音速も超えた! 世界最高高度からのフリーフォールに挑戦したスカイダイバー(動画あり)

音速よりも速いってどういうことよ!

命知らずのスカイダイバーの名前はフェリックス・バウムガルトナー、オーストリア生まれのスカイダイバーです。そんな彼が今回挑んだのはレッドブルの企画「Red Bull Stratos(レッドブル・ストラトス)」。こちらまず企画の概要をおさえておきましょう!

レッドブル・ストラトスのゴールは、高度12万フィート(約36,500メートル)を超える高さの成層圏からフリーフォール・ジャンプを行い、

1. スカイダイビングにおける過去最高の高度記録を樹立

2. フリーフォール落下による距離(落差)の最長記録を更新

3. 人体のみによる落下速度でフリーフォールの超音速記録を樹立

4. 気球による有人飛行として、過去最高の高度記録を更新

というもの

いつもレッドブルの企画ってだいぶぶっ飛んでいますが、こればっかりはエクストリーム過ぎるでしょ...。

がしかし! 冒頭の動画でもおわかりの通り、彼はこの卒倒するレベルの高度からのフリーフォールを成功させ、いくつかの世界記録を樹立したんです。

「一番興奮した瞬間は、飛び降りる30秒前に地球の上に立った感覚を味わった時だったね。全世界が自分を見ているようだった。これを地球に生きる全人類に見せたかったよ。本当に素晴らしかったんだ。

今回の企画の中で、本当に深刻な問題※が起きていると感じた瞬間があったよ。でもなんとか安定できたけど。(※ これはもちろんフリーフォール中にスピンし始めた時のことでしょうね)

その後スピンの激しさが増して、どうやってこの状況から脱するか、正直なところわからなかった。でも、そこから体制を持ち直して音速を超えることができた。

落下中、音速よりも速いと感じたね。強まる空気の圧力に自分が当たって向かっていく感じだったんだ。」

 

 

昨日の午前11時30分(東部夏時間)、彼を乗せたストラトスカプセルは、気球による有人飛行で今まで人類が到達した高さを超えた約3万6500メートルの高度に向けて出発しました。2時間の道のりだそうです。考えてみてくださいよ、2時間高度を上げ続けていくんですよ...?

そしてカプセルの内部と外気圧が同じになった時にドアが開き、眼下に広がる地球を見て深呼吸をし、飛び降りたんです。

実はその1時間前、彼がまだ予定高度に到達する前、地上の管制室ではこのジャンプを中止することも考えていました。というのも、フェリックスのヘルメットのバイザ―部分に熱の問題があったそうです。しかし、最終的には問題が解決され、ジャンプが決行されました。

 

飛び降りる直前の彼のコメント

20121015amazing_felix1.jpeg

「今、僕が見ている光景を全員に見せたいよ。時には、自分がいかにちっぽけな存在かを知るのに、こんなにも高くまで上がらないといけないんだね。

今から家に帰るよ。」

そしてジャンプ

20121015amazing_felix2.gif

ヘルメットのバイザ―が途中曇ったものの、そんなことはどうでもよく、彼は見事いくつかの世界記録を樹立し、彼の家族や見守っていた人がいる、地上に帰ってきたんです。その中の一人、フェリックスのお母さんは、目にいっぱいの涙を蓄え、息子の帰還を喜んでいたそうですよ。

 

着地直後のフェリックス

121015justafter.jpg

 

息子の偉業に涙するフェリックスのお母さん

121015felixmom.jpg

 

こちらが命知らずフェリックスが新たに樹立した世界記録になります。

1. 気球による有人飛行として、過去最高の高度記録を更新。フェリックスによって破られた記録はヴィクター・A・プレイサー・ジュニア少佐と米国海軍の船長補佐のマルコム・D・ロスによって、1961年5月4日に記録されたもので11万3740フィートでした。しかし、プレイサー少佐は上空から帰って来た後、メキシコ湾で、宇宙服に水が浸水し溺死されたそうです。ちなみにロス船長補佐は助かったそう。

2. スカイダイビングにおける過去最高の高度記録を樹立。前世界記録保持者は、今回フェリックスのメンターでもあったジョー・キッティンガー。プレイサー少佐とロス船長補佐は、最高高度(当時)に到達した後、そのまま飛び降りずに地球に戻って来たのに対して、キッティンガーは飛び降りました。1960年8月16日、高度は10万2800フィートでした。

3. (機械的に推進力を得ることなく)人類で一番速い男に。前記録保持者はこちらもキッティンガー。その記録は時速641マイル(時速998km)だったそう。

4. 人体のみによる落下速度でフリーフォールの超音速記録も樹立。人類で始めて音速を超えたのは、チャック・イーガー(Chuck Yeager)が飛行機を使って達成したもの。(1947年10月14日)


フェリックスは、キッティンガーが持っていたフリーフォール落下による時間の最長記録を破ることはできなかったそうです。というのもこれは空気抵抗の問題で、キッティンガーはフェリックスよりも大きな体だったことに起因するとか。ちなみにキッティンガーの記録は4分36秒だったそう。

今回はワールドレコードの樹立だけでなく、フェリックスの落下中に、彼の服がデータを送り続けていたみたいで、このデータが将来の宇宙服の安全性の向上に役立つそうです。

でも、記録や科学的なもの以前に、今回のチャレンジは単純にお見事! としか言えませんね。こんな世の中でも捨てたもんじゃない。まだまだ勇気ある人間がいるんですから!

お疲れ様です、フェリックス!

※ 一部修正させて頂きました。ご指摘有り難うございます。

 

[Red Bull Stratos]

[Felix Baumgartner]

河原田長臣(JESUS DIAZ/米版