は別のコーチ(その筋の人)から理由を聞いて納得したもの。理論上の話であって、実戦で使うと悲惨なんですけどね。
まずはピストルの照準の初歩を少々(免責条項:射撃指南ではありません。自宅でやらないこと)
Sight Alignment(サイト・アライメント):照準法。弾は勝手に弾道を描いてターゲットに向かうわけじゃない(だから射撃シーンのある映画は嫌い)ので、銃の前後結んだ線が一直線にターゲットに向かうよう自分でコントロールしなきゃいけない。これをやる一番簡単な方法が「building the castle(城を組む、の意)」というテクニックです。
3つの「トゥレット」(凸部)の凸部も凹部も全部等間隔に並ぶようキャッスル(城壁)状に組めばいいんです。上図の上4つはダメなキャッスルの例。このサイト・アライメントだと狙いが外れてしまいます。下のが正しい例。
(訳注:これは動画で見た方がイメージしやすいかも...貼っておきます)
Sight Picture(サイト・ピクチャー):完璧なアライメントのサイトとターゲットが一箇所で重なる状態。凸部をターゲットの真ん中に重ねます。これが照準する時のピクチャー(像、イメージ)です。サイトが変えられない銃の場合、狙った先ではなく弾が当たると意図した先に当たるよう、銃を毎回オフセットしなくてはなりません。
銃のオフセットの仕方を知ってる限りは、左下狙って右上に弾が出ても無問題です。理屈上は、毎回同じ狙い方をすれば弾がどこに行くかも予想できる...だからサイト・ピクチャーは重要なのです。ターゲットから見てどこに武器があるのか位置関係をきっちり把握しておきましょう。以下はサイトアライメントもサイトピクチャーも良くできてる例。
Flash Sight Picture(フラッシュ・サイト・ピクチャー): これは軍はじめ様々な組織が素早くターゲットを捉えるために使うテクニック。超早撃ち。きちんと狙ってる時間もない、そんなとき重要なのはターゲットに近い位置にいることと、完璧なアラインメントで相手を真ん中に捉えなくても撃てるだけの場数を積んでることです。これは訓練にも時間がかかります。銃を使い馴れないとフラッシュ・サイト・ピクチャーは上手くなれません。 時間がない状況でアバウトに狙いを定めるのが目的なので、一発狙いの射撃より銃撃戦でよく使われます。
だからギャングは横に構えるの?
頭がこんがらがってきた? そりゃそうです。横に持つとフラッシュ・サイト・ピクチャーがやり易いのは確かだけど、サイトアライメント得る面では最悪ですからね。なぜか? 図で説明しましょう。
以下の図の赤い矢印、これが横撃ちの焦点です。この焦点と銃の側面でサイト・ピクチャーを得なきゃなりません。
さっき書いたように、毎回同じ狙い方をすればターゲットには当たるはずです。ただ傾けて構えると問題は頼りにできるサイトアライメントを得るのがほぼ不可能なこと。斜めに構えると、武器を水平に倒してサイドで照準合わせをしなきゃならないんです。理論上はこれでも狙えますが、実戦でこれやると左右の動きが正確に目測できないし、自分の視界を出るほど下に傾いてるかどうかも、銃を後ろから見てるだけでは知る術なし。同じ狙い方は2回できないので、同じ撃ち方も2度と再現できない、ということになります。
というわけで早撃ちには有効だけれど、サイトアライメントの精度は落ちる、ということですね。チンピラはスピード命で、荒っぽくてもそれでなんぼってとこありますが、マークスマン(射手)は時間をかけて狙って狙って狙う、という違い。な~るほどね~。
[Quora]
Casey Chan(原文/satomi)














