オバマ大統領再選がテクノロジーの世界にもたらすもの

オバマ大統領再選がテクノロジーの世界にもたらすもの 1

着実に「前進」。

オバマ大統領が再選されたことは、経済にも社会にも軍事にも大きな影響があります。では、テクノロジーに関してはどうでしょう? 洗い出してみると、かなりの意味があるようです。

オバマ大統領は、以下のようなテクノロジー関連政策について大きく路線変更するとは言っていませんが、逆に言えば従来路線が踏襲されると思われます。そんなわけで、これまでオバマ大統領がどんなことを掲げてきたか、まとめてみます。

 

自由なインターネット

ロムニー氏が大統領になった場合の最大の懸念は、ネットの中立性が損なわれることでした。彼はブロードバンド接続事業者はもっと規制緩和されるべきで、競争優位となるために必要なら(または事業者がそうしたいと考えたら)競合他社へのアクセスブロックを可能にしてもいいと考えていました。対するオバマ大統領は、上院議員時代からネットの中立性維持に熱心でした。優先度としてそれほど高くはなかったようですが(FCCの「オープンインターネット」のルールも微調整が必要です)、これまでの実績をくつがえしたりはしないでしょう。

高速インターネットの普及

オバマ大統領は何年も前に、ブロードバンド接続を「アメリカ中の全コミュニティ」に普及させると宣言していました。その目標にはすでにかなり近づいていて、PolitiFactによれば2012年春には米国家庭の95%がブロードバンド接続可能になっています(実際契約しているのは67%)。オバマ大統領はワイヤレス周波数帯の開放にも積極的で、2020年までにブロードバンド利用が可能な帯域を倍増させようとしています。

これは都市部の人にはともかく、地方に住む人や学校にとっては非常に重要です。ブロードバンド接続は特典か権利かという議論もありますが、いずれにしても選択肢としてはみんなが持てるようにすべきものです。

ドローン!

米国は今、武装無人航空機(UAV)に夢中です。オバマ大統領もロムニー氏も同じくらい熱心だったようで、この点に関してはどちらが大統領になっても大体同じ光景になっていたことでしょう。

オバマ大統領再選がテクノロジーの世界にもたらすもの 2

サイバー戦争

StuxnetとかFlameとか、オバマ政権下の米国はかつてないほどのサイバー戦争を経験しました。米国自身もマルウェアの開発に手をつっこんでおり、引き下がる様子はありません。そしてそれに対する反撃も、今後まだまだ考えられます。

宇宙関連

火星とか月に関する意欲的なプロジェクトは、今後4年間はなさそうです。オバマ大統領は2030年までに火星に人を送り込みたいと言っていますが、もちろんその頃には彼はホワイトハウスからはるか遠くにいることでしょう。彼ができる最善のことはNASAへの投資を減らさないことですが、現在の米国の危機的財政では、それがどんどん難しくなっています。

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みんなもっとグリーンに

オバマ大統領が提唱したグリーン・エネルギー化は、多くがすでに達成されています。風力や太陽といった再生可能エネルギーの利用は、彼が大統領就任以降2倍になっています。でも彼はまた全新築住宅を2030年までにカーボンニュートラルに(二酸化炭素排出量と吸収量を均衡に)するとも言っていますが、だいぶ先の話なので、これまたその頃には全然別の誰かが大統領なんでしょうね。

保険情報のデジタル化

すでに経済政策の一貫として、医療ITに対し200億ドル(約1兆6000億円)が投入されています。国家医療ITコーディネータ室も設立され、アナログの医療記録をデジタル化するための資金援助もあります。オバマ大統領は、当初はそれプラス300億ドル(約2兆4000億円)の投入を約束していましたが、これまでは議会がそれを許していませんでした。今回の選挙でも共和党が下院議会で優勢を保つ結果になったので、今後の見通しも良好とは言えません。この政策はすぐに効果が出るものではなく、長期的にはみんなの役に立つ、という性質のものなので、必要な資金はちゃんと出してもらえるといいのですが...。

Brian Barrett(原文/miho)