ニューヨーク市警、Facebookで銃犯罪者予備軍の監視を検討

ニューヨーク市警、Facebookで銃犯罪者予備軍の監視を検討 1

Facebook使った捜査には実績もあり。

米国コネチカット州の小学校で起きた銃乱射事件によって、米国内の世論も銃規制に対し積極的になりつつあります。が、政治家たちの対応はまだ錯そうするばかりです。そんな中、ニューヨーク市警はFacebookへの投稿を監視することで殺人犯予備軍を検知し、犯罪を未然に防ぐという案を公表しました。

ニューヨーク市警察のレイモンド・W・ケリー(Raymond W. Kelly)本部長によれば、市警の情報部門のトップらが会合を開き、次なる悲劇を防ぐためのアイデアを出し合ったそうです。ケリー本部長はその案について、次のように説明しています。

その手法では、銃による大量殺人犯がこれまでメールやオンラインのポストで使った言葉の「サイバー・サーチ」をすることになるでしょう。その目的は銃犯罪者をサイバースペース上で特定し、監視して犯罪を阻止することです。なるべく覆面で近づき、身柄を拘束するなどしてその犯罪計画を阻止します。

ニューヨーク市警では、「これまで実際に銃で犯罪を犯した人物が使った言葉で、そうした犯罪の兆候になりうるもの」を探す独自の検索アルゴリズム開発も検討しています。ニューヨーク市警広報室長のポール・J・ブラウン(Paul. J. Browne)氏は、ニューヨーク・タイムズに語りました。そうした検索方法は、米国の対テロ組織がテロリストのオンライン上の会話を検知するために使っているものと同様のものと言われています。ニューヨーク市警ではすでにコネチカット州にチームを派遣し、情報収集に当たらせているそうです。

 

 

警察がこのように迅速かつ思い切った対応を取ろうとしていることは評価できます。ただ、コネチカット州の事件の犯人、アダム・ランザ(Adam Lanza)はFacebookもTwitterも、他のソーシャルメディアも使っていませんでした。つまり、ソーシャルメディアだけで網を張ってもまったく引っかからない人物が一定数いるわけです。そういった人物まで対象にするには、メールや他のプライベートなデータまで含める必要があります。

すると今度は、じゃあニューヨーク市周辺に住む1900万人以上のメールを全部監視するのか? ということになり、それはそれで物議を醸しそうです。ニューヨーク市警では、ソーシャルメディアを使った捜査ですでにギャング団の逮捕に成功しています。なので、ソーシャルメディアを使った捜査の有効性も示されてはいるのですが、そのために無実の人のプライバシーが犠牲になる懸念もあります。安全を取るかプライバシーを取るか、難しい判断です。

でも日本人の訳者からすると、「安全とプライバシーどっち?」という議論の前に、やっぱり銃規制についてもっと前に進める努力をしたほうが効果的なんじゃないか...と思ってしまいますけどね...。

New York Times

Photo by Thinkstock/Getty Images.

miho(Andrew Tarantola 米版