Mac風の小さなゲーミングPCの作り方

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前回(2010年12月)に自作したMini-ITXのゲーミングPCは、Core i7-870 CPU、GeForce GTX 460 GPU、4GBのDDR3メモリ、1TBのHD、120GBのSSDをぜーんぶ「Silverstone SG07」(サイズは靴箱ぐらいしかない)に突っ込んで総予算1600ドル(当時)でした。

今回は前ほど小さくないけど搭載する中身は本格派です。

スペースに余裕のあるMacそっくりのBitFenix Prodigyをケースに使うので、ATX PSUとHDDどっさり積んでもまだ240mmのラジエーターまで入る! しかも持ち運びに便利な取っ手付き。

取り付けられるものリスト

Mini-ITXの組み立てだから統合グラフィックプロセッサを使わなきゃいけない...とは限りません。ゲーム用PCはやっぱりグラフィックカードは別に入れたいところ。ここでは工場オーバークロック済みだけどKepler並みに省電力のMSI GTX 670 Power Editionを使用することにしましょう。

あとはIvy Bridge CPU 3.4GHz Core i5-3570KZotac Z77 WiFi Mini-ITXマザーボードに乗っければ完璧です。このボードはフルサイズのx16 PCIe 3.0専用スロット1本、DIMMスロット2個、 USB 3.0、6Gb/s SATAスロット付き。DIMMスロットのところに4GB Corsair Vengeance DDR3/1600 DIMMを2つ取り付け、マスストレージには240GBのCorsair Force GS SSD3TBのHGST Deskstarを使ってみることに。

ケースは一番の要(かなめ)。このBitFenix ProdigyはMini-ITXのケースにしてはやや大ぶりですが、そのぶんたくさん積めます。フルサイズのPSU(ただし奥行きは140mmまで)と、HDD6基、SSD6枚、長いビデオカードも増設できます。また、メインのコンパートメントが大きいので、フルサイズの空冷エンジンはもちろんのこと液冷エンジンも積める!

米Giz編集部お気に入りの空冷エンジンはPCIeスロットに干渉する問題があります。240mmのラジエーター入れなきゃならないというたったそれだけ理由のために、5.25インチ(13.3cm)のベイが塞がっちゃうのは嫌。なので、ここではオールインワンの液冷ループ「Thermaltake's Water 2.0 Performer」を使ってます。これなら上部空間も十分とれるので、3.5GHzのCore i7-3770Kを常時4.4GHzまでオーバークロックできますよ!

組み立て方

ProdigyはMini-ITXのケースにしては大ぶりですが、組み立てはちょっと複雑です。以下は原文筆者がやった作業まとめ。

1. ケースの下準備

サイドパネルのねじ4個を緩めて、パネルを外します。フロントパネルを留めてるクリップ4個もパチンとやって、こちらのパネルも外します。上にあるHDケージを上下クリップで掴んでケースの外に引き出します。ケースを横倒しにして、ケージの下のところをカシスに留めてるねじ6個を緩めて、ケージを外します(写真A)。

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写真A

2. SSDを追加

SSDをケース下か左サイドパネル内側かPSUコンパートメント横についてる6つの穴にマウントします(写真B)。取り付けられる場所があり過ぎて迷っちゃいますが、 SSDはどこに取り付けてもいいです。HDD増設用トレイに取り付けちゃってもいいのだけど、ここは他のHDD搭載場所にとっておいた方がベター。HDDケージを元に戻して、ケースを元通り立てます。

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写真B

3. ケースを開ける

フロントパネルを開け、光学用ドライブのベゼルを固定しているネジ2個を外します(写真C)。シャーシ正面で、光学用ドライブ用途例正面の金属製ベゼルをこじ開けます。フロントパネルを元に戻し、光学用ドライブをフラッシュするまでベイに挿入。SSD増設で使ったのと同じM3(直径3mm)のねじで留めます。

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写真C

 

 

4. PSU(電源ユニット)を追加

PSUのバックプレートのネジ4個を外します。このPSUはなるべく短い方がいいです。長さが140mmを超えると、ケーブルのルーティングで死にますんで。モジュラーもいいのですが、モジュラー型じゃないPSUの方がここの作業は簡単です。バックプレートをPSUにくっつけてシャーシに取り付けます。ただし、ねじ4個は完全に締めないこと。後でまたPSUを取り出した方がワイヤリングが簡単なので(写真D)。

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写真D

5. CPUとクーラー

CPUソケットプロテクターを外しCPUを取り付け、ゲートアームを提げて固定(写真E)。RAMを増設します。Prodigyなら大型&縦長の空冷ファン取り付ける余裕もありますが、ここのPCIeスロットは1個しかないので不向きです。ここでは水冷のCPUクーラーを使ってみますね。

Thermaltakeの「Water 2.0 Performer」はAsetekビルドのデュアルファンの120mmのオールインワン水冷キットです。CPUを大風量でしっかり冷却、快調に保てますよ。 まずはバックプレート装着から。インテルのバックプレートを探し、それをThermaltakeの手順に従ってSocket 1155向けに組み、 それをマザーボードの後ろにくっつけて、ソケットリングの中にあるクリップとネジで取り付けます。

マザーボードのI/Oシールドを手に取って、無線LANアンテナ用ポートをカバーしてるタブをポンと引き出し、それをケースの背面に取り付けます。ケースの12cmの排気ファンのねじを外し、排気ファンは横に置いておきます。マザーボードをネジ4個でケースに取り付けます(写真F)。

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写真E

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写真F

6. クーラー増設

必要なものはオールインワンの水冷キット、12cmのファンひとつ、 マウント用ねじ、ウォッシャー4つ。ウォッシャー、ケース背面のネジ穴、ファン(ケース外側に換気口が向いてるか確認)、ラジエーターのネジ穴までネジを通します。ポンプユニットをソケットリングでCPUに取り付けます。たるみは、回して締めます。X字の互い違いにして。

最初のファンみたいに、ケースからラジエーターを通して空気を外に出す位置にあるファンをもうひとつ用意し、こちらはラジエーターの側面に取り付けます。ファンを同梱のYケーブルとCPU_FANヘッダに接続。ポンプユニットはSATAポートの近くにあるSYS_FANヘッダに接続します(写真G)。

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写真G

7. 電気配線

さて、この辺で電源供給ケーブルを引いてみましょう。8-pinおよび24-pinのATX電源ケーブルと、PSU正面付近にあるPCIeケーブルをケースの右サイドに持ってきます。SATA電源ケーブルを左サイドに通してHDDベイまで引いてきて、ポート1個をハードドライブに繋ぎ、SSDのところまで伸ばします。真ん中のポートは将来2台目のドライブを増設する時に使う用にとっておきましょう (写真H)。もうひとつのSATA電源ケーブルはケースの下に通してフロントパネルのところで上に持ってきて、光学用ドライブのすぐ上にあるルーティング用の穴に入れます。一番上のファンフィルターをポンと出し、ケーブルを光学用ドライブの上に引いて、接続します(写真I)。SATAデータケーブルは青い6Gb/s SATA ポートからSSDおよびHDDに引き、もう1本のケーブルは赤い3Gb/sのポートから光学用ドライブに引きます。

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写真H

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写真I

8. 電気配線。まだあるよ

GPU実装するとポートにアクセスできなくなるので、HD_Audioケーブルをサイドパネルから外し、マザーボードの端からマザーボードへの接続を確保しておきます。24ピンのマザーボードの電源ケーブルをPSUケース正面に回し、マザーボード上のポートに繋げます。8ピンの方はカットアウトを通してケースの裏側に回し(写真J)、プラグに差し込みます。 ここまできたら、あとは好みに応じて一番上にあるハードドライブ用ケージをまたくっつけて置いてもいいです。筆者は空気循環を改善したかったので、そのままにしておきました。

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写真J

9. フロントパネルのコネクタを繋げる

USB 3.0ヘッダーをラジエーターの下にあるそれ専用のところに差し込みます(写真K)。フロントの12cm のファンを3-pin-to-Molexアダプタに繋ぎ、それをさらにMolexのアダプタのひとつに繋ぎます。HD_audioケーブルの反対側の端を左サイドのカバーにまた繋いで(写真L)カバーを元に戻し、フロントパネルのヘッダーを引っ張り出し、GPUスロットに引いていってそこに繋ぎます。

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写真K

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写真L

10. GPUを入れてみよう

拡張スロットカバープレートと拡張スロットカバーのネジを緩めて取り外します。そしてGPUを入れます。で、8ピンのATX電源ケーブルがまだプラグまで届くかチェック。カバープレートを元に戻し、ネジ3個でカバープレートとGPUの両方を固定します(写真M)。PCIe電源ケーブルはATX電源ケーブルと同じ穴を通して引き、6ピンプラグは両方GPUに差しこみます。ネジ4個で電源(PSU)プレートをシャーシに固定して、配線がちゃんとなってるかダブルチェックして、ケースを閉めて元通り立てます。無線LAN専用アンテナはI/Oポートに所定の場所があるので、そこにネジで留めましょう。

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写真M

起動!

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これでミニマシンの完成です!

とりあえず筆者が最初にやったのは、BIOS設定画面開いて、CPUを簡単なマルチプライアでオーバークロックすること。ストックボルテージとbclockは同じにして、コアにあるターボマルチプライアだけシングルコアで44、デュアルコアで43、それ以上は42にクランクアップしてみました。これでシングルスレッドのタスクで最大4.4GH(安定重視の無難路線)の快適な動作環境が安定して確保できます。MSI GTX 670は工場でオーバークロック済みなので、ファンの騒音も抑えたいし、これ以上のオーバークロックは我慢しました。

編集部の他のデスクトップと比べてみたらProShow Producer以外はベンチ全敗でした(ProShow Producerは編集部のデスクトップ自慢の12スレッドよりクロックスピードの方を重視する)。でもまあ、うちのデスクトップはヘクサコアCPU+デュアルGPUで、もっと予算かかってるし、持ち運びもできないですからね。今回つくったミニマシンは、この予算で、この小さなフットプリントで、このパワー、しかも取っ手付き。CPUもGPUも申し分ないし、最高ですよ。

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Mini-ITXで残念なのは、PCIeスロットが1個、RAMスロットが2個だけなので、ビルド選びは賢くやらないとダメなこと。良いところは、必要なもの全部積めるぐらいスペースに余裕があり、無駄なスペースもなくて、そのくせアップグレードもできちゃうこと。また作る機会があったらやっぱりProdigy選ぶかな。これだけタフ(&ポータブル)なマシンが自作できるなんて、うれしいですね。

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PCの最新ニュース・レビュー・ハウツーをお届けするMaximum PCのゲスト寄稿です。

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Nathan Edwards - Maximum PC原文/satomi)