ヒッグス粒子は2種類存在? 新たなデータ分析が示唆

ヒッグス粒子は2種類存在? 新たなデータ分析が示唆 1

神の粒子を見つけた! と思ったら、ふたつあるって?

ヒッグス粒子、またの名を「神の粒子」。物理学の標準理論の中で唯一存在が確認できていない粒子でしたが、今年ついに、人類はそれを(ほぼ)発見した...と思われていました。が、CERN(欧州原子核研究機構)でデータ分析を進めたところ、「ヒッグス粒子(らしきもの)は1種類でなく2種類あるかも」という可能性が示唆されています。

これは、CERNの実験グループATLASの発表で明らかになりました。ヒッグス粒子は一瞬で壊れてしまうので、直接観測はできません。なので他の粒子の出現パターンなどを分析することで、間接的に存在を推定することになります。そして今回公開された分析結果からは、ふたつの異なる質量の粒子の存在が読み取れているのです。

ヒッグス粒子は2種類存在? 新たなデータ分析が示唆 2

上のグラフで青と赤で示されているのが、粒子の存在を推定している部分です。つまりこのグラフでは、質量123.5GeV(GeV=ギガ電子ボルト)と126.6GeV、ふたつの粒子の存在が示唆されています。

この分析について、Scientific Americanはこのように「解説」しています。

素粒子物理学の標準モデルの一定の延長からは、複数のヒッグス粒子の存在を仮定することも可能だ。が、そうだとしても、ふたつのヒッグス粒子がこのように似通った質量を持っていることは想定できない。もうひとつ想定外なのは、ひとつの粒子はふたつのZ粒子に崩壊し、もうひとつの粒子は光子に崩壊していることだ。

今回の分析結果について、「たまたま観測されただけであって、分析するデータ量を増やせば否定されるだろう」と見る意見や、観測機器の調整不足などのシステム上の問題があったのではという推測もあります。すでにATLASグループでは、そうした可能性を排除すべく検証済みではありますが、確実にするにはもっとデータが必要です。そのためには来年3月に予定されているデータ開示まで待たねばなりません。

探し求めた謎の存在が、実はふたりいた...なんて、映画みたいな展開ですね。続きがどうなるのか、気になります!

ATLAS via Scientific American via The Register

Eric Limer(原文/miho)