Windows 8の「1ヵ月で4000万ライセンス販売」に関する考察

Windows 8の「1ヵ月で4000万ライセンス販売」に関する考察 1

マイクロソフトは、Windows 8が発売後1ヵ月間で4000万件売れたことを発表しました。それは大きな数字に違いありませんし、Windows 7の販売実績も上回っています。でも、その数字はひとつの答えである以上に、多くの疑問を投げかけてくる数字です。

 

 

実際使ってるのは何人?

販売されているWindows 8のライセンスのほとんどは、マイクロソフトが直接ユーザーに売っているわけじゃありません。LenovoとかHPとかDellといった、ハードウェアメーカーに販売しているんです。そして、ハードウェアメーカーの販売実績によってWindows 8の実際のユーザー数が決まります。なので、何万ライセンスが実際ユーザーの自宅マシンで使われていて何万ライセンスが量販店の隅で眠っているのかは、まだまったくわかりません。

マイクロソフト・ストアではどれくらい売れた?

マイクロソフトのリアル店舗であるマイクロソフト・ストアは、北米ではすでに65店舗がオープンしています。そのうち早期にオープンしていた店舗では、この秋からWindows 8のローンチを勢いづけようとプロモーションが強化されていました。その結果、どのくらいのライセンスがこの新たな販売チャネル経由で売れたのでしょうか?

もちろんマイクロソフト・ストアが成功か否かは、単に売上だけでは決められません。ストアの目的はユーザーを新しいデスクトッププラットフォームに親しませることであり、マイクロソフトの未来に向けたデバイス「Surface」を伝道することだからです。しかし、アップルのリアル店舗はオープンからたった11年で世界で最も高利益率の店舗へと発展していったのです。マイクロソフト・ストアでの販売が順調であれば、マイクロソフトの未来も明るいかもしれませんが...?

価格が高くても売れていた?

Windows 8が4000万ライセンスも売れた理由のひとつに、その価格の安さがあります。Windows 8 Proへのアップグレードは、来年1月までは40ドル(日本のダウンロード版価格:3300円)でできるんです。Windows VistaからWindows 7へのアップグレードと比べると、半額以下です。

この価格設定が販売数値を押し上げたはずで、それはマイクロソフトの賢い判断として評価もできます。しかし、逆にもしこれほど安くなかったとしたら、Windows 7を上回る販売数を達成できたでしょうか?

どのWindowsからアップグレードされている?

Windows 7が発売されたとき、ユーザーにはアップグレードせざるをえない強い動機がありました。先代のWindows Vistaが使いやすいとは言い難かったからです。今、Windows 8にアップグレードするためのそれほど強い動機はありません。Windows 7は今も安定感があるし、Vistaからアップグレードする人はわずかでしょう。今もWindows XPを使っている人がいるとしても、きっとその人はコンピューターを持っていることすら覚えていないかもしれません。

さらに、Windows 8はUIがオーバーホールされており、抵抗感を覚える人も少なくありません。

そんな今、Windows 8にアップグレードしているのはどのような人なのでしょう? 新たにWindowsを使い始めるのはどんな人で、それは長期的にWindowsにとってどんな意味があるのでしょうか?

どんなハードウェアが売れている?

マイクロソフトは、パソコンやタブレット1500モデルがWindows 8の認定を受けたこともあわせて発表しました。しかし、そのうちどんなモデルが特に売れているかといった詳細は明らかにしませんでした。

4000万ライセンスは、内訳がどうであれ大きいことは間違いありません。しかし長期的には、Windows 8の設計で想定しているようなタッチスクリーンデバイスが売れる方が良いはずです。が、AsusのCEOのウォール・ストリート・ジャーナルに対するコメントでは、タッチスクリーンのWindows 8搭載モデルの売れ行きが芳しくないことがわかります。

Windows 8は、一見幸先の良いスタートを切れたかに見えます。しかしながら、その数字が今後のマイクロソフトにとって、そしてユーザーにとってどのような意味を持つのか明らかになるには、「4000万」という数字の背景や内訳を知る必要がありそうです。

MicrosoftWSJ

Brian Barrett(原文/miho)