デスクトップに薄さは必要なのか? 超薄「21.5インチiMac」レビュー

デスクトップに薄さは必要なのか? 超薄「21.5インチiMac」レビュー 1

モバイルならともかく、デスクトップで「薄くて軽い」ダイエット美女は要るの?

「要る」というのが証明できないと超薄iMacはダメなのだけど、さて? 

デザイン

今度のiMacはとにかく薄い! ここが一番の衝撃ですね。エッジで5mm。ガリガリモデル体型のデスクトップで、錯視のインパクト大。

使ってみた感想

起動して使ってみると従来のiMacと変わりません。ただし、スピードが違います。アップルのSSDとHDDをフュージョンした「Fusion Drive」が入ってるので、大抵のところはMacBook AirのSSD並みのスピードが実感できます。

「Premiere Pro CS6」とか「Photoshop」もSSDのフルスピードで開きますし、SSD領域で行うファイル転送も然り(I/O速度から判断するに、ファイル転送は全部デフォルトでSSDに回されてからHDDに移動となるようです)。100GBを超える大きなファイルの転送はHDDに回されるので若干遅くなりますけどね。

ブルートフォースな大容量データ処理速度は、標準のレンダリングテストで平均43秒という結果でした。MacBook Pro(MBP)13インチ Retina ディスプレイモデル(54秒)、前のMac Pro(2分)よりは速いけど、MBP 15インチ Retina(34秒)よりは遅い。MBP 15インチの方が値段は高いけど、RAMが倍あってグラフィックスカードも強力(NVIDIA GeForce GT 650M)なので、まあ、値段なりの差はあるってことでしょうか。

次にゲーム。これは1080pの(非Retinaの)ディスプレイで「ディアブロ3」を1080p×60fps弱×設定ミディアムでやってみたんですが、重い処理のところになると「あ~もっとスタミナのある(グラフィックス)カードが入ってる27インチiMacの方がいいな」って思うかもしれません。「D3」や「ウィッチャー2」では設定を高くしましたが、ベースラインのGTの(グラフィックス)カードではあんまり良い性能は引き出せないと見え、どっちのゲームでもフレームレートはたちまち30未満まで下がっちゃいました。

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一番良いところ

速いです。ドライブの部品の内容・配置をいじるオプションが全くないのはもどかしい(アップルらしい)ところだけど、Fusion Driveでもう完璧です。OS全体の動作がサクサクで、8GBや16GBのスマートキャッシュ機能をただ搭載しただけじゃこうはならないです。大きなファイルを移動する時はアレだけど(ビデオグラファーは要注意)、システム全体がSSDで動いてて単にそこに高キャパのドライブがついてる、みたいな印象です。

残念なところ

デザイン一新したのはいいのだけど、それでデスクトップの使用感が改善されたのかというとそういうこともあんまりなくて、使用感という点ではFusion Driveの方がずっと改善に大きく貢献しています。薄くなってもユーザーにはなんの得もありません。むしろ薄さが災いして21インチ版はRAM(メモリー)増設もほぼ不可能だし、SDカード専用スロットも薄いサイドから不便な背面に押しやられてしまいました。

オールインワンでポートが不便なのは一番痛いので、そのうち誰か気づいてなんとかしてくれると思いますけど、マシンを薄くしても解決にはならない気が。

 

 

ヘンなところ

なんせ薄いので、すぐ本体が動いちゃう。汚れを拭き取ろうとしてエッジを掴んだり、なんか取ろうとして手を伸ばしてぶつかったぐらいで、机上の置き場所がずれてしまいます。

テストノート

以下はレンダリングテストで使ったマシンのスペック一覧。

• Retina MBP 15インチ:2.3GHzクアッドコアIvy Bridge Core i7、16GB 1600Mhz DDR3 RAM、NVIDIA GeForce GT 650M、GDDR5メモリ1GB、251GB SSD、空きスペース122.47GB、OS X 10.8.2

• Retina MBP 13インチ: 2.9GHzデュアルコアIvy Bridge Core i7、8GB 1600 MHz DDR3、 Intel HD Graphics 4000 768 MB、OS X 10.8.2

• MacBook Air 11インチ:2GHzデュアルコアIvy Bridge Core i7、 8GB 1600MHz DDR3 RAM、Intel HD Graphics 4000 512MB、OS X 10.8.2

• Mac Pro:(2008年初頭モデル)2x 2.8GHzクアッドコアIntel Xeon、34GB 667MHz DDR2 RAM、ATI Radeon HD 2600 XT 256MB、OS X 10.7.4

•(ドライブのSSDの部分にだけ集中しないように)ファイル、アプリ、ゲームをたくさん入れたんですが、その後はプログラムを数回使うだけでドライブが優先順位を覚えてくれました。例えばPremiere Proは3~4回起動するだけで立ち上げ所要時間が15~20秒から5秒まで落ちました。

・新型iMacのディスプレイはLCDとガラスの間の隙間2mmを取り除いたので前のより良い、ということになってます。アップルの話では照り返しも減ったらしいのですが、これは普段使って目につくほどの差はありません。うちのオフィスはアヘン窟みたいに薄暗いので照り返しようがないという話もあるけど...。

買い?

もちろん。たぶん。見た目が美しい母艦のiMacが欲しい人は「買い」。スリムで中身ベターでFusion DriveのオプションもあるiMacを買わない理由はありません。ただ、27インチiMacより自分でカスタマイズできる自由度は低いので、そこは要注意ですね。また、最高の大容量データ処理性能を求めるならRetina MacBook Proの方が良いでしょう。

テストで使ったiMacのスペック

ディスプレイ:21インチ 1080p

プロセッサ:2.9GHz Ivy Bridge i5クアッドコア

メモリ:8GB RAM

グラフィックス:NVIDIA GeForce GT 650M with 512MB

ストレージ:1TB Fusion Drive

価格:1750ドル(日本は10万8800円から)

Gizランク:星3.5(5段階)

satomi(Kyle Wagner 米版