白血病の少女、HIVウイルスを使った治療法で回復

白血病の少女、HIVウイルスを使った治療法で回復 1

HIVウイルスに、命を救う力が!

がんエイズも、恐ろしい病気です。が、現在開発中の新たな治療法では、エイズの原因であるHIVウイルスを使ってがんを治そうとしています。そして、その治療法でがんの症状が完全におさまった患者もすでにいます。

7歳の女の子、エマ・ホワイトヘッド(Emma Whitehead)ちゃんがそのひとりです。エマちゃんは数ヶ月前まで、化学療法も効かない白血病(血液のがん)に苦しんでいました。でも、今は元気に跳ねまわって遊ぶこともできます。

 

 

その治療法を開発しているのは、米国のペンシルベニア大学です。この治療では、まず患者のT細胞を体から数百万個取り出し、そこにがんと戦うための遺伝子を挿入するのですが、その際に無効化されたHIVウイルスが使われます。そのT細胞が患者の血管に戻され、体内でがんと戦うのです。その際の患者の負担は大きく、激しい高熱と悪寒があります。

ニューヨーク・タイムズにはこう書かれています。

この治療で、エマはほとんど死にかけた。が、彼女はがんを克服して立ち直り、約7ヵ月経った今でもがんの症状はまったく出ていない。この治療を受けたのは、子供としてはエマが初めてで、大人を含めてもまだ少数だ。このように患者自身の免疫システムに継続的にがんと戦う力を与えることは、長い間目標とされてきた。

この実験的治療法は、大人の患者数人に対してもすでに行われています。結果は、3人は白血病が完全に沈静化、4人は沈静化したものの完全ではなく、2人はまったく効果なしというものでした。また別の子供に対する治療では、いったん改善を見せたものの結局再発してしまいました。それでも全体的に言えば、この治療法は有望そうです。

でも、研究チームのリーダー、カール・ジューン(Carl June)博士は、「治癒(cure)」という言葉はこの治療に対しては使わないとニューヨーク・タイムズに語っています。つまり、現在はがんの症状が出ていなくても、それで「完治した」とはまだ言えないということです。が、博士は「今後骨髄移植に代わる治療法にできれば」と希望を語ってもいます。

エマちゃんを救った治療法が、これからもっともっとたくさんの人を救えるよう、研究が進むことを祈ります。

The New York Times

Photo by Thinkstock/Getty Images.

miho(Eric Limer 米版