Wikipediaと昔ながらの百科事典、どっちが読みやすい?

2012.12.14 07:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

121208_wikipediasreadability.jpg


ユーザー参加型で書かれてるほうが、読みやすい? 読みにくい?

Wikipediaって、すごくありがたい存在です。私(訳者)も、翻訳するときに参考にするだけじゃなく、読み物としてもすごく楽しんでいます。でも専門的な分野の項目だと、Wikipediaだけで調べても意味がわからず、他のサイトで調べたら納得した、というケースもときどきあります。

そんな「Wikipediaって読みにくいの? どうなの?」という疑問を、客観的な尺度で検証してくれた人たちがいます。京都大学のアダム・ヤトフト(Adam Jatowt)准教授と、田中克己教授です。彼らは同じ事柄について、Wikipediaとブリタニカ百科事典(オンラインバージョン)がそれぞれがどのように記述しているかを比較分析してみました。

 


 
分析には、「standard readability measures(標準読みやすさ尺度)」とする基準が使われました。それは、一文あたりの文字数や単語数といった数値や、使われている単語が一般的なものかといったデータをもとに、文章全体の読みやすさを評価する手法です。いくつかの公式が使われていますが、基本的には一文あたりの文字数や単語数は少ない方が、単語は頻繁に使われているものの方が「読みやすい」と評価されます。

その結果、Wikipediaは「読みやすさとわかりやすさ」においてブリタニカに劣るという結論が出ました。ヤトフト准教授らによれば、その理由は明白です。難しい項目の説明はその道の専門家が書いているので、正確を期するために読みやすさが犠牲になっているのです。さらに、別の専門家がより厳密にしようと編集を加えて、読みやすさに貢献しうる「単純化」、「一般化」、「直感的な説明」部分を削除してしまうこともあります。

「(Wikipediaの)編集ガイドラインを修正したり、わかりにくいコンテンツに自動でフラグを立てて改善を促したりといった対策が必要かもしれない」と研究者らは結論付けています。ただ、まだ比較した記事のサンプルが少ないので、ヤトフト准教授はNew Scientistに対し「これからもっと比較対象を広げて検証する予定」だと語っています。この研究結果は、10月にハワイで行われたConference on Information and Knowledge Management(CIKM 2012)で発表されました。

それにしても、文章の読みやすさを測る尺度ってのがすごく気になります。今回研究対象になった言語は英語だけでしたが、一文あたりの単語数・文字数とか、難しい言葉を使わないことなどは、日本語でも大事ですよね。Wikipediaの文章がどうかってことより、自分の文章が気になって仕方なくなってしまいました...。


Adam Jatowt and Katsumi Tanaka

miho(Paul Marks - New Scientist 原文

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Wikipedia
  • Cristina Martínez|Profit
・関連メディア